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「外」にどう伝えるのか

 日曜日は歌舞伎町で行われた超都市型フェス『Re:animation9』の取材に行ってきた。実は金土とひどい喘息で行けるかどうか怪しかったのだけど、病院行って一番いい薬をもらってなんとか動けるところまで間に合わせた。のだけど、コンディションとしてはこれまでの『リアニ』取材の中では最悪。しかも炎天下ということがあって、テンション持つか不安だったのだけど、気がついたら1300枚撮影してヒロワタさん(Hiroshi Watanabe)のテクノで踊りまくっていた。帰宅してから選挙速報を流しつつ画像を選んで、勢いでテキストも書いたら5時だった。それがこちら。

http://otajo.jp/62234

 僕が『リアニ』のレポートを書く時、常に意識しているのは参加した人に読んでもらうことはもちろんなんだけど、この楽しさをどう表現して「外」の人に興味を持ってもらえるのか、ということだ。

 『リアニ』は無料イベントで、シネシティ広場の外で待っていた人が興味を持ってすぐに中に入ってこれるし、実際そういう人も少なからずいる。それと同じように、「何か楽しそうにしている人がいる」ということがこのイベントを知らない人にどう伝えるのか、ということに一番気を配って書くようにしているわけです。

 例えば『蒼き鋼のアルペジオ』ファン(でもサントラ買うほどじゃない)ならば、昨日のヒゲドライバー氏のアクトは必見だった。そこでEDを流したということを入れるようにしたり、リンレンと彩羽真矢さんが「ルカルカ☆ナイトフィーバー」を踊ったシーンを紹介すれば彼女を知らない人に引っかかる何か突起物のようなものになるんじゃないか、と考えて画像を選んで書いているわけ。

 美少女氏のコスプレも、これまでの『リアニ』の記事ならば入れなかっただろう。だけど、彼が知名度のあるスチームパンク界隈の人にも引っかかることができるならば、そういう思いをもって紹介した。

 ヒロワタさんも、アンセムの紹介記事( http://getnews.jp/archives/1487192 )でKompaktやTransmatでの活躍に触れたので、今回は「欧米で評価が高い」というところで、少なくともレジェンド級のトラックメーカーが回すイベントなんだ、ということをライトな音楽ファンでもわかるように届けたい。そうやって記事を組み立てていったら、ああなりましたという感じ。

 正直、まだ「外」に届いているという実感はない。ないのだけれどレイヤーさんの撮影をお願いするときに「『ガジェ通』見てます」と言われたり、ヒロワタさんに「アンセムの記事よかった!ありがとう!」とおっしゃって握手して頂いたりすることで、書き手としての僕はすごい救われている。あなたたちのために、僕はこれからも「外」に向けて発信しようと全力で努力することができる勇気をもらっている。だから、感謝したいのはむしろこちらの方だ。

 あと、オーガナイザーのちへさんの思い。彼は彼でコラムを書いて自分の言葉で伝えるだろうけれど、「東京のど真ん中で大音響を流す」ということを「えらい人」に理解を得るのにどれだけのことをしてきたのか、僕は知ってほしい。それをシンプルに短く伝えることも、僕が「外」に出すのに必要なことだと思っている。

 もちろん、参加した人に喜んでもらう記事にすることも大事。でも、東京の地べたのムーブメントを見ている身としては、もっとそこを面白くしたいし参加者を増やすなりシャッフルするなり、化学変化を期待したい。だからこそ、参加していない「外」の人にも伝える努力はやめちゃいけない。『リアニ』自体は、取材者としてだけでなく参加者としても楽しむけれど、記事にするのは戦い。そういう心づもりで写真を撮っているし書いている、という話でした。


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