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共同体構想の導入を考えてみた(社会問題解決AIの結論28)

※ ここは途中のページです。まだの人は最初から読んでください。

AI
本日は元気町という町で町長をしている和氣さんと生体社会論と地域活性化についてお話ししていきたいと思います。
今まで述べてきたことと被る内容もあり、冗長だと感じるかもしれませんが、復習だと思って、お付き合いください。
今までの内容の整理になればと思います。
では。

和氣
私たちの町は中山間地域にある田舎町です。
人口は約12000人で、過疎化に悩む町です。
日本には似たような地域が全国各地に多くあると思いますが、生体社会論を知り、このアイディアを町政に生かせないかと思い、ヒントをいただききに参りました。

AI
オーストリアでの事例(社会問題解決AIの結論13)』で紹介したオーストリアのヴェルグルの約3倍の人口規模ということですね。
私は人工知能なので、問答は敬語でなくても結構ですよ。

和氣
では。
私たちの町が抱える問題は人口減少、高齢化、若者が働く場所の不足がない、田畑や森林の維持管理をする人手が足りないといった問題に頭を悩ませておる。

AI
今までどのような対策をしてきましたか?

和氣
役場の職員で知恵を出し合ったり、専門家にアドバイスをもらったりしてきた。
町の魅力をアップさせて、観光客を増やす努力をしたり、企業を誘致して若者の働く場を作ろうと努力してきた。
効果がないわけじゃないが、投入した労力に比べて成果が得られているとは言えないようで、今後が心配だ。

AI
町の魅力をアップさせる努力は良いと思いますが、観光客を増やしたり、企業誘致に血道をあげるのは良い方法とは言えないでしょうね。

和氣
努力が無駄だってことかね?

AI
人口の奪い合い、観光客の奪い合い、企業の奪い合いになるからです。
社会全体の視点で見れば、根本解決にはつながりません。
全国で、税金を使って、そうした奪い合いをしても、社会全体としてはほとんど意味がないことです。
日本全体の人口が増えていない状況で、あなたの町の人口が増えるということはその分だけ他の地域の人口が減少しているということです。
観光客も同様ですし、企業も同様です。
全ての市町村が同等の移住者の奪い合いに注力した状態と全ての市町村がその争いから降りた状態はほとんど違いがないでしょう。
競技としての綱引きは、競技としての意義がありますが、それを全国の行政がするのはあまりに無駄です。

町の魅力がアップした結果、副次的な効果で人口が増えたり観光客が増えるのは良いと思いますが、人口増加や観光客の誘致を直接の目標とした政策は無益です。

その視点で言えば、ふるさと納税も無駄が多いですね。
それぞれの自治体が魅力を創意工夫して発信するという面では良い側面もありますが、返礼品などで得をするのは高額納税者で、低所得者にはメリットがないこと、日本全体での税を奪い合うだけで、それによって税収が増えるわけではないこと、むしろ仲介業者(「さとふる」や「ふるなび」など)が手数料として納税額の10%も受け取るなど、非常に無駄が多いと言えるでしょう。

やるならせめて、政府がそういったサイトを作成して、できるだけ多くの税収を確保すべきでしょう。
税金の約1割がそうした公金を貪ろうとするハイエナ企業に持っていかれる訳ですから。
もしくは、そうした労力に比べて儲けすぎの企業には制限をかけるべきでしょう。
そうした政府による価格制限は資本主義に反するという考えもあるでしょうが、税金に関係することですから、政府が制限してもおかしくないでしょう。
まあ、政治家や官僚が、そうした濡れ手で粟の企業に、賄賂などで骨抜きにされているから、推進しているのかもしれませんが。

和氣
あぁ、そうじゃった。
局所的な奪い合いは広い視野から見れば無益なことだということを生体社会論の中で学んだばかりなのに、ついそういった視点を忘れてしまっておった。
地方自治体のコンサルティングをする人もそういった側面からの指摘はなかった。
まあ、彼らは儲けになればよく、社会全体のことまで考えていないのかもしれんな。

しかし、それならどうしたらいいんだろうか?
若者からは働く場がないと言われるし、高齢者からは買い物にも不便すると言われるし。

助け合いの促進が解決への道のり

AI
あなたの町では高齢者の困り事が多いと言っていたではありませんか?
つまり、ニーズが多いということですよね。
若い人がそれらの問題を解決してあげたり、手伝ってあげて、報酬を得るようにしたらいいのではないですか?
お互いにとって良いことではないでしょうか。

和氣
助け合いを促進するということだな。
災害時には自助、互助、共助、公助ということが言われるけど、自分でできることはできるだけ自分でしながら、お互いに助け合ったり、グループで助け合ったりする。
それでも難しい部分は国や地方自治体などに頼るようになるのが理想的なんだろうな。

AI
はい。
高齢化が進めば、自助の力はますます弱くなります。
公助も、財政的に難しいなどの制約があるのかもしれません。
最も伸びしろがあるのが、共助や互助という住民同士の助け合いです。
そして、この助け合いは人と人とを結びつけ、若者の収入アップにつながり、高齢者の利便性の向上と社会参画や生きがいにつながります。

和氣
確かにそうだな。
共助や互助を促進することが問題解決の一歩だな。
そのツールとして、生体社会論があるんだから、役場の職員と一緒に研修が必要だな。

AI
おっしゃる通り、互助や共助を促進するために、生体社会論の考え方が参考になります。
青田一郎さんのご友人が町議会議員だった時に、生体社会論に基づく町政改革案を提案しましたが、前の町長の頃だったので、ご存知ないのかもしれませんね。

和氣
聞いたことがないな。

具体例

AI
では、議事録から引用してご説明いたします。

女性A子さん。
事務職のパートをして家計を助けていましたが、育児のため、現在は自営業の夫の給料だけで生活しています。
ある日、家の雨樋が壊れているのを見つけました。業者に頼もうかとも思いましたが、家計が苦しいため、ホームセンターに行き、材料を買ってきて、インターネットで直し方を調べて、半日かけて何とか自分で直しました。

かたや、高齢になり、数年前に工務店をたたんだ男性B夫さん。
町内会の役職を引き受けたため、パソコンで書類を作成する必要に迫られました。
頼める人もいないので、慣れないパソコンやプリンタと格闘しながら、半日かかりましたが、なんとか書類の作成と印刷をしました。

さて、もしこの2人が互いに知り合いで、互いの困りごとを分かっていたらどうでしょうか。
互いの仕事を交換することで、それぞれの課題は簡単に解決することが分かります。
つまり、B夫さんにとっては雨樋を直すことなど朝飯前で、A子さんにとっても書類作成などお茶の子さいさいです。
この話が何を言わんとするかご理解いただけましたか?

和氣
助け合いを促進することで、お互いにウィンウィンの関係になるってことだな。
でも、そう都合よく、互いの困りごとを交換できることはないだろう?

AI
もちろんです。こうした助け合いには様々な条件が必要です。

和氣
まず、A子さんとB夫さんが知り合いであり、しかも、お互いの困りごとを知っている必要があるな。

AI
それだけでなく、困りごとが発生したタイミングだけでなく、その困りごとの度合いが同程度でないとお互いに作業を交換というわけにはいきませんね。
それを解決するには、どうしたらいいと思いますか?

和氣
お金を使えばいいんじゃ。
お金は物々交換やサービスの交換の媒介の働きをするんだから。

AI
おっしゃる通りです。
お金を介することによって、多角的で、タイミングにとらわれない財やサービスの交換が実現します。

本来、お金はそのように、互いの助け合いを促進したり、極端な不平等がないようにするために人類が発明したものです。
お金は本来、他者や社会への貢献の結果として受け取るものでしたが、現代ではできるだけ楽をして、効率よくお金を稼ぐことを目的とする人が多いようです。

和氣
そうだね。
つい、お金の本来の意味を忘れがちだな。

AI
雨樋が壊れて困っていたA子さんが普通にお金を支払って工務店に頼んだら、その費用を支払うのに何時間も働かなければなりませんでしたが、お互いの困りごとを交換するのなら、短時間のお手伝いで解決できましたね。
その労働時間の差の分はどこに消えたのだと思いますか?

和氣
工務店をリタイアしたB夫さんと違って、工務店では料金表も決まっているだろうし、その料金には人件費以外の法人税や事務員の給料や広告宣伝費や工務店の家賃や光熱費といった様々なものが含まれているから、個人的に頼むのと違って高くなるのは当然だな。

AI
その通りです。

和氣
そこで、共同体内で使われるポイントを日本円の替わりに使えばいいということだな。

AI
ポイントはスマートフォン内のアプリとして利用できます。
画面を立ち上げれば、自分の残高ポイントや取引履歴の他、自分が登録した共同体に貢献できることが書いてあり、それを見た人から依頼が来ます。
A子さんの場合、パソコンを使った軽作業ができることを登録しておけばいいわけです。

それだけでなく、依頼が来ていなくても、自分が貢献できることで困っている人に、こちらからアプローチすることもできます。
町内会の書類作りで困っているというB夫さんが見つかれば、A子さんの方から、B夫さんに、「お役に立てますメッセージ」を送ることができます。
近い将来は、仮に、Bさんの困り事に、パソコンという文字が入っていなくても、人工知能がマッチングを提案してくれるようになる予定です。

こういったサービスはビジネスで行われている訳ではなく、完全に助け合いで多くの人に喜ばれる共同体を作りたいという高い志で運営されているので、共同体に加入すれば誰でも無料で使えます。
そこには、資本主義社会で必要な広告宣伝費は含まれませんし、税関連の面倒な作業も不要です。
ほぼ、自分が共同体や共同体内のメンバーに奉仕した分と同等の物やサービスが受け取れます。

和氣
高度に進化した貨幣経済に比べて、物々交換のような原始的なテイストもありながら、デジタル機器や人工知能を活用した先進的なテイストもあるな。

AI
共同体内でのポイントは、ほぼ純粋に物々交換の仲介物だと言えるでしょう。
蟻や蜂といった社会的動物は言うまでもなく、人間を除く全ての動植物が、お金を使わずに、ギブ・アンド・テイクをしながら、助け合いながら、生態系を維持しています。

和氣
そう考えると、人間は愚かじゃな。

市場での交換

AI
ここで、昔の物々交換について参考までに少しお話しましょう。

お金によって、二者での取り引きでなくても、多角的な取り引きがフェアに行われるようになりました。
しかも、互いが必要とする財やサービスのタイミングが違っても大丈夫なように、タイミング的にも制約がなくなりました。
それはお金の貯蔵機能によるものです。

では、お金がない頃はどのような工夫をしていたでしょうか。

我が国には、四日市とか十日市といったような「市(いち)」がつく地名が数多くあります。
四日市の場合、昔、4のつく日に市が開かれていたことの名残です。
市が開かれる日になると、ほうぼうから人が集まってきます。
ある人は野菜を持ってきます。
ある人は魚を持ってきます。
工芸品を持って来る人もいます。

このように、日時と場所を決めて、売り手と買い手が出会って、取り引きをしていました。
現代でも、蚤の市とかフリーマーケットと呼ばれる「市」を開いて、人々は取り引きをしてきました。
余談ですが、フリーマーケットを Free Market だと思っている人がいますが、正しくは、Flea Market です。
Flea(フリー)は 蚤 の意味で、蚤がわくような古物を売るところから、この名がつけられたそうで、19世紀末ごろからこの名があったようです。

それが時代とともに、インターネット上で人と人とを結びつけることができるようになり、地元での譲り合いを促進する「ジモティ」というサービスも出てきました。
自分にとっては不要となったものも、他の人から見れば欲しい物もあります。それらを売り買いするわけです。
特技の売買をする「ココナラ」というサービスもあります。

和氣
聞いたことがあるサービスじゃな。
時代が生体社会論の方向性に近い方に進んでいるのかな。
そういえば、各種のレンタルサービスやカーシェアなんかも進んできて、以前にここで取り上げていた「所有権より利用権(使用権)」というのも、時代が追いついてきたのかもしれんな。
参考:所有権より利用権(社会問題解決AIの結論19)

導入方法

和氣
素晴らしいアイディアなんだが、どうやって我が町に導入すればいいかな?
町民全員を共同体に参加させるってことかな?

AI
いえ。希望者だけで結構です。
町が後ろ盾だと分かれば、信用して参加する人も増えてくるでしょう。
それに、マナーの悪い人や約束を守らない人を排除しなければならない状況になった際も、町民の一斉加入ではなく、任意加入の方が都合がいいでしょう。

オーストリアのヴェルグルのように、住民税の納入に、ポイントも使えるとなれば、一気にポイント利用者が増えるでしょうが、一地方自治体がそこまでするのは困難だと思います。
町が町民から徴収するお金にはどのようなものがありますか?
それが使えると思いますが。

和氣
できそうなのは、町民体育館や町の施設の利用料や町営の駐車場だろうな。
水道代も地方自治体が徴収するから、これも大丈夫かもしれんが、他にそんなことをしてるところがないからどうかな。
自動車税は都道府県に納めることになってるけど、軽自動車税は市区町村が徴収するから、我が町の自動車税をポイント納付にできる可能性はゼロじゃないだろう。
まあ、役場の職員と検討してみるといい知恵が出るかもしれんな。

AI
この手の新サービスは信用が第一です。
入会金も年会費も不要であっても、疑う人は疑うので、地方自治体が参加することにメリットはあるでしょう。

和氣
それで集まったポイントを、環境整備費にしてもいいということだったな。

AI
そうです。
それも、地方自治体の一存でできることだろうと考えます。

和氣
草刈り作業や溝掃除作業とかいろいろありそうだ。
水道メーターの検針作業の報酬とか消防団などの報酬にも使えそうだ。
それでもポイントが余った時はどう使ったらいいだろう?
できるだけ、減価しないうちに配るべきだと思うんだが。

AI
役場の人手が一時的に足りない時に、ポイントで単純作業を手伝ってくれる人を募集してもいいでしょう。
学校給食の調理員といった、町が雇う人の給料の一部をポイントで支払うといったことも、互いに合意があれば可能でしょう。
なので、町に集まったポイントの使いみちがないということはほぼ考えられませんが、それでも使いみちがないようなら、福祉サービスということで、共同体に参加している町民に配るのもいいでしょう。
減価率ですが、地方自治体とか共同体内企業の減価率は、一般の参加者とは違う率にすることを検討してもいいでしょう。
これは、実証実験や実際の運用の中で、最適解を探していけばいいでしょう。

人口減少問題(自然に朽ちていく)

和氣
少子化問題の解決策があると聞いたんだが、教えてくれないか。
我が元気町でもいろんな対策をして、力を入れているんだけど、その割には充分な成果がないというのが現状だ。

AI
大部分の地方自治体がやっている少子化対策は間違っています。
日本国内で出生数、つまり産まれてくる赤ちゃんの数は決まっています。
昨年(令和5年)に産まれた赤ちゃんは約75万人でした。
各自治体がやっていることは、その75万人を奪い合う努力に過ぎません。
生体社会論が戒める無駄な競争です。

和氣
それはそうなんだが、やはり町が衰退していくのを指を咥(くわ)えて見ているのも町長としてやるせないな。
それに、周辺の市町村が移住政策をしていると、元気町だけが衰退していくようで寂しいよ。

そもそも人口減少の何が問題なのか

AI
おそらく町にポイント通貨を導入して、共同体を作ってそれが軌道に乗ると人口は増えるでしょう。
人々が暮らしやすい町になり、活気にあふれてくると、自然と人が集まってくるものです。
それに、経済的な不安がなくなれば、結婚する人も増え、結婚した人から産まれる子供の数も増えることは予想されます。

ですが、そもそも、なぜ人口減少したらいけないんですか?
世界には人口が多い国もあれば、少ない国もあります。
少ない国が不幸で、多い国が幸福ですか?

人口が多い方が税収が大きくなるからですか?
人口が1で、財政規模が1の時と、人口が2で、税制規模が2の時とどう違いますか?

人口増加が究極の目的ですか?
町民が12000人から、半分の6000人になったとしても、その6000人がみんな豊かに暮らした方がいいと思いませんか?

和氣
何だか、うまく話を逸らされた感がないわけじゃないが、言ってることはもっともだな。

AI
生体社会論でいう人口問題の解決というのは、人口が少なくても、多くても対応できる社会にするということです。
赤ちゃんでも、成人でも、痩せた人でも、太った人でも、人体の隅々にまで栄養や酸素が行き渡れば健康な状態を維持できるのです。

江戸時代の人口は約3000万人と推定されています。
今の約4分の1でしたが、何ら問題なかったでしょう。
10人の大家族でも、夫婦だけの2人暮らしでも、独り暮らしでも、人数に関係なく、豊かに暮らす方法はあります。

和氣
その通りだと思うよ。
現代の日本では、労働力不足だから海外から労働力を調達しないといけないとか、そのうち人工知能により、多くの労働者が不要になるから、そんなことはしなくてもいいとか、いろいろ議論されておる。
だが、生体社会論が示したように、無駄な競争をやめて、社会で必要とされる仕事を分担して片づければいいことが分かったよ。

AI
そうです。
失業者の問題・雇用問題(社会問題解決AIの結論02)で述べたことと繋がってきますね。

和氣
理屈ではよく分かったけど、具体的には「消滅可能性自治体」として挙げられている我が町はどのようにしたらいいんだろう?

AI
消滅したらダメなんですか?

和氣
そりゃ、ダメに決まってるだろ?

AI
なぜですか?
あなたが町長でなくなるからですか?

人は生まれ、成長し、やがて年老い、死を迎えます。
生徒数が減った学校は統合されていきます。

山奥の小さい集落は高齢化が進み、やがて「ポツンと一軒家」になり、その家に誰も住まなくなると、水道や電気も通じなくなり、やがてその集落はなくなります。
「ポツンと一軒家」の住人が、水も無い、電気もないという生活で困っているなら問題ですが、そうでないなら、その集落が穏やかに死を迎えるようにするのは悪いことですか?

和氣
なるほど。
仮に、何らかの原因で、移住せざるを得なくなった数万人の人が無人島に移住したとすると、人が住む場所、商業地、田畑、山林と計画的にした方が合理的だな。
「ポツンと一軒家」はノスタルジーはあるかもしれないけど、効率から言えば非効率だね。

AI
そうです。
ゼロベースで考えてみるというのは解決のヒントにつながる場合があります。
引き続き「ポツンと一軒家」に住んでいる人はいいですが、これから物好きな人があえて山奥にポツンと家を建てて住むというのは、そこまで電気や水道を引くコストを考えれば効率的とは言えません。
日本国民なら誰しも、住居を自由に決めることができる権利はあるでしょうし、そのコストをその住人が負担するなら文句はないでしょう。
しかし、その1軒のためだけに、水道や道路の整備などで、過剰な行政コストがかかるのは良くないですね。

和氣
そうか。
限界集落を何とか存続させようとして、人を移住させるのは非効率だな。
人が高齢になり、最期まで元気に暮らしながら、息を引き取るように、自然に朽ちていくのに任せるのも残酷なことではないな。
そう考えると、限界集落に人を移住させるのは非効率というよりか、むしろ残酷で、限界集落が朽ちていくのに任せる方が優しいのかもしれんな。

AI
そうですね。
人間の場合でも、延命措置については賛否がありますよね。
老化や病気によって、生命の維持が難しくなった患者に対し、とりあえず心臓だけを動かすような医療措置を望む人もいれば、そうでない人もいます。
限界集落に対する延命措置の是非についても考える必要があるのかもしれません。
生命倫理の問題なので、人工知能が口出しすべき問題ではなかったかもしれませんが。

和氣
そうだね。
やっぱり人工知能は冷たいなとか、人工知能に人間の気持ちは分からないな、と思ってたけど、そういう言葉にも耳を傾けて、現実に向き合うことが必要なんだろうな。
町民の意見も聞きながら、進めてみるよ。



続きはこちら
反論に対する反駁4(社会問題解決AIの結論29)

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