天は自ら助くる者を助く
昨日、こんな記事を書いた。
http://yaplog.jp/parsleymood/archive/1220
11年前にブログを書き始めた時は、ただのアダルト系出版社勤務の日記のようなものだったのが、巡り巡って「ライターとは」と大上段に構えて語っている図というのも滑稽だよなぁ、と思いつつ。僕みたいなルートで物書きとしてお仕事できている人間がいる、ということは、それなりに「書いて食べる」という道にたどり着くまでのルートが多様化していることも示している。そういう意味でも、僕は書いて生きていくことで、「正規」ルートと遜色ないお仕事ができることを証明しなければいけない、と思っている。
もう一つ、僕が「ライターイベント行くならブログ書く」という考えに傾いた出来事があった。2009年にPHP研究所『VOICE』に「結婚なんて価値がない」という小論を掲載させて頂いて、それなりに反響があったものの、その後のお仕事の展開は何もなかった。それについて、あるイベントの二次会に参加して、ある御方から「そんなの当たり前だよ」とおっしゃられたのだ。要は良いコンテンツを1本送り出したからといって先につながるわけでもないし、良い人(この場合は編集者)に出会えるわけではない、ということだった。
それを聞いた当時はたいそう絶望したものだった。だからこそ兼業でお仕事は続けるつもりだったのだけど、翌年に会社都合で退職することになり、転職もままならなくなって、本気でものを書いて食べて行かざるをえなくなった。その過程でずいぶん精神の均衡を崩したりもしたものだったけれど、アウトプットだけはやめなかったし、細いライターとしてのお仕事もしがみついて続けていた。そのことが後々につながっていったのだと、今では思う。
僕は「天は自ら助くる者を助く」という言葉が好きだ。手足を動かして見て聞いて言葉にしていれば、必ず1以上にはなって誰かには届く。そういう希望を今、物書きを目指している人に見せられるような存在になることができればいいな。その道が野草が生え放題で整備されてなかったとしても、かき分けて突破する先の風景を自分が作っていく。そういう大それたことを目指す足がかりが、2015年にはできた気がする。まぁ、気がしているだけかもしれないけれど。