縁は異なもの
ひょんなことがきっかけで、幼馴染と再会。
かつて、私達の父親が同じ会社に勤めていて、母親同士も同期だったことから、西宮に住んでいた子供の頃は家族ぐるみでよく一緒に遊んだ。お互いのおうちを訪ねたり、動物園ゃ遊園地にもよく行った。彼女のうちの近くには、うちの周りにはなかった銭湯があり、お泊りできるときには大きなお風呂へ行けるのが楽しみだった。
その頃は、会社の運動会などもかなり盛大に行われ、景品も豪華で(三輪車競走に出たら乗った三輪車をそのままもらえるとか)、色んなお土産や美味しいものがたくさんいただけてすごく楽しかったっけ。
私達には、家族それぞれの名前に共通点があった。
父親が、啓一と啓治
母親が、さちことみちこ
私達が、しょうこときょうこ
妹が、秋恵と夏恵
例えていえば、こんな感じ。
そして、私と彼女の誕生日が1年違いで同じ日だった。
お互いに西宮から引っ越しをしてしばらくした頃、彼女の母親が自動車事故で亡くなった。その知らせを聞いて、両親はもちろんのこと私も強い衝撃を受けた。まだひとが亡くなるということがよくわかっていなかったし、これから彼女たちはどうなるのだろう?と心配になった。
そしてまだ私達は小学生で、自分達だけで行き来するには少し遠すぎるところに住んでいたこともあり、それからおつきあいがなんとなく遠ざかってしまった。
そんな細々したことを、お互いによく覚えていた。
おそらく、そのことがなければ家族で楽しく遊んだりはもう少し続いていたに違いない。今日はそんな話にもなった。
彼女と妹は、私立の中高一貫校へ進学し、系列の東京の大学へ行ってしまったので、会う機会もその後はなくなってしまったが、一度だけ東京から帰ってきているタイミングで会ったと思う。それも20年以上前のこと。
その頃はまだ、彼女のパパに百貨店などで偶然お会いすることもあった。
パパは父が亡くなったとき、お通夜や告別式に参列して下さったのはもちろん、時々うちに顔を出してくださった。
今は少し弱ってはいるけど、まだお元気とのこと。嬉しかった。
何十年のブランクを経ても、子供の頃に密に過ごした記憶はお互いにしっかり残っていた。彼女は東京へいると思っていたが、10年前に転勤で関西に戻ってきていたらしい。
しかも、妹達が今住んでいるところが同じ沿線なことがわかった。
いつか、みんなで会える日が来るかも知れない。