青木と青山
小さい頃から、なぜ近くにあるのか疑問でした。
郊外にありがちな青い看板の紳士服専門店。
コンビニなんかも、三国志の2国が隣接していたりします。
この前記事でゲーム理論に触れたとき、そういえば大学の講義で似たような話があったことを思い出したので、書き留めます。
ホテリング・ゲームと呼ばれる立地に関するモデルケース。
考え方はシンプルで、ある線分上の世界で2つのお店が自分の利益を最大化するための立地を考えるというものです。
直感的に考えれば、Aが1/4の位置に、Bが3/4にお店を構えれば、お互いに干渉しあわず平和的に利益を最大化できそうな感じがします。
そこで、Aは1/4の位置に構えようとしたところ、いや、Bが3/4に店を構えるなら2/4にうちが構えれば、もっと広い領域の顧客を獲得できるんじゃないかと考えました。
一方Bは、3/4の位置に構えようとしたところ、いや、Aが1/4に店を構えるなら2/4にうちが構えれば、もっと広い領域の顧客を獲得できるんじゃないかと考え、またAも同じように考えるはずだから2/4以外に構えてはうちの顧客を奪われてしまう、ということに気づきます。
この線分上の、立地に関するナッシュ均衡点は1/2です。
顧客にとっては1/4と3/4の位置にそれぞれお店があれば、移動距離が短くて済むのに、AとBの利益の最大化を考えると、均衡点が移動してしまうところに、ゲーム理論の面白さを感じます。
現実は線分でなく、平面上なので即座に適用できるとも思いませんが、こういった考え方もあるのだと知っていると、何となくあの店どうしの近さも納得できそうです。
通信三国志の販売プランが結局カルテル化したり、都市部と地方部の偏在性があったりするのも、強引にこの理論で説明できそうな感じもします。
ゲーム理論は神の見えざる手よりも人間味があって好きです。