かが・のと百物語(3)「UFOのまち」の空には何が飛んだのか/峰守ひろかず
石川県羽咋市はUFOのまちである。嘘ではない。
石川県羽咋市が「UFOのまち」であることは、怪異愛好家のみならず超常現象ファンやUFO好きの間でも知られている事実です。実際、町には「宇宙科学博物館コスモアイル羽咋」がそびえ、羽咋市の公式サイトにはノスタルジックな「空飛ぶ円盤」型のUFOがひっそりと浮かんでいます。
1.「UFOのまち」である理由
では、なぜ羽咋市はUFOのまちなのか。「石川県観光公式サイト ほっと石川旅ねっと」の「宇宙科学博物館コスモアイル羽咋」の紹介ページには、こう説明されています。
なるほど。この土地には「そうはちぼん」という飛行物体が出ると。
そして、それはシンバル型の仏具の名称であり、その仏具の形状がUFOに似ているので、「昔からUFOが飛んでいたのでは?」ということになり、「UFOのまち」となったと。理路整然とした説明です。
なお、楽器の方の「そうはちぼん」はこういうものです。
余談ですが、上の写真には「そうはちぼん」とありますが、調べてみたところ、この楽器が「そうはちぼん」と呼ばれていた事実はなかったようです。
このシンバル型の仏具は「妙鉢(みょうはち」「双鈸(そうはち)」「銅鈸(どうはち)」「銅盤(どうばん)」「鐃鉢(にょうはち)」等々、色々な呼び名を持つので、日本のどこかで「そうはちぼん」と呼ばれていた可能性までは否定できないのですが、羽咋市歴史民俗資料館に確認した限りでは、少なくとも羽咋市ではこの楽器のことを「そうはちぼん」と呼んでいた事実はなかったとのこと。
楽器の呼び名の一つである「そうはち」と、怪火の妖怪の名前である「そうはちぼん」が似ているところから、八〇~九〇年代にまちづくりを推進した人たちが両者を結び付けたものだと伺いました。
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