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夜の梅田を右往左往 アクリルカードを探してさまよった話

初のムラ遠征にアクリルカードを忘れてきた。

宝塚歌劇団で上演中の星組の公演を見るべく、新幹線に乗り夜の新大阪駅に降り立った。翌日朝11時からのマチネを見るため、前泊しようと大阪にホテルをおさえたのだ。

新大阪に降り立った瞬間に思い出した。家の棚にアクリルカードを残してきたことを。

宝塚歌劇団には色んなグッズが出ており、とりわけ10センチ四方の透明のカードにご贔屓様が写るアクリルカードは私の創作意欲をくすぐるグッズで普段から愛用している。

著作権に厳しい宝塚歌劇団が唯一SNS掲載OKとしている貴重なグッズであり、風景やスイーツと撮ってセリフを当てたりと、700円という破格の売価を大幅に超えて遊びまくれる優秀なグッズなのだ。

そのカードを忘れてきたことに気づいた私は、軽い気持ちでつぶやいた。


電車を乗り継いで梅田に着くころ、仲良しのフォロワさんから返信が来た

・・・そういわれるとますます口惜しくなるというもの 

そう、本当に私はアクリルカードが大好きなのだ。それなのに・・・・くっ


どうにか手に入らないか!?噂によると大阪梅田には宝塚グッズ専門店、キャトルレーヴがあるらしい。いってみたい・・・

けれど私はもともとかなりの方向音痴。知らない街の人でごった返す夜に、梅田ダンジョンと言われるこの場所でどこにあるかもわからないお店になどたどり着ける気がしない。

どこ?、とは言ったものの己の方向感覚を熟知している身としては、本気で梅田のダンジョンを攻略できるとも思っておらず、ただただ気軽に嘆きを垂れ流していたに過ぎなかった。


そんなわたしの嘆きを応援してくれるフォロワさん


と、ここでもう一方、とっても楽しい、そしてキャトルレーブ事情に詳しいフォロワさんから力強い返信をいただいた。

どこだかもわからなかったキャトルの具体的位置情報。

わお!梅田にキャトル、実在してるんや。

・・・しかし、この助け舟に気づいた時、私はすでに梅田のホテルにチェックインしており、まさに部屋に向かおうとしている時だった。

しかも続く情報によると梅田のキャトルは21時閉店らしい。

時計を見る。

20:43


・・・閉店まであと17分    

・・・・ムリじゃない????

今私は現在地もよくわからない梅田の9階ホテルフロントにいる。ここにたどり着くまでもビルに入ってから館内をさまよい8階のレストランフロアを2周してやっとホテルへ続くエスカレーターを発見。なんとかたどり着いたのだ。

梅田の駅からホテルほぼ直結!という謳い文句をちっとも活かせない己の方向音痴に失望を隠しきれないでいるところだった。


(余談ですが泊まったホテルはヅカオタ先輩に教えてもらったレスパイア大阪でしたが、めちゃくちゃよかったのでレポしました。花組の瀬戸さんがテープカットした割と新しいホテルらしい)



どうしよう・・・と、時間も迫る中、さらに優しい情報が届けられた。

こ、これは・・・


いけるかもしれない


一縷の望みが見えた気がした


この入り口、みたことあるような気がする。


今なら私、勇気を出して夜の梅田に立ちむかえるかもしれない。


何よりグーグルマップより優しくて手厚い。


そして私には私を応援してくれるフォロワさんがいる!!(??)


立て!立つんだわたしーーーーーーー


ロッキーのテーマが脳内に流れ出してきたと同時に私は立ち上がった


20:46

21時の閉店まで残り14分

荷物を置きに部屋に入ったらもう愛しのアクリルカードへの道は絶たれるであろう。


私はスマホを握ったまま踵を返し、8階のレストランフロアへ降りると閉店作業に取り掛かるパンケーキ屋さんの店員さんにこのビルの脱出方法を聞いた。

ホスピタリティ溢れるかわいい店員さんは即座に階下直通エレベーターを教えてくれる。

エレベーターを降り、やたらとタバコ臭いヨドバシカメラの出口を抜け、梅田の大きな交差点を端から端へつなぐようにかけられた歩道橋を足早に歩く。

グーグルマップなんて見ていられない。

目指すのはあのビル高く掲げられた漢字二文字。

「阪急」

この文字だけを頼りに歩みを進める。

が、緊急事態宣言が明け、人流でごった返す夜の梅田の真ん中で、目の前にあるビルにたどり着けなくて右往左往。

橋がどこでつながっているのかわからない。

無情にも時間が過ぎてゆく。どこ、どこなの・・・

ええい、もうこんな橋、降りたれ!

歩道橋を降りていくと強制的に御堂筋線の改札に向かう構内に吸い込まれた。

・・・・・絶妙に遠ざかっていく道を歩かされている気がする。

が、引き返している暇はない。

どうにかもう少し左へ!左へいきたいのだ!

ふいに出口が見えた。出口を抜けてすぐに左を向いてみる。

「阪急」

あ、あ、あった~~~~~~~~~!!!!


時計は20:52  いける!いけるよ!

信号を渡ってビルの中へ 

・・・・し、しまってる~~~~~~~~~!!!!


びえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ せっかくたどり着いたのに!20時まで?

力なく肩を落とす でも、ここまで来れたし、、、きっとよかった。

トライしたことに意味があるんや。来てみたからこそ諦めがつくというもの。


まるで探偵ナイトスクープ、子供のころに助けてもらったあの人は今どこ企画よろしく、閉じたシャッターの前で立ち尽くしている。

さっきまで、忘れてきたけどまぁしゃーない、と思っていたことなど微塵も覚えていない。


もう一度張り紙に目をやると

・・・20時までって・・・書いてある???

さっきのフォロワさん情報によればキャトルの閉店は21時。


もしかして、ここじゃないのか!?


そういえばなんか入り口も地味 さっきの写真はもっと豪華だった気がする。

ええい、ここまで来たらもう一歩中まで行ってしまえ

ままよ、と突き進む私の目に飛び込んできたのはこの風景でした

あ、あ、あった~~~!!!!!(2回目)


これ、これや!進研ゼミでやったやつや!!しかも明るい。まだやってるっぽい。

もう一度スマホを確認。

中に入るとエレベーターが2か所ある・・・「奥の」エレベーターですね、らじゃぁぁぁぁ

ありがとうフォロワさま!!

もう私に迷いはない。手前のエレベーターは低層階までしか行かない模様。

奥のエレベーターへのりこむ。

時計は20:55   

い、いける・・・・のか!?もうわからない

目指すは29階!


高速エレベーターに一人乗り込み、高層階に耳がツーンとなりながら刻一刻と目的地のキャトルレーヴ梅田店へ近づいていくのを感じる。

降り立った29階が何のフロアだったのか、もはや今記憶にないけれど、決して宝塚歌劇団のグッズが売っていそうな雰囲気のフロアではなかった。

急に不安になりながらも歩みを止めるわけにもいかず、フロアを進んでいくとその楽園は突然に姿を現した。


あ、あ、あった~~~!!!!!(3回目)





ほんとうにあった。あった。あったよおかぁさぁぁぁん!!


感動に打ちひしがれながらも、実際はこんな時間に来たことにひるみ、恐る恐るお店のお姉さまにお伺いする

「あの。。。まだ入れますか…?」

「はい、大丈夫ですよ♡(にっこり)」

キャトルお姉さま~~~~!!!!だいすきだいすきありがとうございます!!!





時計は20:56

閉店4分前

店内のアクリルカードの場所まで案内していただきました。

キャトルの店員さん、あんな時間に駆け込んだ私に優しくしてくれてありがとうございます。

ちらりと見えた写真コーナーに大好きな宙組のショー、デリシューの衣装をまとったジェンヌ様たちがずらりと並べられていてものすごく凝視したかったのだが、なんせもう閉店。どう考えても閉店。

滞在時間2分

足早に会計を済ませ、店員さんに熱く厚くお礼を述べ、私の初梅田キャトルレーブ体験は無事に幕を下ろした。

大変後ろ髪惹かれる、しかし、充実感に満たされる、不思議な梅田キャトルレーブ体験だった。

ふふふ ずんさん

このドタバタの中、品切れ続出のアクリルカードの中でもタイミングがあったようでちゃっかり大好きな桜木みなとさま(ずんさん)のアクリルカードを入手できたという奇跡。

まったく・・・

ついさっきまで別のビルのホテルにいたというのに、あれよあれよと濃厚な梅田の夜の15分になった。

移動して寝るだけの予定であった観劇前日に、まさかのハラハラドキドキワクワクの思い出ができた。

ありがとうあの時のフォロワさまたち♡

忘れられない夜になりました。


以上、夜の梅田のアクリルカード探訪記でした。


読んでいただき、ありがとうございました!

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