合わないふたり。#26
番組タイトルを変えたものの…
コンセプトが揺れ動く
私たちは、番組のタイトルを変えた。
それは、私がポスドクと名乗るのに辛くなってしまったことが大きい。
「ポスドク」という名前から逃げるようにタイトルを変更したため、コンセプトがあやふやとなってしまった。
食と農について話すふたり
我々は食と農について、話したいという希望があった。その結果どうなったかは以前書いたので、#20を読んでほしい。
大改造をしようと試みた。
食について番組を作るなら
まず、食のオタクTOMOMIに合いそうな番組の雰囲気というのは、どういうイメージで作ればいいだろう。
趣味は食べること!と言っているTOMOMIさんだ。食の知識も豊富。楽しく美味しそうな番組がいい。
・食卓を囲むようなイメージ
・スーパーで美味しそうなものを選んでいるイメージ
・美味しいご飯を作っているイメージ
いずれにしても、生活に馴染むような、ワイワイ話して、さらっと聞き流すような番組が良いだろう。
農について番組を作るなら
私CHIEは農学系の博士号を持っている。そして、農家の嫁だ。
もし私が中心となる番組ならどうなるだろうか。
・農学をガッツリ解説する社会科学系
・これからの農業経営を考える議論系
・働きながら悩みながら農作業をしているイメージ
農学の知識や、農業経営について深く考えるような、まじめにガッツリ話す番組が良いだろう。
ふたりの個性がぶつかる
以上のように、ふたりのキャリアが全く異なるため、得意分野やそれぞれに合う番組構成が異なってくる。
TOMOMIさんメインだと、明るく楽しい雰囲気になり、
CHIEメインだと、お堅くまじめな雰囲気になってしまう。
最初は交互に話して、配信ごとにカバーアートで情報を補えばいいと思っていた。しかし、個性が異なりすぎる。お互いに足を引っ張っているような気がする。
バラついてきた番組を立て直すべく、番組大改造を試みることとなった。
そもそも「バラつく」って何?
例えば、農学系博士CHIEが『狼と香辛料』の農学解説をしたことがある。
TOMOMIさんが良い質問をしてくれた。
「大麦と小麦の違いって何?」
この質問に、脳内が農業経営学でいっぱいになっている私は、どう答えたか。
「種をまく時期が違う」と答えた。
おそらく、食べるの大好きTOMOMIさんの質問の意図は、
「大麦と小麦、どのように違う食べ方をしているの?」
と聞きたかったのだろう。
意思疎通ができず、その時の質問は私のズレた回答で流れた。
そして、TOMOMIさんは違う話の流れを見つけて、小麦と大麦の食の違いについて話してくれた。
このように、我々の番組では、会話や質問の意思疎通がズレることがよくある。その分、話が長くなるし、全カットになることもあるため、編集も大変になる。
リスナーも聴きづらいだろうと思った。
だったら、メインパーソナリティをどちらかに全振りして、あばトークという番組を、食か農どちらかに決めようと考えた。
メインを固定しよう!
足を引っ張り合うくらいなら、メインを固定しよう。
しかし、お互いに譲り合うふたり。
「博士を活かした方が説得力があるよ!」
と、食オタのTOMOMIは譲る。
「いやいや、こんなコアな内容響く人少ないよ!人は皆、食べるんだから食にしたほうが良いよ!」と、農家の嫁CHIEは譲る。
はて困った。
そして、今の状況を振り返る。
今の状況
・1時間超えの収録の編集がしんどい。
・ポスドクとして話す必要がなくなった。
メインは、〇〇に決めた!
・尺が短く、さっくり話せそうなのは食
・私CHIEも、食の方向に合わせにいける!
以上をふまえ、10月8日に配信した28話から「食」のTOMOMIへメインパーソナリティを全振りしよう!と決めた。
私はPodcast編集者として頑張ろう。
裏方として頑張っていこう!
TOMOMIさんの豊富な食の知識と、楽しそうに喋る番組に路線変更しようと、私たちは決意した。
智慧