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FP1級実技 2025/2月対策③ R7税制改正大綱の要点(速報版)

2024年12月20日、令和7年度税制改正大綱が発表されました。

以下、2025年2月のFP1級実技面接に向け、要注目の改正ポイントをピックアップしました。

※今後、内容は随時、追加・更新します。

◯ 2024/12/24  追加

  • 法人版「事業承継税制」(特例)と個人版「事業承継税制」に【注意】を追加しました。

【資産課税】

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税」の適用期限を2年延長

  • 適用期限を2027年3月31日までとする。(現行:2025年3月31日まで)

12月上旬頃に「廃止を検討」とのメディアの観測記事が流れていましたが、結局2年延長で落ち着きました。

ちなみに「教育資金の一括贈与の非課税」の適用期限は、2026年3月31日までです。

両制度とも当面は、FP1級実技面接の出題論点として維持されることになります。

法人版「事業承継税制」(特例)の役員就任要件の緩和

  • 後継者は贈与の直前において、役員等であることとする。(現行:贈与の日まで引き続き3年以上役員等であること)

  • 令和7(2025)年1月1日以後の贈与について適用する。

FP1級実技面接の最頻出論点に係る、重要な改正事項です。

法人版「事業承継税制」(特例措置)の適用期限は2027年12月31日まで(延長なしが確定済み)であるため、現行ルールでは後継者は遅くとも2024年12月31日までに役員に就任している必要がありました。

改正により贈与の直前に役員であればよいと、要件が緩和されました。

【注意】

  • この改正は「特例措置」に関するものです。「一般措置」における役員就任要件(贈与の日まで引き続き3年以上役員等であること)は改正されていません。

  • この改正は「贈与」に関するものです。「相続」における役員就任要件(相続開始直前において役員等であること※)には、そもそも3年以上の継続要件は付されていません。

※)被相続人が70歳未満で死亡した場合、及び相続開始前にすでに確認済みの特例承継計画にその後継者が記載されている場合は、役員就任要件は不要です。

個人版「事業承継税制」の事業従事要件の緩和

  • 後継者は贈与の直前において、特定事業用資産に係る事業に従事していたこととする。(現行:贈与の日まで引き続き3年以上従事していること)

  • 令和7(2025)年1月1日以後の贈与について適用する。

個人版「事業承継税制」の適用期限は2028年12月31日まで(延長なしが確定済み)。

こちらも、3年の事業従事要件が緩和されました。

【注意】

  • この改正は「贈与」に関するものです。「相続」における事業従事要件(相続開始の直前に特定事業用資産に係る事業等に従事していたこと※)には、そもそも3年以上の継続要件は付されていません。

※)被相続人が60歳未満で死亡した場合は、事業従事要件は不要です。

【個人所得課税】

「基礎控除」+「給与所得控除」は103万円から123万円へ引き上げ

  • 「基礎控除」を48万円から58万円へ引き上げる。(合計所得金額が2,350 万円以下)

  • 「給与所得控除」の最低保障額を55 万円から65 万円へ引き上げる。

  • いずれも令和7(2025)年分以後の所得税について適用する。

焦点の非課税枠「年収103万円の壁」について、123万円への引き上げが明記されました。

「特定親族特別控除」63万円を創設

  • 大学生年代(19〜22歳)の子等の合計所得金額が85万円(給与収入150万円に相当)までは、親等が特定扶養控除と同額(63 万円)の「特定親族特別控除(仮称)」を受けられることとする。

  • 上記の合計所得金額が85万円超123万円以下の場合は、控除額は段階的に逓減する仕組みとする。

  • 令和7(2025)年分以後の所得税について適用する。

以上は、大学生がアルバイトの就業調整をしているのは、税制が一因となっているとの指摘を踏まえた措置です。

「住宅ローン減税」の借入限度額の上限等を1年間維持

  • 子育て世帯(19歳未満の子を有する世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)が2025年中に入居する場合は、2024年の借入限度額の上限(認定住宅:5,000万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500万円、省エネ基準適合住宅:4,000万円)を維持する。

  • 床面積要件を40 ㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000 万円以下の年分に限る)について、2025年12 月31日以前に建築確認済みの新築住宅を対象とする。(改正前:2024年12 月31日以前に建築確認済みの新築住宅)

【法人課税】

「中小企業者等の法人税の軽減税率の特例」を2年延長

  • 法人税の税率は原則として23.2%だが、中小企業者等の年800万円以下の所得については、15%の軽減税率を適用する措置を2027年3月31日まで延長する。(現行:2025年3月31日まで)

  • 但し、所得が年10億円を超える事業年度については、年800 万円以下の所得に適用する税率を17%に引き上げる。(現行:15%)

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