猪苗代のアートフェスティバルツアーに参加して
先日、福島県猪苗代で開かれたWall Art Festival in 猪苗代(2022)に参加した。
福島は初上陸だった。丸1日かけて猪苗代中に点在するウォールアートを一挙に見る事ができるバスツアーが用意されており、今回はそれに参加することになった。
アートにそこまで知見がない私がウォールアートを見て感じたこと、猪苗代に行って感じたことを書いていけたらと思う。
初日:猪苗代という地域
猪苗代到着して、私が最初に目にしたのは大きくそびえ立つ磐梯山だった。まさに猪苗代のアイデンティティでもある。紅葉の木々に覆われ、山や自然を鑑賞するのに適した時期に来る事ができた。
猪苗代の第2のアイデンティティは猪苗代湖だ。湖畔から眺める湖はまるで海のように広大だった。私が宿泊したのは湖畔に位置する旅館であったため、部屋からはその猪苗代湖が一望できた。
こんなところで開催されるアートフェスティバル。私は次の日のツアーを楽しみにぐっすり眠る事ができた。
二日目:アートフェスティバルを通じて感じた事
朝から猪苗代高校に集まってアートを巡るバスツアーが始まった。ボランティアで地元の野球部らしき元気で礼儀正しい高校生も参加し、車椅子で参加されている方のお手伝いをしている微笑ましい光景も目にした。
どうやらこのフェスティバルは地域の学校や自治体の協力得て5年前から毎年行われているらしい。事前に訪れたアーティストたちによって、施設の壁や閉校が決まっている学校の教室の壁に描かれた絵が存在した。
素敵な絵を少し紹介しよう。
どれも実際にみると素敵な絵ばかりだった。インドやドイツなどの海外からのアーティストも訪れていたり、磐梯山をモチーフにした絵であったりと多種多様で地域のこともよく知る事ができるウォールアートだった。
何より、実行委員も務めるガイドの方の熱心で丁寧な説明にグッと心を掴まれた。
訪れた小学校や中学校の中にはいくつか統合が決まって廃校になってしまったものがあった。まだまだ使えそうな校舎が描かれている絵ごとなくなってしまうのは少し悲しいことだが、ガイドの方は「なくなってしまう校舎である事感じてもらいながら見てもらいたいと思います。」と語っていた。
失くなってしまうからこそ、「今そこに存在する絵」が新たな価値を持つのではないかと彼の言葉を聞いて感じた。
絵の話とは別になるが、少子化の問題は都会に住むことよりも深刻に可視化される。小学校が次から次へと閉校になることは猪苗代だけの話ではないだろう。少年時代の思い出になる学校が丸ごと失くなってしまうことは苦しいことだ。廊下を走って先生に怒られた思い出、良い作文を書いて褒めてもらう思い出の場所がなくなってしまうことは本当に悲しい。
今回のアートフェスは、猪苗代という地域の魅力、そして日本社会の問題を美しいアートイベントを通じて教えてくれた。大げさかもしれないが、少なくとも私にはそう映った。今後、このように地域を盛り上げるイベントがあれば積極的に参加したいと思うようになった。