今は21世紀だよ
そう確かめたくなることが続く。
ウクライナから車で避難していく人が、「こんなの戦争じゃない、戦争は軍人同士が戦うものでしょう?」と泣いていた。胸をえぐられる。
残念ながら、戦争でいちばん犠牲になるのはいつの時代も市井の人々なのだ。軍人なら、覚悟もあるのだろうけれど。
住民避難のために開かれたはずの人道回廊は機能せず、あろうことか集まった人々にロシアから爆撃が行われ、そもそも回廊はロシアへ通じているルートばかりだという。一体、ウクライナ人の誰がロシアへ行くというのだ?
欧米ではウクライナ亡命政府を樹立する話も出ているという。
ゼレンスキー大統領及び閣僚たちを国外へ脱出させ、ゲリラ戦を展開させる。長期戦を前提にしているというが、ゼレンスキー自身が国外へ行くことは望まない様子だとか。
あるロシア研究者の話によれば、数年前にプーチンと話す機会を得たが、セキュリティが半端なく厳しく、暗殺はかなり難しいとのことだった。やっぱり、その可能性を考えるひとは少なからずいるのだと思った。
いくら世界が応援しても、経済制裁をしても、ウクライナのひと達は人的な軍事支援がないことに不安を感じ続けるだろう。飛行禁止区域設定にも、欧州は及び腰だ。欧米で義勇兵が2万人志願したという話もあるが、具体的に現地入りする手立てはあるのだろうか。
デモなど無駄だという声もあるが、世界中で連帯を示すことに意味はあると思う。なんとかしてロシアという国を孤立させ、ロシアの人々が自分達の手で内部から崩壊させてもらうことに賭けるしかないのかも知れない。
間違ってはいけないのは、ロシアの人々ではなく悪いのはプーチンなのだ。
ロシア料理店やロシア人に嫌がらせをするなどもってのほか。
田島貴男の歌う『朝日のあたる道』。
ウクライナの人々がこんな晴れやかな気持ちになれるのはいつのことか。
その日が遠くないことを心から願いつつ、それまではガソリンが高くても少々の不便があっても気にしないことにする。