炭酸ガスがどうして肌に良いのかを理解する

炭酸ガスを使った化粧品について、どういったメカニズムで肌に良い影響を与えるのかを理解している人が実は多くないと感じたので記事にまとめることにする。

…というのも実は販売会社や施術者や美容部員側のせいでもある。
薬機法的に抵触することはなかなか表示できない/言えないので本質的な説明をすることは叶わないし、するならするで本記事のような短くない小難しい話をすることになるので下手すればそれだけでお客さんに敬遠されることになる。
加えて肌で効果を実感するのが一番わかりやすかったりするので、ベラベラと小難しい話を聞かなくても肌で実感して理屈抜きで良いね！と思えるケースが多く、販売する側としてもいちいち長ったらしい説明をしなくていいし、消費者側も聞かなくていいという面倒くさがり屋な人種達にはwin-winの状態になっていてメカニズムを知る必要が無いのだ。
炭酸パックとか炭酸美容液を使ってなんか肌の表面でシュワシュワするから角質が柔らかくなって成分が浸透しやすくなるので炭酸はイイ！という超絶間違った理解をしている人もいるくらいです。
別に結果的に肌にプラスになっていればメカニズムなんて知らなくていいのかもしれないけど、ちゃんと知りたい人もいるかもしれないし知っていた方がより「効いてるわぁ～」と実感できる可能性があるので。筋トレも負荷を掛けている部位をしっかり意識する方が効くと言いますし。

前提知識～肌の細胞のエネルギー源～

※わかりやすく説明するために厳密ではなく噛み砕いた説明です。
⇒肌の細胞が活性化して増殖・分裂するために必要なエネルギーは血液と酸素です。酸素の運搬をするのが血液中のヘモグロビンなので血液…血流をなんやかんやしてあげるのが肌にとって肝となります。

ボーア効果

※ボーア効果(Bohr effect)についてはwikipediaでも読んでください。
⇒でもwikiを読んでも意味がわからないと思うのでわかりやすく説明します。

血管内に炭酸ガスが入り込むと炭酸ガスが血管を拡張して組織温が高まることでヘモグロビンの細胞への酸素の運搬が活発になります。加えて炭酸ガス(二酸化炭素)が血管内に増加することで血管内が一時的に酸素不足になり、それではいかんと酸素を供給するために体が血流を増加させて血行が促進されます。この一連の流れをボーア効果と呼びます。

wikiにある「酸素を解離しやすくなる～」という表現ですが、これはヘモグロビンが運搬している酸素を必要な部位に放出しやすくなるというイメージにすると伝わりやすいです。酸素の荷卸しがスムーズになる＋血流が増加するので酸素が必要な肌細胞に酸素の供給量が増加するので肌細胞の活性化が起こるのです。

なので炭酸ガス配合の化粧品の本質は炭酸ガスを経皮吸収し血管内に送り込むことになります。各メーカーが色々と配合している美容成分は単なる付加価値に過ぎません。

炭酸ガスの経皮吸収を目的とした化粧品の明確なメリット

↑わざわざ「炭酸ガスの経皮吸収を目的とした化粧品」とまどろっこしく書いたのは単に「炭酸ガス配合」だけだと誤解を生む可能性があるためです。
炭酸ガス濃度が1,400ppm(こういう単位があるんです)以上ないと医療的には効果が見込めなかったり、そもそも流行ってる/話題になってるからという理由で単に炭酸ガス要素を入れた化粧品だってありますので。
他の成分で例えますけど、50mプールにスポイトでたった一滴ビタミンCを入れただけでも「ビタミンC配合」は謳えるわけですから。嘘ではないですし。そういうケースもありますから「炭酸ガスの経皮吸収を目的とした化粧品」とまどろっこしく書きました。…と言っても薬機法的に説明や広告にそんな表現は出来ないんですけどね！

前置きが長くなりましたが明確なメリットは外部から補給する付け焼刃的な美容成分ではなく、自分の細胞の働きに直接アプローチを仕掛けることなので本来の肌機能をブーストさせるから効果がわかりやすいんですよね。
なので最初の方の話になりますが説明が不要だったりするわけです。効果を実感しやすいから。
炭酸療法は火傷の損傷等の皮膚の再生医療でも使われているので、そりゃしわとかにも効果は発揮してくれますよね。薬機法的に言えませんけど。
美容的によく耳にする表現ならターンオーバーの促進とか正常化とかになるわけです。

まとめ

「炭酸ガスの経皮吸収を目的とした化粧品」の本質的な役割はボーア効果によって肌細胞への酸素供給量を増加させることです。それにより肌細胞が増殖・分裂を活発的に行うことができるようになります。
表面のシュワシュワ感が気持ちいい！とか肌の温熱効果とか付加価値で色々配合している成分はあくまで副次的なものです。

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