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#108 「8品詞」の考え方は元々ギリシャ語分析の枠組み

通常8品詞の区別がなされるが,これがたいへん不評で,いろいろ議論のたねになることが多い.品詞分類が,時に応じて形態と意味の両面からなされていて,基準があいまいであるというのが,批判のおもな論点である.
大修館 英語学事典
8品詞分類が初めてなされたのはギリシア語についてであって,今から2,000年近くまえのことであり,もともとギリシア語やラテン語のような形態的にはっきり割り切れる言語にふさわしい分類法であって,それを英語のように形態的基準のあいまいな言語に当てはめたのは,歴史的必然であったとはいえ,うまく行くわけはなかった.
大修館 英語学事典
Word を8品詞に区分することは,その根源を遠くギリシアの文法学者スラクスに発している.それがローマの文学者クレーティーズ・オヴ・マロ,ヴァロー ,ドネータスなどに伝えられ,それが更にイギリスにも伝えられた.ラテン語の文法書を英語で書いた最初のイギリス人はリリーという人で,それが出版されたのは1527年である.この文典は教科書として勅許を得たほどのものであり,Shakespeare なども,この文典によってラテン語を学び,オヴィドなどを読んだといわれる.その後ラテン語やフランス語で書いた英文法書が各年代にわたって陸続として出版された …
要するに,英語のみならずヨーロッパの各国語で現に使用している文法上のおもな術語のほとんど全部はギリシア語からラテン語へはいり,それがヨーロッパの各国語に伝承され,今日に及んでいるから,八品詞の名称も, Word を8品詞に分類することも,ギリシアからの伝統に従っている …
詳解 英文法辞典

参考文献

・大修館 英語学事典
・詳解 英文法辞典

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