メンバーシップ執筆者紹介 #1 上田聡子
このたび、parubooksさまが2025年1月よりnoteにてスタートされます、能登半島復興支援メンバーシップの執筆者の一人となった、上田聡子と申します。
輪島市に生まれ、東京で学生時代を送り、地元北陸に戻って就職したあと、結婚し、伴侶の転勤で富山や福井にも住み、いまは金沢で暮らしています。
2024年1月に起きた能登半島地震のときは、お正月の帰省に輪島に来ていて、被災しました。地震と火災で、めちゃくちゃなことになった輪島の街――能登を背に、金沢へと戻ってできることを探そうと決めました。
既刊紹介の前に、今回の能登半島地震において、私が個人的にやってきたことをご紹介します。
◆チャリティー同人誌「波の花風吹く」の制作◆
紅玉いづき先生、編の肌先生とともに、石川県在住作家三名で、能登半島地震チャリティー同人誌「波の花風吹く」を制作しました。2月に顔合わせをし、3月4月とかけて、輪島大祭を取り上げた小説「キリコの灯かり、祭囃子の音」およびエッセイ「私の震災体験記」を書き上げました。5月の都内同人誌即売会にて、初頒布。6月には石川県立図書館でトークイベント。また、石川県内のうつのみや書店各店様や、通販でも販売し、完売。総売り上げから経費を抜いた762,171円を、9月に石川県庁の能登半島地震義援金受付に寄付しました。現在、2刷を準備中です。
◆能登半島地震/豪雨災害クラファンリストをまとめる◆
2月末ごろから、被災した会社やお店のクラウドファンディングを、Xで見かけるようになりました。Xのタイムラインは、すぐ流れるので「この情報が一箇所にまとまっていたらいいのに」と思うようになり、3月初旬から能登支援noteというアカウントを新規に立ち上げ、クラファンリスト、事業者直接寄付先リストをまとめはじめました。こちらは、タイムラグはありますが、だいたい募集中の団体のみを載せていて、募集が終わった団体は別記事に移動させています。
能登半島支援メンバーシップつなぐSupport Noto noteに、parubooksさんよりお誘いいただいたのは、北陸三県ローカル鉄道本「受け継がれたローカル線(のちに、既刊リストにも後述)の制作さなかでした。
parubooksの隣に本社をおく、アニメーション制作会社・ピーエーワークスの堀川憲司社長から、メンバーシップをつくるにあたって、このような提起があったと、担当の佐古田さんより伺いました。
「能登半島地震の復旧・復興には長い時間が必要、能登半島をテーマにした創作活動で被災地を支援し続けることはできないだろうか」
素晴らしい案だ、と思いながらも、大きく戸惑いました。
(能登をテーマにした創作を、媒体を用意していただいたうえでやらせてもらえるのは、本当にありがたい話だけれども、大変難しく、覚悟のいる企画だな…)と。
能登はいま、復旧復興がまだまだ始まったばかり。物語に昇華するにあたり「どう描くか」という問題を、慎重に扱わねばならないと感じました。
そして佐古田さんからは「10年間、メンバーシップを運営できればと思っています」とも。「10年ですか⁉」と、引っくり返りそうになるとともに、能登の復興を、物語を書きながら並走して見守っていけるのは、ありがたいことだし、能登に生まれた書き手として、受けなければならない仕事なんだろうな、と実感しました。
のちに、この10年のお話を、同じメンバーシップ書き手の一人である藤本透さんにしたら「それならやっぱり、10年かけて能登のファンになってほしい。そういうつもりで書きたいですね」とおっしゃっており、私も心を打たれました。
つなぐSupport Noto noteでは、能登だけでなく、石川・富山・福井・新潟にゆかりのある書き手から、4県をテーマにした創作を発表する、というコンセプトでできています。なぜ、能登だけでないのか? それは、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、能登半島地震の被災地として、主に被害が出たのが、こちらの四県だからです。内灘も氷見も新潟も、被災地です。クラファンまとめをつくっていて、福井や新潟の寺社なども、このたびの地震で被害を受け、支援金をつのっているのを見かけ、リストに加えました。
私は、1月より、こちらのメンバーシップにて、能登を舞台とした小説を毎月発表してまいります(詳細は、まだ秘密)いま、鋭意執筆中です。正直、どのような反応があるのか、不安でもありますが、それ以上に、能登という土地に敬意と誠意をもって、書いていくつもりです。
資料にあたりながら、改めて「産まれ育った地域なのに、私はぜんぜん、能登について知らないことが多いのだな」と思いました。でも、これから知っていくし、能登のことを学んでいきます。失われるままに、したくないから。
みなさまに置かれましては、つなぐSupport Noto noteに参加していただくことで、さいはての能登という土地を、知って、愛してくださってほしいと思います。
小説の発表と同時に、エッセイの準備も上田はしております。能登の食文化や、地域文化、芸術などについても、私自身学びながらご紹介してゆけたらと思います。
では、ひとえにみなさまがたからの温かいチャリティー参加を、お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。