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この宇宙はプラズマでできている vol.019

執筆:ラボラトリオ研究員  杉山 彰

3.10.「ヘリウム4」と「質量数8の壁」の事象と類比する言霊百神の記述

ここで科学のお話しから、古事記、そして古事記の解義書である「言霊百神」、「言霊精義」のお話しに相転移したいと思います。科学が語る「17」と言霊百神が語る「17」の類比性への相転移です。

いうまでもなく、科学が語る「17」は、森羅万象の実体を創造するために17の素粒子が、どのようなプロセスを経て原子を創りあげていくかというストーリーでした。

一方、「言霊百神」が語る「17」は、森羅万象の実体に名前を与えるために17の父母音が、どのようなプロセスを経て言葉、名前を創りあげていくかというストーリーでした。さわりの部分を「言霊百神」再び引用(『言霊百神』42頁)してみます。

「天津神諸の命」の修理固成の命令はその天津神そのものである先天、天名(あな)に基(もと)づいて、宇宙間のすべての要素の名を定め、その名の原理すなわち原理の言葉を以て万物を命名し、その原理ある言葉を指導原理として国家、社会、世界を組織し、建設し、経営せよと云う生命の命令である。名は万物の母であり、言葉が万物存在の根拠である。人間が創造する文明の実体は言葉であり、言葉として組織された世界が人間によって生み出された最初の国であり、文明の発展は言葉の発展である。

先天とは、17種類の父母音である天名(あな)のことであり、先天17言霊、天津神諸の命(あまつかみもろもろのみこと)ことです。つまり「先天17言霊を活用して宇宙の森羅万象を創造し、次いでその森羅万象を整理し活用して人間が住むに応わしい文明世界を建設せよ」と言うのです。

但し、ここで注意したいのは、「宇宙を創造するということは、太陽や星辰や、河海山野動植を作るということではなく、そうした物件自体(宇宙)を一体何者が作ったかと云うことは人間には不可知不可解に属することである。これを架空の観念の神なる者が作ったと仮定し、そう信じることは自由であるが、それはそれだけに止まることで真理にはならない。古事記は不可知不可解の内容を独断した観念の遊戯ではない」と、さらに記述されています。

なんだかわかったような、わからないような感じかもしれませんが、ここはひとつ「ウン、わかった」と直感してしまうことも、わかるための一つの方法です。というわけで、さらにだめ押し(『言霊百神』41頁)します。

人間が居なければ、人間でなければ言葉を発することも出来なければ、原理を自覚することも出来ない。人間は自己に契約された先天の全内容を確保し運転して森羅万象を認識し、みずから文明を創造する。これが命である。

ちなみに “命(みこと)とは、活動体としての人間である。神道における神と命の関係は、仏教における仏と菩薩(ぼさつ)と同じである” とも同じ頁に記述されています。

「ヘリウム4」と「質量数8の壁」の事象と類比する話しはどこに行ったのか。お待ちください。「ヘリウム4」と「質量数8の壁」の類比性は、天名(あな)17の父母音、先天17言霊の中に包摂されているのです。もちろん、これからのお話しは、あくまで類比的であるという観点からの記述です。

話しを本筋に戻します。まず、天名17の父母音についてお話しします。
「言霊百神」では、この天名17の父母音、先天17言霊についての記述は様々でいろいろあるのですが、ここではもっともわかりやすく明快な記述を引用(『言霊百神』48頁)します。

八父韻をもって四母音を掻きまわしてみること。そうすると子音が生まれてくる・・・四と八で三十二個の子音が出来る

科学では、ビッグバン宇宙は、天体創造の歴史が始まるまでの準備段階、つまり天体=星や銀河を作るために必要だった重い原子をつくりだすための準備段階として「ヘリウム4」と「質量数8の壁」が存在したと記述してあります。

そのためビッグバン宇宙での原子の創造は水素とヘリウムの軽い原子のみだったのでした。ホウ素や窒素や炭素などの重い原子を創造するためには、質量数8のベリリウムを創造することが不可欠でした。質量数8のベリリウムの創造(※1)が実現してはじめて森羅万象の創造に必要な原子のすべて(118種類の原子)の創造の準備が整うわけです。

「言霊百神」でも4母音と8父韻を掻きまわして32個の子音が生まれてくると記述されています。『世界維新への進発』(※2)284頁では以下のように記述されています。

三十二子音はアオウエ四母音と八父韻の産霊(むすび)によって生まれる。子音は現象の単元であり、物理学の原素(※3)に当る。この子音(原素)がさらに複雑に組み合わされて化合物、有機物である心象、物象、社会相、宇宙相のすべての森羅万象を現出し・・・

言葉の世界では、32個の子音は、科学の世界でいうところの原子に相当します。科学の世界では17の素粒子から森羅万象のすべてがつくられる。言葉の世界では、先天17の父母音をもって森羅万象の名前のすべてがつくられる。キーワードは、科学も言葉も、「17」と「4」と「8」でした。

※1.質量数8のベリウムの創造:質量数8のベリリウムとヘリウム4を素早く反応させて質量12の炭素を生成する。この仕組みは天文学者のフレッド・ホイルが預言。質量16の酸素や質量28の珪素など、宇宙に存在するすべての元素を生み出した核反応の出発点が「炭素」生成メカニズム、「ヘリウム4」と「ベリリウム8」の相互作用メカニズムであることが解明された。4母音と8父韻の相互作用によってすべての宇宙森羅万象が創造されるとする言霊学と、きわめて類比的である。
森羅万象の根源を成す「炭素化合物」生成メカニズムがあきらかになったことで、酸素、珪素、さらには宇宙に存在するすべての元素の生み出した核反応の出発点が「炭素」であることが確認されたの生成メカニズムが解明された。
※2.『世界維新への進発』:小笠原考次先生の著書。
※3.原素:『世界維新への進発』の本文中で記述されている原素は、物理学用語における元素と同定するものとする。なお、本レポートでは元素の用語を原子と併用している。元素と原子と原素は同義語である。


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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎<作成論文&レポート>:
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎<開発システム>
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
  JCN<愛(ai)>
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎<出願特許>
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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