朗読劇"Spiral"に寄せて

Be Withプロデュースさん主催の朗読劇、KIRAKIRA VOICE LAND (通称キララン)VOL.34 Reading Cinema2021
MORGUE×CHRONICLE Ⅶ  <Spiral>

7月3日と4日、2日間に渡り計5公演観劇させていただきました。

感情が昂られ、込み上げてくるものがあった。記憶はすでにほとんどないが、このご時世のいま、本当に参加できてよかったなと思えるものに久しぶりに出会えたので、感想や呻きを覚えている限りここに書き記そうと思う。

ただ、先に断っておくとめちゃくちゃ長い。
何もすることがなくて暇だな、っていう人がいればぜひ、読んでいただければ。

●今回の公演について


キラランの公演にはいくつかの演目があり、演目ごとに、同じ舞台設定ではあるがそれぞれ3種類の違った結末のお話を楽しむことが出来る。

キャストは2人。
1日3公演それぞれの結末を演じた後、翌日はキャストを入れ替えてまた3公演、それぞれの話を生きる。
全く同じステージは存在しないというけれど、これぞまさに。後述するが、この朗読劇への参加は念願だった。

今回観劇したのは、Spiralという演目。
キャストは山下誠一郎さんと浦尾岳大さん。
舞台は雨が降り続く町、モルグ。
魔女伝説が息づく町だ。
そこで織り成されるダークファンタジー。

新感覚朗読劇をコンセプトにしていることもあり、キャストの演技だけでなく照明、SE、BGMや映像に至るまでの全てが、モルグという町を板の上につくりあげていた。
ひょんなことから森に迷い込んだわたしは、あの場で凄いものを見た。

そしてわたしは雨となり、
カメになった。(???)


すでに語彙力がないのは許してほしい。
脳の記憶装置がポンコツすぎる。
見た傍から弾け飛んでいってしまった。
情報量が多すぎる。
今から記すのはレポではなく、わたしの呻きということで……

◆Story
魔女伝説が息づく町・モルグ。探偵を生業にしているエリクサーの元に、レイスと言う行方不明の男を探してほしいと依頼が入る。手がかりは「絵本」と「指輪」。
調査中にエリクサーは、ある集落へ辿り着くが……。

●観劇に至ったきっかけ

まず、今回わたしがモルグに足を踏み入れることになったのは、キャストのお1人、山下誠一郎さんが出演されていたことが理由だ。 

まだ自分の中で山下さんへ対するスタンスをはかりかねているので、言葉を選びながら言う。

山下さんは、現在わたしが注目している声優ナンバーワンだ。
彼の演技をもっと聴きたい、知りたいと思っている。
だから今回の朗読劇が決まってすぐ、軽率にチケットを買った。

わたしが山下さんを認識したのはおそらく3、4年前。
当時繋がっていたフォロワーが某刀の薬研狂い柄ラーで、彼女は気がつけば山下さん推しになっていた。
彼女からのRTで回ってくる山下さんのイベントレポやお写真(当時、山下さんはSNSのアカウントを持っていなかったので回ってくるものは他の声優さんたちのアカウントだった)に、ふ〜んこの人がフォロワーの推しね!くらいに思っていた。

 余談だが、記憶違いでなければ、人の目に触れるのを気にしていたフォロワーは彼のことを"ぴ"と呼んでいたのでずっと小動物かわいいあざと系キャラなのかな、と誤解していた。
もしかしたら記憶違いだったような気がする……いや、そうだ。記憶違いだ。そんな気がする……元フォロワー元気にしてるかな……


話が逸れた。

それぐらいの認識でしかなかったわたしが声優・山下誠一郎に魅せられ、彼個人に興味を持ち始めたのはここ半年ほどのことだ。
某ヴィランズゲームで❤の彼を推していたわたしは、推しに対する不穏な考察を発見し、頭を悩ませていた。

推しには幸せでいてほしい……ずっと笑顔で楽しく生きてほしい……本当にそんな展開になったらわたし……どうすればいいの……!??

これに抵抗すべく、ありとあらゆる幸せなファンアートを漁りまくり、キャラソンとか出たらどんな感じだろう!?ワクワク!という軽い気持ちでcvを担当されている山下さんへと目を向け始めた。

そして気づいた。
cv山下さんのキャラで幸せな演技を浴びてジェネリックを感じればいいんじゃないか……?

わたしが気づいていなかっただけで、そのお声を何度か耳にしていた事実もわかった。
(徒然チルドレンの千秋だと知って白目を剥いたし、鉄血のオルフェンズの昌弘も担当されていて、泡を吹いた。)

ここまでくればわかっちゃうんですよね。

この人………
めちゃくちゃ芝居がうまいぞ……!!

こうしていろいろ調べるうちに行き着いた先。

"cv山下さんの闇演技を事前に浴びることによって、今後の万が一の展開が起こったときのために耐性をつければいいんだ……!"

手始めに歌舞伎町シャーロックをみて狂い、Orangeをみて泣き、華dollへ行き着いた。

今では立派な眞紘推しAntholicです。
(山下さんのキャラが所属しているグループ、Anthos*のファンのことをAntholicと言う)
華dollに狂い、cv山下さんの推し、2人目が爆誕したことで山下さんの演技へ対する信頼がうなぎのぼりに。
いや、この人本当に演技がうまい…………!

もっとお芝居見てみたくなるよね。
朗読劇なんて告知されたら、
行きたくなっちゃうよね。

まだ"推し"と呼べるほどではないけれど、
にわかの状態でファンの方々には申し訳ないけれど、情報が発表されてすぐ、通し券を購入した。

長くなったが、つまりはこの半年で山下さんの演技に魅せられ、狂い、今回の朗読劇への参加に至ったというわけだ。

長々と書いてるけどまだ導入部分てまじですか?今の時点で2000字超えてるが……

●キララン現地に至るまでの道程

はい、まだ導入続きます。

キラランの朗読劇については、4年ほど前からその存在を知っていた。 
わたしには、かれこれ4年以上応援し続けている声優さんがいる。
その方がこの朗読劇に出演していたからだ。
2回ほど違う演目で出演しており、2回ともわたしは参加できなかった。

理由は単純。
スケジュールと財布事情の都合がつかなかった。
当時まだ学生で、なけなしのバイト代で細々と遠征オタクをしていたわたしは、なくなく諦めたのだった。

以降もフォロワーが次々に被弾しては号泣したり、性癖をねじ曲げられて帰ってきたのを何度も見てきた。
そして社会人になった今。
推しよ、またキャスティングされてくれ……!そう願っていたら、今生でお芝居が聴きたい声優ナンバーワンが来てしまったのだった……。そりゃ通し券買ってしまいますわよね。

通し券を購入したと言ったけど、最初に書いた通り観劇できたのは計5公演です。
7月2日、3日にわたって全国的な大雨が降り、その影響で東海道新幹線が止まっていた。
1日目は全部見れないかも、わたしのチケットの半分がむだになっちゃうかも……とメソメソしたが、駅員さんをはじめとするたくさんの方々の頑張りによって、2回目の公演から無事見ることが出来た。
本当にありがとうございました。

後に、あの大雨で被害に遭われた方々の存在をネットやテレビで知った。
心よりお見舞い申し上げます。

●レポの初めに

この朗読劇に今後参加する人がいれば、そのときは初見で参加してほしいと思う。
だから、極力ネタバレになるような話は避けていきたい。
でも、話の根底に関わらないセリフとかは言及するかも。

まず、お二人とも朗読でお目にかかるのは初めてだった。
浦尾さんが舞台にも出演されていることは知っていたし、浦尾さん推しのフォロワーからはあの人本当にすごいから!と力説されて、その点も少し楽しみにしていた。
とはいえお二人の接点を知らなかったし、意外な組み合わせだと思っていたが、相性抜群だったように思う。

アドリブ等の方向性が似ている、と仰っていたように記憶しているが、確かにと思った。
アプローチの仕方や最終的な演技プランは全く別なのだけれど、向いている方向が同じというか。
上手く言えないけれど、足を引っ張りあったり、どちらか一方が頑張るんじゃなくてお互いがお互いを助け合っている感じ。
持ってきた世界観は別物なんだけれど、限りなく近いところにあるから喧嘩せず、溶け込みあって広がっていくような感じがした。

●1日目 エリクサー浦尾×レイス山下

まず最初に思ったこと。
いや、山下さんめっちゃ動くな!??

動くというか、これまで参加してきた朗読劇はといえば、基本は台本を読む。たまに視線を動かしたり、簡単な手振りをつけたり、あぁ、この人はお芝居と一緒に結構動くタイプなんだな、なんて発見があったり。
そういうレベルだった。

これはあれか、そういう演技指導なんだろうか……と思いつつ、いや絶対それだけじゃなかったんですよね。
紅茶を注ぐ、足を庇う、手を掴む仕草。
これはお二人ともされていたからわからないけれど、それ以外のところも山下さんまじで、ずっと全身を使って芝居をされていた印象があった。

穏やかで物腰柔らかな、知的な青年の声いいな、ハマるな、トーンやテンポが好きだな、やっぱりこの人のお芝居いいな、と思いながら聴いていたんですが、ナチュラルに、流れるようにぶっ込まれる手振りを見て脳が弾ける音がした。

「お褒めいただき光栄の極み。」
というセリフがあったのだが、話しながら胸に手をやり会釈するその仕草に、この人役者だ!!!!!!!!と叫び出しそうになった。

まじでずっと演技してる。
声だけじゃなく、山下さんの一挙一動全てがキャラクターを構成していた。

そして、台本を読んでいてもセリフの途中や言葉の最後で絶対顔をあげるようにされているのよね。
山下さんのお芝居はリアルだ、とよく評されている。
本人もそこを意識されているようで、アフレコ時でも前に向かって語りかけるようにしている、というような話をインタビューか何かで見た気がする。
どこで見たかすら思い出せないので全然違っていたら申し訳ない。
でも、普段のお芝居を、山下さんのナチュラル演技の片鱗を見たように思った。

レイスの役はまじで好きな種類のお声で、しかも心地のいいテンポ感でお話されるのでずっと聴いていたかった……!
レイスの言葉の使い方も結構好きだったので、台本ほしいな。

それから、わたしは山下さんの闇演技に狂わされたようなところがあるので、そういう系統の演技を生で聴けてしぬかとおもった。

絵がない分、あまりつくりこまずに自由に演じられた、というようなことを仰っていらっしゃったが、山下さんのお芝居はどこまでも等身大で、自然で、地続きになっているようだった。あっけらかんとしていて、ケラケラ楽しそうなんだけどどこかが欠けているような違和感。
あからさまな狂気を孕んだ声じゃないのに、調子が狂う。
そして時々声を張り上げて叫ぶことで揺れる緩急、強弱。
若くして大人たちを侍らせた教祖的な役を演じてほしいと常々思っていたのだけれど、その思いが更に強くなりました。

初めて山下さんの生のお芝居を浴びて脳内ビッグバンを起こされたわたしは2回目と3回目の公演の間"ハァ、芝居がうめぇ、あなたの芝居がすきだ、"って心の中でひたすら繰り返しながら、ろくに土地勘もない渋谷の街を1時間弱ひたすら練り歩いた。

●2日目 エリクサー山下×レイス浦尾

1日目と違い、大体の話は分かっているのでさらにいろんなところに注目して聴けたような気がする。

そして山下さん、やっぱりめちゃくちゃ動く。
レイスが静だとしたら、エリクサーは動。
座り方からして、1日目とは全然違っていた。
レイスの時は、膝を揃えて礼儀正しく座っていらっしゃったのに対し、エリクサーの時は脚を広げて座り、前傾姿勢になったり、身振り手振りも1日目と比べると圧倒的に増えていた。
そして何より、セリフとセリフの合間でもずっと演技をされていた。
"レイスという名の息子を探してほしい"
と言われたとき、セリフはないのに、音には出さずに"レイス……"と復唱するように口を動かされていた。

いや、こんなん目逸らされへんやん!!
一時たりとも見逃されへんやん!!!!

他にも、森を抜けてガーデンに足を踏み入れる時、キャストは椅子の周りを1周するのだが、3回目の公演のときにくるりと1周する山下さんの表情はぼんやりと虚ろで、歩き方もおぼつかず、引き寄せられ、誘われているようで、見ているだけなのにあまりの衝撃に息をするのを忘れかけた。

食べ物を口に詰め込みながらセリフを言うときは、相手が話してるときもずっと口をモグモグさせている。
直後、自分が喋るときにはモグモグさせていたものをゴクリと飲み込んで話し始める。
そんな動作を忠実に再現されていた。 

後、すごいと思ったのがアドリブ。
アドリブ専用(?)パートの面白さも勿論なんだけど、大筋からはみ出さない程度の自由さがすごかった。
それは浦尾さんのアドリブを受けてのものであったり、自身のアドリブから物語へすっと戻っていくときであったり。
台本に忠実になりすぎず、キャラクターから逸脱しない範囲で自然に差し込まれる言葉の繋げ方やニュアンス。
ご本人どこまで意識されていたのだろう。
物語を追うのに精一杯でそこまで把握しきれなかったのたけど多分細かいところまでずっとお芝居されていた。
それは3通りの結末を見据えたうえでのアプローチなのか、その場で自由に遊んだ結果のものだったのか。
何にせよすごい役者さんだな、と思った。
感服するしかない参りました。

●最後に


記憶がほぼないのでまともにレポすらできない。でも、観劇してから3日ほど経つが、ずっと脳を揺さぶられたままだ。
これを処理しきらないと、多分何も手につかないんだろうな。

フォロワーには、泊まりで遠征にいくレベルなのはもう推しだ、認めた方がいい。と言われた。
けど、まだ正直山下さんへ対するスタンスを探し続けている。
とりあえず、山下さんのお芝居のファンでいたい。
とはいえ、ご本人のラジオまで聴き始めてしまったので、近いうちに推し!!とか叫び出しているかもしれない。

でもまだ推しじゃない……!まだ、まだ認めない……!9月の朗読も参加するけど……!それでも!まだ!

まだ推しだって認めないんだからね……!
(フラグ)

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