【大人ですが何か?】趣味はアニメ鑑賞

アニメは日本が世界に誇るカルチャーやで。

よくアニメを見ます、と言うと「え・27にもなって?」なんて半笑いで返されることがある。私の場合、アニメに限らず作品と名の付く映像は、基本何でも見るのだけれど、なんだか大人が見る番組としてはアニメはふさわしくない、と思っている人間がこの世にはそれなりにいるようだ。

実は私は根っからのアニメ好きというわけではなくて、むしろ疎遠な方だったとも言える。
実家にTVはあったけど、常に点いているわけではなかったし、家族もそんなにTVが好きな方ではなかったからか、アニメどころか流行の芸能人すら知らなかった。

アニメもせいぜいドラえもんとか、クレヨンしんちゃんとかぐらいしか見たことがなかった(もちろんこれも小学生くらいまでの話だったから中学では完全にTV見ない人認定されていた)。

面白いアニメを勧められて初めて録画して見始める、という子どもでもあったからリアルタイムで同級生と昨日の回の話はできなかったし、しかも途中から見るから内容もよくわかんなくて途中で飽きて見なくなるのがオチだった。

そんな私が今となってはそれなりにアニメを見ていて、何ならヒロアカの原画展にまで行ったのはどういうわけか。

実は私の人生のこんなとこにもロシア人が一枚嚙んでいるんだよっていうのが今日の話。

人生初のホームステイ。

大学1回生の時、ロシア人の女の子の受け入れをした。

ある日、彼女と同じタイミングで別の家にホームステイしていたロシア人の男の子・アンドレイと会話する機会があった。
アンドレイは全く日本語がしゃべれなかったけど、日本文化が好きで、とりわけアニメが大好きな子だった。

日本語が話せないアンドレイとどうやって会話しよう、そもそも話題はどうしよう…と思っていたところ、彼に「囲碁はできる?」と聞かれた。
私は素直に「できない」と答えた。

じゃあ剣道は?お茶は?着付けは?お花は?将棋は?…
そのいずれの質問に対しても私は「できない」と答えるしかなかった。
だって本当にできなかったし。

最後にアンドレイに「じゃあ、日本文化に関わることは何もできないんだ、日本人なのに」みたいなことを言われて、いや事実なんだけど、と思いつつものすごく腹が立ったのをよく覚えてる。

別にこの現代の日本で着付けが出来ようが生け花が出来ようが、飯は食われへんやないか。なんやお前、じゃあボルシチ作れんのかよ、と言い返したかったけど、当時のロシア語のレベルが低すぎて何も言えずに黙り込むしかなかった(笑)

#日本文化とは

でもいろいろ聞かれた中で一つだけ、引っかかるものがあった。
それは「アニメは何を見たか?」という質問。

そんなん、ドラえもんくらいしか選択肢がなかったし、ぶっちゃけこんなの大人の会話じゃなくない?(当時の私:20歳、アンドレイ:25歳)と思っていたので、思わず「何でアニメ?全然見ないけど」と言ってしまった。

するとアンドレイはびっくりしたような顔をして、「だってアニメは日本が世界に誇るカルチャーでしょ?どうして興味ないの?」と訊いてきた。

さっきまでザ・ジャパニーズカルチャーを何も知らないの何で?(゜-゜)の応酬に苦しめられていた私やったけど、なんか一気に怒りも消し飛んで逆に興味がわいてこう聞いた。「アンドレイはアニメが好きなの?」と。

すると彼は本当に嬉しそうにニコニコしながら「当たり前じゃん!銀魂もナルトもワンピースも全部見てるよ」と言った。

今となってはこのへん(だいたいジャンプ系が多いかも)のアニメを見ました、と外国人に言われてもびっくりはしないものの、当時の私は「日本のアニメまで知ってるって、こいつどんだけ日本オタクなんだよ」と思っていたくらいだった。

家に帰って再びアンドレイに言われた、「お前日本のこと何も知らないじゃん🤪(←そこまで言ってない)」を思い出して一人で静かに怒りながら、否定できない自分に腹を立てつつ、確かに何か一つは知っておいた方が良いかもしれないと思い、選んだ。

一番とっつきやすそうなアニメを。

アニメから学ぶ日本文化

理由は一番コスパの良い日本文化っぽかったから。

まずもって大学一回生に習い事に行けるだけのお金があるわけがない。
バイトしたって、友達と月に3回遊びに行けば全部吹っ飛ぶレベル。
そもそも平日は毎日学校に行っているのにバイトがたくさん入れられるはずもなかった。
携帯代も払ってたし、当時の大阪の最低賃金は今とは比べ物にならないくらい低かった。
平たく言えば、日本文化習得にかけられる時間とお金が全然なかった。

そんなこんなで当時親がアマプラに加入していたのをいいことに、日本文化の習得という名目で私はアニメを見始めた。

アニメを見始めてすぐに気づいた、確かに日本のアニメは自慢できるものだと。
リアルな作画や矛盾のないシナリオ、滑らかな映像に迫力のある技術力…。どれも世界最高水準だと思わざるを得ないような出来だった。

そして改めてなぜこれが文化と呼ばれるのかちょっと考えてみた。
文化とは特定の場所で培われてきた/そこでしか持たない独自のもののことを指すと思う。
その意味では他では見られない、日本のアニメのクオリティの高さは文化と呼んで相違ないなと実感した。

試しに海外のアニメを見てみた。
選んだ作品が良くなかったのかもしれないし、
自分の中でアニメとはこうあるべきだみたいな哲学が出来上がっていたのかもしれないけど、
ぶっちゃけ続けて見たいかと言われれば怪しい、そんな出来のものばかりだったように思う。

もちろん日本のアニメにだって、批判されるところはあると思う(そりゃ人間がかかわると絶対どっかしら詰められる部分はあると思う)けど、少なくとも続きが見たいと思う作品が総じて多い気がする。

その理由は内容の面白さだったり、映像の綺麗さだったりいろいろあるわけやけど、いずれにせよまた見たいと思わされる気持ちは湧くわけで。
たぶんこういうところに「日本のアニメはすごい!」があるのかなぁと雑な考察をしてみた。

まとめ

あの日のアンドレイのあの一言がなかったら、今の私のアニメの知識は「ドラえもん」止まりだっただろうし、ましてや日本文化の「に」の字も知らずに死んでたかもしれない。
そういう意味では彼に感謝しなければいけないなと思う、日曜日の昼下がり。

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