ペリシッチのインテルでの軌跡を振り替える
2022年6月1日。ペリシッチのトッテナムへのフリーでの移籍が決まりました。
先日、TORAさんのインテル選手名鑑21-22シーズン版にてペリシッチの部分を執筆させて頂きましたが、字数の関係上どうしても語り切れないところがありましたので、インテル移籍当時から振り返りながら色々と書いてみようと思います。
2015年8月31日にヴォルフスブルクからインテルへ加入して約6年間(19-20シーズンはバイエルンへローン)在籍し、通算254試合55ゴール49アシストを記録、合計18,934分間出場しました。
そんなペリシッチですが、加入当時正直なんでインテルに来てくれたのか本当に全く分かりませんでした。15-16シーズン当時ペリシッチが在籍していたヴォルフスブルクはCL出場権を獲得。それに対しインテルはCLはおろかELの出場権すらなく正に暗黒期真っ只中。そんなチームにCLに出るチャンスを蹴ってまで来てくれるなんて当初は全く思ってませんでした。それゆえに加入してくれた時は本当に嬉しかったのを覚えています。
9月のミラノダービーでインテルでの公式戦デビューを飾り、しばらくはトップ下でプレー。中盤戦以降は左サイドに移り最終的にリーグ戦34試合7ゴール6アシストを記録。初年度から期待通りの活躍を魅せてくれました。
その後16-17シーズンは36試合11ゴール8アシスト、17-18シーズンは37試合11ゴール9アシストと好成績を記録し、イカルディに次ぐ得点源、チャンスメーカーとして左サイドアタッカーとしての地位を盤石なものとしました。また、7シーズンぶりとなるCL復帰に大きく貢献しました。
なお、17-18シーズン開幕前にマンチェスターユナイテッドからペリシッチへのオファーが届き、本人も移籍を希望。ただ、インテル側に放出の意思はなく最終的は残留となりました。
18-19シーズンは、ワールドカップの疲労もあったのか直近2シーズンと比べ若干トーンダウンしたように感じられる試合も多く、34試合8ゴール3アシストで終えた。
加入以降インテルの主軸として左サイドに君臨していたペリシッチだが、2019-20シーズンからアントニオ・コンテがインテルの監督に就任してから状況が一転。3バック導入及び2トップのフォーメーションとなったために彼のポジションであるLWGが消滅。WBとしては失格の烙印を押され事実上構想外となりバイエルンへローン移籍が決まった。
移籍先のバイエルンでCL優勝を含む三冠獲得に貢献した。
20-21シーズン。バイエルンが買取opを行使せずにインテルへローンバック。最終的にインテルに残留することとなった。改めてWBに挑戦することとなったこのシーズン、序盤〜前半戦は不慣れなポジションでのプレーに苦戦していた印象が強かった。
しかし、後半戦以降はWBに適応。LWBのレギュラーをヤング大先生から奪取し、スクデット獲得のラストピースとしてチームの躍進を陰ながら支えた。
21-22シーズン彼は再び飛躍する。20-21シーズン限りでコンテがチームを去り代わりにシモーネ・インザーギが監督に就任。彼は同じく3バック2トップのフォーメーションを採用する。しかし、WBに与えられる役割がより攻撃的にシフトしたことがペリシッチにとって追い風となる。シーズン中盤以降WBで躍動し、かつてウイングで魅せていた攻撃力を存分に発揮した。特にシーズン終盤戦は鬼神のような活躍を魅せた。特にコッパイタリア決勝・ユベントス戦での逆転、ダメ押しのドッピエッタは我々インテリスタの心に深く刻まれた。リーグ戦7ゴール8アシストというWBとして凄まじい結果を残した。
そんなペリシッチですがコンテの誘いに応じる形で22-23シーズンからはトッテナムに移籍することになりました。
正直な話もう2年くらい居て欲しい、なんならインテルで引退して欲しかったと思っていたのでペリシッチがインテルから旅立つことに対して寂しさを感じました。しかし、かつて失格の烙印を押した監督の評価を変え、今度は請われる形でその監督の元へ移籍すること、そして本人が以前夢であると語っていたプレミアリーグへの挑戦を選んだ彼のことを誇らしくも思っています。33歳とキャリア晩年に差し掛かる年齢的に、プレミアリーグのビッグクラブでのプレーするラストチャンスであったのは間違いないので彼の決断を尊重して送り出したい、移籍発表から少し時間が空いた今はそんな風に思っています。
暗黒期にチームへやって来て、大黒柱として長年チームを支え、暗黒期脱出に大きく貢献し、タイトル獲得を成し遂げたペリシッチは間違いなくインテルのレジェンドであると思っています。そんなレジェンドへの感謝と最後の大きな挑戦の成功を祈って締めようと思います。そして何かしらの形でサンシーロに帰って来たときは盛大に迎え入れようと思います。
インテルを選んでくれてありがとう!!
トッテナムでも頑張れ!!
p.s.CLでインテルと当たった時はお手柔らかに
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