この宇宙はプラズマでできている vol.018
執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰
3.9.ビッグバン宇宙は「宇宙の晴れ上がり」時点で、その役割を終えた
この項は、和田純夫氏が著された「宇宙創生から人類誕生までの自然史」から引用してみたいと思います。説明がややこしいのですが、登場する数字に注目していただきたいのです。この後に言及する「言霊百神」の「創造の序曲」、「大行(父母音の産霊)」ときわめて類比性があるのです。では、引用を始めます。
水素やヘリウム以外の重い原子の生成がビッグバン宇宙(宇宙が晴れ上がるまでの38万年間)で行われなかったのには、2つの理由があります。第1はヘリウム4(※1)の結合が強かったからでした。第2は、ビッグバン宇宙がどんどん膨張を続け、温度が下がり、原子核同士が激しく衝突する機会がほとんど無くなってしまったからでした。
ビッグバン宇宙では、ヘリウム4の存在によって、質量8(※2)のベリウムをつくることができないのです。仮に質量8のベリウムができてもヘリウム4によってすぐに分解されてしまいます。ですから、ビッグバン宇宙では、原子の生成はヘリウム生成で止まってしまい、それ以上の原子、たとえばホウ素や窒素や炭素や酸素などの重い原子の生成を行うことができなかったのです。これを【質量数8の壁】と呼んでいます。
※1. ヘリウム4:この4は原子量、または質量数をあらわしています。元素番号(原子番号)の2のヘリウムは、質量数が4で、陽子2個、中性子2個(質量数4-陽子数2=中性子2個)からなる原子です。
※2. 質量8:陽子4個、中性子8個からなるベリリウム原子のことです。質量8のベリリウム原子をつくることができないために、ベリリウムが壁(数億年の年月の壁)になって、ベリリウム以降のホウ素、窒素、炭素、酸素などの重い原子をつくることができないのです。
ビッグバン宇宙の役割は、私たちの宇宙森羅万象を創造するために必要な重い原子をつくるための準備段階として、軽い原子を生成するための枠組み、クォークからなる陽子、中性子、中間子を生成し、原子核を構築することだったといえます。
宇宙で重い原子の生成が開始されるのは、「宇宙の晴れ上がり」時点から数えて数億年(2~3億年ぐらいといわれている)の経過を待たなければなりませんでした。数億年待たなければ星や銀河が宇宙に輝く天体創造の歴史が始まらなかったのでした。それまでは、水素とヘリウムなどの原子ガスが斑状に漂う空間を光(電磁波)とニュートリノが飛び回っている宇宙なのです。星や銀河などの天体がまったく存在しない宇宙なのです。「暗黒時代」の宇宙とも呼ばれています。
しかし、この「軽い原子のみが存在する宇宙の時代=暗黒時代」の存在は、じつはこの宇宙に地球が誕生し人類が登場するための絶対的な条件だったのです。自然界の奇跡だったのです。奇跡のお話は後述します。お楽しみにしてください。
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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
1990年、株式会社 JCN研究所を設立
1993年、株式会社CSK関連会社
日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
マーケティング顧問契約を締結
※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。
◎<作成論文&レポート>:
・「マトリックス・マネージメント」
・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
・「コンピュータの中の日本語」
・「新・遺伝的アルゴリズム論」
・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
・「人間と夢」 等
◎<開発システム>
・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
JCN<愛(ai)>
・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
・TAO時計装置
◎<出願特許>
・「カナ漢字自動置換システム」
・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
計測表示できるTAO時計装置」
・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等
◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等