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メンバーシップ1月第4週まとめ/輪島・珠洲へ行ってきました。

parubooksの佐古田です。今週は季節外れの晴天やポカポカ陽気の日が続き、「おかしい、今年は豪雪って言ってなかったか?」と不思議に思う毎日です。そんな週にたまたま奥能登方面へ足を運ぶタイミングが重なりました。くわしくは後ほど。

富山市在住のアマチュア写真家、inoue1024さんの写真&エッセイ「inoue1024 03 PhotoNote - 白山からの日の出」は、県外出身の富山県民にはあまり馴染みのない、加賀市の柴山潟から望む霊峰・白山です。石川県には能登半島の付け根の河北潟や七尾市田鶴浜の干潟、小松市の木場潟など、貴重な干潟が今でも残ります。水の上にワシャワシャと草が生え、水鳥が飛び交う光景は個人的に大好きなので、こちらにももう少し暖かくなったときに足を運んでみたいと思います。

滋賀県在住の小説家、峰守ひろかずさんによる伝承ルポ「かが・のと百物語(2)猿鬼はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか」は今週で完結。能登地方で定番の怪物・猿鬼のエピソードゼロを考察されています。能登半島は厳しい自然環境の中、居住できる場所も限られ、その集落の中には必ず神社があります。parubooksのある南砺市でも、山あいの五箇山や利賀といった地域では、今でも強い信仰が残っています。神様を畏れ敬い続けてきた人たちの間で、物語も連綿と受け継がれてきたのでしょうね。

そして最後に登場する執筆者、福井県大野市在住のライター・佐藤実紀代によるエッセイ「ほくりく本屋めし」が、いよいよ明日からスタートします。ご期待ください!

輪島市教育委員会様にて

1/23と24の両日を使って、震災後初めて輪島・珠洲を訪問してきました。目的はparubooksで2019年に出版した絵本「はじまりの木」、2022年に出版した小説「花咲くいろは~いつか咲く場所~」上下巻を、輪島のみなさんへ寄贈するためです。メンバーシップの執筆者でもある藤本透さんの故郷が輪島市町野町で、被災地の現状などを伺う中で、ぜひ現地のみなさんに読んでいただきたいと考え、今回寄贈が実現しました(藤本さんには輪島市役所さんとの調整をしていただきました。この場を借りてお礼申し上げます)。

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市役所はまだ一部で地震による破損のあとが見られました。

輪島市では昨年1月の震災の際に、市立図書館の入った建物が壊れ、すでに解体が決まっています。また9月の奥能登豪雨では、震災で被害が少なく開館していた町野分館が床上浸水し、蔵書が多く水損してしまったそうです。図書館は災害で不安になった子供さん、自宅やなりわいを失った人たちが、ひとときでも現実を忘れ過ごすことができる場所です。その場所すら奪ってしまった今回の震災と豪雨は、自然には逆らえませんが本当に酷いです。市役所近くのショッピングセンターに仮移転した市立図書館、門前図書館、復旧を待つ町野分館へ、それぞれお贈りしました。また市内の全小中学校さんにも各2冊ずつ、絵本「はじまりの木」をお贈りしています。

市内ではいたるところで復旧工事の真っ只中でした。私は輪島市内は初めて訪れたため、以前の街の様子をよくは知りません。ただ、市内中心部を1時間ほど歩き、被害の大きさを見る限り、復旧・復興までにはこれから相当長い期間を要することは間違いないと感じます。

朝市通りの前では静かに手を合わせました。

その後、輪島市中心部から日本海沿いに珠洲方面を目指しました。能登半島地震でも特に被害の大きかった地域を通ります。日本海を望む棚田で有名な、「白米千枚田」にも、道路が復旧したおかげでようやく来ることができました。

震災で隆起し陸地になった海の上に仮設道路を通した区間や、山ごと道路が崩壊しカーナビ通りに走ると標識の向こうが土で埋まっている場所もあり、なんとかたどり着いた町野町中心部。藤本さんからご紹介いただいた「もとやスーパー」さんへ、小説「花咲くいろは~いつか咲く場所~」上下巻をお届けに伺いました。オーナーの本谷さんにも温かくお迎えいただきました。

お店は震災で停電する中でも休まず営業されていましたが、9月の奥能登豪雨で目の前を流れる町野川が氾濫。店内に濁流が流れ込み休業を余儀なくされました。そのあとボランティアのみなさんとも協力されお店を復旧、他にスーパーもコンビニもない町野地域のみなさんの貴重な買物ステーションです。私も宿で食べる夕飯をここで買うことができ、大変ありがたかったです(コンビニもまだ時短営業のところが結構あります)。

parubooksからお贈りした「つなぐSupport NOTO note」のイメージポスター、藤本さんからのメッセージもやっと現地で目にすることができました。お店は奥能登豪雨からの復旧の際、半分ほどをボランティア活動や帰省の際に無料で利用できるキャンプスペースにされました。お店に滞在している間も、県外ナンバーの車も見かけました。水害からもう3ヶ月以上経ちますが、お店の周辺にはまだ泥が残る状況です(前はもっと酷かったと聞いて絶句しました)。同じ経営者として、本谷さんの姿には本当に頭が下がる思いでした。スーパーはその地域の人たちの生活を支えるライフラインです。再建のためのクラウドファンディングも実施されていますので、皆様のご支援をよろしくお願いします。

翌日は震災で被害を受けた、珠洲の見附島を見に行きました。傷つきながらも、神々しさを感じる佇まいに、しばし心を奪われました。

皆様、今後とも能登半島地震の被災地へのご支援、何とぞよろしくお願いいたします。

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