『放っておいても明日は来る 就職しないで生きる9つの方法』
なにも共産主義者ではありません。
ですが、労働は人類に課せられた罪ゲーム、懲役40年、自然の摂理に従えばヒトがやることじゃなく、できればやりたくないものと思っています。
だからこそ、労働に勤しむ人々には畏敬の念が堪えません。職に貴賎なしとはよくいったものですが、自分を含めみんなよくやってるなとほとほと感心します。
賃金労働者ならだれでも、雇用契約書を交わし、規則にのっとり、就業時間に拘束され、定められた役務を全うし、対価報酬を受け取ります。
第十八条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
「苦役」とは、通常人からみて普通以上に苦痛を感じるような任務のことを言うそうです。「意に反する」のだから、労使の合意を経た労働では、本人が苦痛に感じても合憲なのでしょうか。
理想は、趣味としての ”労働” がある世界です。 ”労働” 以外にしっくりくる言葉が思い浮かびませんが、要はやりたい人が余剰分の活動すればいいのです。技術が進歩して、最低限の生活を維持するための労働など文字通りの「robot」に任せて、BIが保証された世界で穏やかに生きていたいです。そして、のちの歴史の教科書には今の世を「労働時代」とでも分類してほしいです。
「共有すること」が世界の潮流に乗ってきて、仕事もシェアする概念がかなり前から出てきています。奇しくもコロナ禍で人手不足感が解消されて来ましたが、また経済活動が再開すればあくせく働くことになるでしょう。供給が増えれば、人間の射幸心を掻き立てる需要も増えてくるのが世の常です。
十分に文明の利器の恩恵にどっぷり浸かった生活を私自身もおくっていますが、必要以上に快楽を求める経済活動に嫌気がさします。ブレーキが効かない自転車操業のようで、資源のエントロピーがどんどん増大していくのは気持ちが悪いです。
3.11の対応をめぐって、東京電力の責任が追及されました。こんなことを言うと世間知らずとか頭お花畑とか大バッシングを受けそうですが、私も含めそれに頼らないといけない生活をしてきた人たちが、被害者と同じようにそれを責められるのでしょうか。そもそも原子力エネルギーを必要とする生活が諸悪の根源なのではないでしょうか。
ごちゃごちゃとぬかしておりますが、資本家は軽蔑する一方で、憧れもあります。二律背反のこの気持ち、やはりこの資本主義社会に生まれたからには、ヒエラルキーの上の方に行って不労所得でぬくぬくと楽々と暮らしたいです。
本著は講義を基にした、9人の生き方をまとめています。
このモヤモヤした労働観からすっきり抜け出せるヒントがなんとなくここにありそうな気がしました。