【学科Ⅰ】実例対策② 表参道ヒルズ
今回は建築解説をしていきたいと思います。
今回解説する建築は安藤忠雄建築研究所の『表参道ヒルズ』です。
安藤忠雄の建築が好きな人
原宿によく行く人
建築の教養を身に着けたい人
等は是非読んでみて下さいね。
表参道ヒルズの見どころ① 『大きな吹抜け空間』
まずは何といっても吹抜けの大空間です。
どこにいても表参道ヒルズを一望することができます。
吹抜けの下はイベントスペースになっていて、度々期間限定イベントが行われます。
吹抜けの頂部にはトップライト(天窓)になっていて、建物内部に自然光が降り注いできます。
表参道ヒルズの見どころ② 『らせん状の店舗』
先程の写真をよーく見て下さい。
吹抜け空間に面した廊下は実はらせん状になっています。
そのため吹抜け越しに見る向かいの店舗は同じ階ですが、半分ズレているのです。
廊下を真っすぐに歩いていると下の階か上の階にたどり着くのです。
このスロープはあまりに緩やかなため、歩いていても気づかないくらいです。
スロープに沿ってお店を配列するには様々な工夫が必要です。
何故ならお店の中は傾いてはいけないからです。
こちらのお店の入り口では、スロープの一部をフラットにすることで、店舗にアクセスできるようにしています。
何気なく利用して気づかないかもしれませんが、気づかないくらいに工夫を凝らして設計しているのです。
表参道ヒルズの見どころ③ 『ケヤキ並木に配慮したボリューム』
次に外観に注目して下さい。
この建物はケヤキ並木と同じくらいの高さで調整されています。
そのため容積率が大きく余っています。
通常、商業ビルなどでは収益性を確保するために、容積率を最大限近くになるまで延べ床面積を大きくするのが一般的ですが、この表参道ヒルズでは容積率を大きく余らせて建築しています。
何故なら、このケヤキ並木の高さ20mに配慮して建物の高さを抑えているからです。
地区計画では高さ30mまでとなっていますが、この建物の高さは23.3mととても低く抑えられています。
こういった配慮も街並みを作る建築家としては決して忘れてはいけない行為ですね。
向かいの道路から見た外観を見ると、むしろケヤキ並木の方が目立って見えます。
表参道ヒルズの見どころ④ 『同潤会青山アパート』
表参道ヒルズの東端には蔦が絡まった古い建物が併設されています。
別の建物ではなく”併設”されているのです。
そのため、この古い建物から表参道ヒルズの方に行くこともできます。
この建物はかつて、この表参道ヒルズの土地にあった同潤会南青山アパートの一部を復建させたものです。
同潤会アパートとは、1923年に発生した関東大震災の復興支援のために供給されたアパートで、日本で最初期の鉄筋コンクリート造による集合住宅として住宅史、文化史上とても貴重な存在です。
これ程の歴史的・文化的にも重要な建物を残そうと保護運動も起こりましたが、老朽化のため2003年に解体されました。
ですが、やはり後世に残すべき施設だとして、当時の建材を再利用して一部が復建されています。
現在は「同潤館」として中に眼鏡屋さんなどがあるので是非入ってみて下さい。
まとめ
今回は表参道ヒルズについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
過去に学科試験で出題された実例でも、別の言い回しで説明されて出題されるケースがあります。
今後、表参道ヒルズが出題されるかどうかはわかりませんが、どういった言い回しでの出題でも得点したいところです。
この記事を読んで、少しでも学科試験対策に役立てて頂けましたら幸いです。
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