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【一時帰国】30時間超えユーラシア大陸横断記②~日本からロシアまで


皆さま今週もお疲れ様でした。
現在ハバロフスクは5月14日夜の21時。
しかし外は果たして本当に21時代かと疑いたくなるような明るさなのに
結局半日寝て過ごしていたわたしです。非生産的。

21時現在のハバロフスク。

先日30時間超えユーラシア大陸横断記を公開させていただきましたが
楽しんでいただけましたでしょうか。

「ユーラシア大陸横断」

とさも大げさに聞こえるかもしれませんが、
現在ロシアの中でも極東と呼ばれる地域に住む私が日本に帰ろうとするなら
ええ、読んで字のごとく、まさにユーラシア大陸を横断しないといけなかったのです。

皆さま、それほどまでにロシアはデカいのですよ。

ユーラシア大陸はほぼロシアだといっても過言ではないのです。

そして先日予告(?)した通り、
この度何とか無事に日本からロシアへ戻って参ることができました。

前回同様、
ルートなどなど覚え書きしておこうかなと。

では行ってみよう。

1.ロシアまでのルート


現時点(2022年5月頭)でロシアへ入国するのはかなり難しい状況になってる。
それもそのはず。

ロシアにたどり着く飛行機が全然ないからなんですね、
中東を除き。

ロシアから日本へ飛んだ時もそうやったけど
各国ロシア行き・ロシアからなかなか飛行機を飛ばしておらず
ある程度確実に飛ぶだろうと安心できるのも
中東経由便くらいしかないという。

戻りルートの中継地としては
・トルコ
・カタール
・アブ=ダビ 
などが主。

当然行きしなカタール経由で帰った私は、
帰りもカタール経由になるだろうと思っていたんやけどもや。

現在新型コロナウイルスの猛威を振るうロシアでは
入国48時間前に取得した陰性証明書が携帯必須なんやと。
(例のアレのせいですっかり忘れてたけどそういえば世界はコロナに大ダメージくらわされてたんやったわ…)

ああ、カタール航空よ。
ご飯もおいしくサービスも完璧。
映画も数多く座席もゆったりなカタール航空がなんと。

2日に一本しか飛んでないなんて誰が予想しただろうか。

成田からのアクセスの関係上、
そういうタイムテーブルで動いているのは致し方ないとして。

とはいえ成田から10時間のフライト
加えてカタールでの22時間のトランジット
そしてモスクワまでの5時間
を考慮すると陰性証明書の有効期限が危うい可能性があると。
(一本でも飛行機が消滅すれば即死。しかもロシア入国検査は鬼時間がかかるのでそれまでに陰性証明書の有効期限が死ぬ可能性もぬぐえなかった)

当然すぐにカタール空港トランジット内で
PCRが受けられないか確認したけど
結論「ありません」。

同じく他の中東空港のサイトも見てみたけど
あっても陰性証明書の発行はなさそうとのことで
泣く泣く成田からの乗り換えで
一番都合のよさそうなアブ=ダビ経由でロシアまで戻ることにした。

人生初のアブ=ダビ空港。
人生初のエティハド航空。

これまで中東系はいろいろ乗ったけど
もうリピートしたくないというのがファーストインプレッション。

もちろん人によりけりだと思うけど
やっぱりエミレーツやカタールを知ってしまうと
経由空港も機内も
ンンンンンつまらんんんんん(‘ω’)状態やった(笑)

何よりも狭いねん!機体が小さいねん!
食事と民度も(この辺にしとこう。

なんかよくわからん揚げ魚と蒸した野菜と米。

今回の私の戻りルートは
成田→アブ=ダビ→モスクワ→ハバロフスク。

成田からは夕方に飛ぶので
ハバロに着いたときには出発から2日経っていて
ヘロヘロ通り越して目の焦点が合っていない状態やった(笑)

まあしんどかったよね。

2.ロシア入国


アブ=ダビ空港からモスクワに向かう人はかなりいた。

ほとんどがロシア人だったけど
韓国人や中央アジア人もちらほら。

出稼ぎとか留学とか海外赴任のお父さんに付いてきたやつかなぁ、、、と
ボケーっと眺めていたら
急に「この列に並んでください」と声を掛けられた。

入国審査では特に問題なく
(ロシア語を多少なりと知っていたからかもしれない)
通過できたので気が緩み切っていたのかもしれない。

なぞの行列に並ばされ待つこと30分。

その実態はPCR検査の列だった。

え、陰性証明書持ってきたし!
しかもつい最近(半年前)コロったばっかだし!
(ロシアでは現在コロナに罹患した証明書を持っていれば1年間はワクチンを打った人と同じ待遇が受けられることになっている)

おいふざけんなコラァ(# ゚Д゚)と私がキレるよりも早く
後ろに並んでいたロシア人たちが先にキレ始めた(笑)

そして係員を振り切って列を抜け出し
そのまま荷物のピックアップへと
一斉に50人くらいの人が抜けていったのであった。

そりゃそうだ。
だって彼らだって陰性証明書を取得してきているし
ワクチンも受けた人もいるし
それなのに「そんなの関係ねぇ」ってあしらわれて列に並ばされたらそりゃ怒るわ。

でも何が面白いって係員も本気で止めずに
ああもう、仕方ないわねぇみたいな感じでまた列を整備してるとこよ笑
いやもうこの手続き意味ある???って内心笑い転げてた(笑)

やっぱりわたしはロシアのこういう突拍子もない感じが
ツボなんやと再確認した瞬間でもあった(笑)

ちなみにわたしは列に並んでPCRを受けた。

結果は陰性(当たり前だ。だから今ハバロに帰ってこれた)

確かに待たされたのはイライラしたけど
荷物を取りにターンテーブルまで行くと
すでに謀反(笑)を起こした人たちが自分の荷を持って去ってくれていたので
私のキャリーケースは3秒で見つかった。

その意味で受けてラッキーだったかもしれない。

3.モスクワ市内へ


ロシア国内に入れたものの、その後すぐに便はなく
5時間以上トランジット時間があったので荷物を引きずって
市内の友人宅にお邪魔させてもらった。

こんな時期に!と思われるかもしれないが
むしろ空港でデカい荷物抱えて
いかにも観光客風にプラプラしている方が私的にはある意味危ないと思う
(し、少しでも止まると寝てしまいそうだった)ので
思い切ってアエロエクスプレス(特急空港発着列車)に乗った。

友人は空港から1時間ほど離れた場所に住んでおり
朝食を用意して待っていてくれた。

機内でほとんど何も食べられず寝られずだった私は
その優しさだけで涙が出そうになったし、
ありがたく全部綺麗に平らげた。

友人には日本で見つけた本を購入していた。
それは日本の絶景スポットの写真がたくさん載っている本で
今日本に行くことが難しい彼女にとって
少しでも癒しになればいいなと思って持ってきたものだった。

彼女は本を手に取り、
ああまた早く日本に行きたいなあとつぶやいていた。

その姿を見てなんだかわたしもつらくなった。

これまで彼女は日本とロシアの懸け橋になろうと
いろいろなイベントに参加し活躍してきた。

世界にはわたしたちの知らないことがたくさんある。
ロシアも例に漏れず、
バレエやボルシチやサーカスやチェブラーシカ以外に
日本人が知らないけど、
知ったらきっと面白いと思えるようなものが本当にたくさんある。

彼女自身、そんなロシアの面白い一面を
大好きな日本に紹介していわゆる「おそロシア」のイメージを
少しでも払しょくしたいと思っていた人間だったから
今回の件ですごくすごく疲れてしまったように見えた。

なんだかやるせない気持ちになった。

4.ハバロフスクへ


彼女の家を辞した後、
またもやアエロエクスプレスに乗って空港まで向かった。

その日のモスクワは春なのに肌寒く小雨も降っていた。

そんな中半袖で電車を待っていた私に
見ず知らずのおばちゃんが
「風邪ひくよ!あったかい恰好しなさい」
と声をかけてくれて、
ああ初めて訪れた時から
この国の人々の面倒見の良さは変わらんなぁと心に沁みた。

モスクワを出発したのは夕方だったので、
ハバロに着くまでの7時間、
わたしは絶対に寝てやると決め込んでいた。

が、眠れない。
いわゆるランナーズハイだ。
もはや眠いを通り越して目がギンギンに冴えてしまっていた。

とにかく休まねば。。。
そう思って席を倒して目をつむっていた。

にもかかわらず
通路を挟んだ向かいのお姉さん(たぶんタジキスタン人)が
やたらと話しかけたそうにこちらを見つめてくるので
視線が辛く
ひたすら事前にダウンロードしてきたキューブリック作品を見通したという。

不眠不休の体に鞭を打つかのように
選んだ作品は「時計仕掛けのオレンジ」。

自分でもアホかと今なら思えるけど
あの時それを選ぶくらいには頭が働いていなかったということか。

いつの間にか寝落ちしており、
ふと目が覚めたら見慣れた景色が眼下に広がっていた。

いよいよ極東に帰って来たのだ。

無事に飛行機が着陸した時、
乗客が拍手しているのを眺めながら
今回は私も心から拍手したい気持ちになった。

まずはここまで連れてきてくれたパイロットさんたちに。
それから夜通し乗客の相手をしてくれるCAさんたちに。
そして自分自身に。

よく頑張ったよ3日間。
ほぼ寝ずに食わずにぱっぱらぱーな頭で耐えた自分。

いろいろ心配することもあったけど。
(ていうか心配事しかなかった)

とりあえず空港で荷物を受け取り、
迎えに来てくれた同僚の見知った顔を見つけたときに
その場で泣いてしまったことはここだけの話にしておこう。

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