タイトルが決まらない、辛い。#06
「農場から食卓へ」
この案を出したTOMOMIさんは、私からタイトル案が出てくるのを待ち、審査員役となっていた。
分からない。私には彼女の求めるものが分からない。
私は、言語化能力が低く、ダサいタイトルしか浮かばない自分のことがだんだん嫌になる。そして、タイトル地獄を終わらせ、なんでも良いから早く決めてしまいたいと思うようになる。
そのためには、もっと良いタイトルを考えなければ。思考しなければ。辞書を読み漁り、ネーミング辞書なるものを買った。
しかし、何を出してもいいタイトルにならない。
ネーミング辞書なんてなんの役にも立たなかった。
これ好き!これ嫌い!のTOMOMI
「横文字カッコいい!でも網走はひらがながいい。」「地域性は出したくないが、地域で一番になりたい!」「食を入れたいが、食に関する免許はないので食の話は深くしたくない。」「専門的な話はできないが、プライベートな雑談もしたくない。」
かといって、TOMOMIさんは、パートから脱出する話をあまりしなかった。そしてプライベートの話はしたくないと言いつつ、プライベートの話をしまくる。悩ましい。
「テルマ&ルイーズだって、タイトル見ただけじゃ分からない。だから別にコンセプトとか気にしないで良いのではないか。」とも言われる。言われてみれば確かにそうだが、それは中身がしっかりしているからできる芸当だと思う私もいる…。
彼女の思考と嗜好が分からない。大苦戦だ。
言葉は惜しみ惜しみ使うCHIE
わたしは小学生の頃から、及第点をとれる人間だった。こんな却下され否定され苦戦した経験はない。
それでも負けずに案を出し続ける。
これは、あとで分かったことだが、あのときの好き嫌いには、そこまで深い意味は無かったようだ。逆に、私はいつも考えすぎなのだ。
カタカナ、ひらがな、漢字、旧漢字、常用漢字、文字数、音の意味、韻や音のはね方、句読点、言葉の歴史的背景など、
文字を扱うとき、私は多くの要素を考える。言葉は惜しみ惜しみ使うべし。大学院の時にそう叩き込まれた。それは今も活きている。
私は考えすぎる人間らしい。
タイトルかぶる問題
TOMOMIさんにも苦戦したが、それより、ポッドキャスト番組の多さの方が苦戦した。
私はコンセプトが明確でわかりやすいタイトルを好むが、そうすると何かしらのタイトルとかぶる。私の嗜好に合わせると、被らないタイトルを考えるのが大変難しい。
それでも考えなければ進まない。もっと考えろ!私!
続 タイトル候補全集②
■食品オタクと農家の嫁の・・・パターン
・北のはしっこトーク
・アバシリPodcast
・アバシリ・オニアザミ
・北海道のはしっこトーク
・大根は踊る
■食ヲタさんと農家の嫁さん・・・パターン
・はかく語りき
・ヒストリー
・談話室
・あばしりラジオ
・あばしりトーク
・パーポスラジオ
・アバトーーク!
■「あば」〇〇パターン
これは発明だ。
地域色は出したくないが、地域で認められるために、地域を出したい。この最大の矛盾が難しかったが、ひらめいた。
アバ〇〇にすれば良いのではないか。縁のない人には分からない。しかし分かる人には分かる。
■「あば」の意味を列挙する
・あばしり
・暴れる
・『あばばばば』芥川龍之介の小説
・アバンチュール
・暴れん坊
・あばら骨
・暴く
・アバンギャルド
■食ヲタと農家の嫁のアバトーーク!
これだ、これでいい、これでようやくタイトル無限思考から開放される…。
食のヲタクと言えば、職業らしさが消える。ヲタクに資格はいらない。農家の嫁なら学問系も和らいで硬さが軽減されるだろう。そして、〇〇トーーク!なら、たとえ被ろうとも、それは全員、某テレビ番組のタイトルを模しているのだから、文句の言われようがない。誰とも被らないタイトルを考えることは不可能だと諦め、あえて被せにいく。
なんて賢んだ、ワタシ。
このように、数々の難しい条件を突破し、言葉のパズルを制した!
当時は難事件を解決したかのように歓喜に湧いていたが、現在こうやって書きまとめ、冷静になって考えると、すべての選択が消去法だったと後悔している。
TOMOMIさんから、周囲の配信者から、なるべく文句を言われないようにタイトルを考えた。そこに私の好みなど一切ない。だから愛着もない。この点はすこし反省点だ。まあ、愛着というものはあとからつくものだ。あまり深く考えないでいいだろう。
余談だが、テレビ番組のタイトルを考えていらっしゃる方に、全力で尊敬の眼差しを向けることとなったのは言うまでもない。
智慧