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【朗読】禅の教えから今学ぶべきこと〜4月21日 はふりめく〜

講 話:一般社団法人 白川学館代表理事 七沢賢治 要約編集:Parole編集部 文責 大野靖志
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Q.
私たちは今、日々やるべきことを粛々と進めている。ただ今はふつうの日常=平時ではなく、まさに「戦時」を生きているといってもいい。そのような状況のなかで、どのような意識をもって業務にあたればよいのか。戦時における仕事の心がまえについてお伺いしたい。

A.
禅の世界では昔から「平常心」といって、「どんなに困ったこと、苦しいことがあっても、いつもと同じように生きる」という言葉(教え)がある。ふつうの日常において平常心でいることは当たり前であるが、そうではなく今回の非常時のように、突然の混乱が起こったり災禍が身に降りかかってきた時、いかに振る舞い、いかに生きるか?といったことが大きく問われてくるのである。

そういった意味では今、我々がこうして皆で集まって毎朝祓いをあげたり、日々粛々と業務に取り組むことができているのは、よきことであろう。

ただその背景には、これまで20年間くらい時間をかけて、しかるべき時、いつでも即座に対応できるよう、準備をおこなってきたという経緯があるということも忘れてはならない。我々はいつ、何が起きてもおかしくないという状況を常に想定しながら自分たちに今できること、またやるべきことをしっかりとおこなってきたからである。

キリスト教には「終末思想」があるが、そのキリスト教を信仰する国や社会では今の時代がまさに終末にあたるといって、来るべき国難に対して警鐘を鳴らしながらも、同時に救済が起こるような準備をしてきたという経緯もあろう。そのような長い歴史の時間軸のなかで文明の転換期というものを捉えてみると日本では今、縄文始まって以来ちょうど3,000年というきわめて重要な転換点を迎えており、大変革が起こらざるを得ない時期に生きている、といえる。

そのようななかで今、心が悲鳴をあげ、折れそうになってしまいそうな方々は世界中にたくさんおられると思う。

しかし我々は、そういう方々を単に力づけるだけでなく「どう乗り切るのか」といった方法論を具体的に提示し、またそれを実践的なレベルまでしっかりと落とし込んでお伝えしていかなければならないと考えている。そのような意味でも、祝詞構文やこれから始まるGコードは重要で、こうした苦難を打破するための方策の、まさに代表格となろう。

繰り返しになるが、今我々は人類の長い歴史のなかでも重要な、大きな転換点を迎えていることは間違いない。しかしながら、このような”時”を選んで生まれてきたということは、それ相応の使命があるといえるのだ。だからこそ、「この時代に生まれた一つの役割」として、自ら受けて立つという強い覚悟と、この時代を生き抜くための決意が必要なのである。

「自分は今、なぜこんなにも苦しいのだろう。なぜこんなことになってしまったのだろう」といった負の感情にとらわれ、利己的な個人主義に陥ったり自暴自棄になってしまうのではなく、この困難な時にこそ人類の意識進化が起こる、パラダイムシフトの転換点に生きていることをしっかりと認識した上で、そこから得られる恩恵の方にこそ目を向けて、覚悟をもって生きていくことが大切である。

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【七沢賢治プロフィール】
1947年 山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒業。大正大学大学院文学研究科博士課程修了。伝統医療研究、哲学研究、知識の模式化を土台とした情報処理システムの開発者、宗教学研究者。
言語エネルギーのデジタル化による次世代システムの開発に携わる一方、平安中期より幕末まで白川伯王家によって執り行われた宮中祭祀や神祇文化継承のための研究機関である一般社団法人白川学館を再建。現在、同学館代表理事、株式会社ラボラトリオ 代表取締役などを務めている。
『なぜ、日本人はうまくいくのか? 日本語と日本文化に内在された知識模式化技術』(文芸社)、『神道から観たヘブライ研究三部書』(小笠原孝次著/七沢賢治監修)、『龍宮の乙姫と浦島太郎』(小笠原孝次・七沢賢治共著)など、監修書・著書多数。

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