「ゼロ・ポイント・フィールド」を科学すると、 <中今>が見えてくる、そしてNLB(非局在脳)(ノンローカル・ブレイン)が見えてくる。〈前編〉
執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰
さて、今回のお話は、ゼロ・ポイント・フィールドですが、この言葉は七沢先生の<はふりめく>にもたびたび登場する、とても重要なキーワードであることは間違いありません。そこでちょっとチャレンジという意味で、この「ゼロ・ポイント・フィールドを科学する」を、パローレで取り上げてみたいと思います。
しかし、いかんせんこのキーワードは、それこそ量子力学の根本を成す難解なテーマでもあります。上手く説明できるかできないかは、神まかせ、というわけにはいきませんが、なんとか科学の言葉で紐解いてみたいと思います。それでは、始まりです。
まずは ”ゼロ・ポイント・フィールド” という言葉を分解してみたいと思います。
参考文献①
「フィールド 響き合う生命・意識・宇宙」インターシフト/リン・マクタガード 著
1)<ゼロ>:これは文字通り<ゼロ>の意味です。一つには熱エネルギーが<ゼロ>ということです。科学の言葉では、この<ゼロ>は絶対ゼロ度と定義され、絶対温度=マイナス273・15度と決められています。この宇宙において、この絶対温度の元では、いかなる物質もすべての熱エネルギーを失ってしまいます。そしてもう一つの<ゼロ>が、質量が<ゼロ>。質量が<ゼロ>ということ、物質的なるものが存在しないとうことです。温度が<ゼロ>で、物質の存在が<ゼロ>。これがゼロ・ポイント・フィールドの<ゼロ>が意味していることです。
続いては、
2)ポイント:これは文字通り<点>のことです。<点>は位置を決めるだけで、大きさをもっていません。無限小の拡がりから無限大の拡がりまでをあらわすことができるのです。
そして、
3)フィールド:これは<場>を意味しています。<場>と書くと、とてもシンプルな意味に見えますが、じつはこの<場>の説明が、ゼロ・ポイント・フィールドの説明の「キモ」なのです。
まずは簡単に定義します。“<場>とは、至るところに存在し、あらゆる物理現象の担い手となるものである”。うーん、ちょっとわかりにくいですよね。で、ザックリいきます。
参考文献②
「真空のからくり」ブルーバックス/ 山田克哉 著
<場>とは、全宇宙にわたってあまねく拡がる<真空の場>ということにしておきます。もちろん宇宙空間には、無数の原子や分子が存在しています。そして、その原子の内部や、原子と原子の間、さらには、分子と分子の間にも<真空の場>が存在しているというのです。ですから、ゼロ・ポイント・フィールドとは、熱エネルギーと物質の存在がゼロの状態の<真空の場>が、全宇宙、そして原子内部、原子と原子の間、分子と分子の間、とあらゆる空間にあまねく拡がっているということを意味しているのです。なんのこっちゃ、ですね。<中今>と<NLB(非局在脳)>の関係まで、なかなか話を持っていけません。でもここはもう少し続けていきます。
この宇宙のすべては、ゼロ・ポイント・フィールドから生まれた。
じつはこの<真空の場>、つまりゼロ・ポイント・フィールドが決して空っぽの<真空の場>ではなく、この宇宙のすべてはゼロ・ポイント・フィールドから生まれたということが20世紀に入って明らかになってきたのでした。
ゼロ・ポイント・フィールドの至るところで、多数の粒子が頻繁に出没しているというのです。
そして、このゼロ・ポイント・フィールドには、発生源のないエネルギーが取り残されてしまうというのです。何が取り残されるのか。たとえば宇宙創生以来、銀河宇宙、余剰次元宇宙、地球大気圏内外で発生した森羅万象の生成情報のすべてを搬送波・信号波として発信し続けてきた電磁波エネルギー(光エネルギー※2)がゼロ・ポイント・フィールドに取り残されるというのです。ゼロ・ポイント・フィールドは温度が絶対ゼロ度の場ですから、電磁波エネルギーはエネルギーを減衰し続け、やがて電磁波エネルギーが存在しなくなります。
申し訳ない、ここらへんは難しい。心折れずに、突き進んでください。 で、続けます。ところがアルバート・アインシュタインとオットー・シュテルンは1913年に、すべてのエネルギーを放出しきってしまった電磁波エネルギーが、ゼロ・ポイント・フィールドに取り残されることを示す「ゼロ点振動エネルギー:(hν/2)」を組み込んだ数式を発見したのです。<En=nhν+(hν/2)>いう数式です。左辺のEnは電磁波エネルギーの強さ(n)をあらわします。hはプランク係数です。νは振動数です。この数式の左辺のEnのエネルギーがゼロになるのですから、E0となって右辺<nhν→0hν→ゼロ>が消えてしまいますが「ゼロ点振動エネルギー:(hν/2)」は残ります。
つまり<E0=0hν+(hν/2)→(hν/2)>となります。なんか鼻につつまれたような話しですが、本当の話です。ゼロ・ポイント・フィールドには「ゼロ点振動エネルギー:(hν/2)」が無限数個取り残されているというのです。この(hν//2)の値は光子1個の持つエネルギーの半分です。光子は整数倍でしか増減しませんから、エネルギーが1/2の光子というものは存在しません。ですから仮想光子と呼ばれています。ゼロ・ポイント・フィールドには、観測不可能な仮想光子が無限数個取り残されているというのです。
※2.光エネルギー:光の波長に相当する電磁波のエネルギーで、周波数により速度は変わるが、約30万km/秒の光速さで空間を伝わる。
参考文献③
「素粒子論はなぜわかりにくいのか」技術評論社/ 吉田伸夫 著
しかも、このゼロ・ポイント・フィールドにおいては、この仮想光子が10-23秒という瞬間に、エネルギーを貰って(hν)の光子としてパッとあらわれ、10-23秒という瞬間にパッと(hν/2)の仮想光子としてゼロ・ポイント・フィールドの深層に消えていくという、いわゆる対生成・対消滅を繰り返しているというのです。10-23秒という瞬く間の出来事ですから、その明滅が人間の目に感じられるはずはありません。ゼロ・ポイント・フィールドには、観測不可能な光が充満していることになります。
ゼロ・ポイント・フィールドとは、このように実に複雑きわまりない奇妙な空間なのですが、このような現象が、全宇宙はもちろん、私たちに目の周りに存在する原子内部、原子と原子の間、分子と分子の間、とあらゆる空間で起こっているのです。(続く)
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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
1990年、株式会社 JCN研究所を設立
1993年、株式会社CSK関連会社
日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
マーケティング顧問契約を締結
※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。
◎〈作成論文&レポート〉
・「マトリックス・マネージメント」
・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
・「コンピュータの中の日本語」
・「新・遺伝的アルゴリズム論」
・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
・「人間と夢」 等
◎〈開発システム〉
・コンピュータにおける日本語処理機能としての
カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
・TAO時計装置
◎〈出願特許〉
・「カナ漢字自動置換システム」
・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
計測表示できるTAO時計装置」
・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等
◎〈取得特許〉
「TAO時計装置」(米国特許)、
「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等
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