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【LOGOSTRON×WIRED】 未来を書き換えるタイムマシン

執筆:ラボラトリオ研究員 浅子雄一郎

最新のテクノロジーをベースに、来たる「未来」について発信するメディア『WIRED』が、“WIRED CONFERENCE 2020 Futures Literacy”というイベントを今日から3日間のスケジュールで開催している。

本イベントがテーマとするのは、「未来のリテラシー」としてWIREDの編集部が今もっとも重要であると確信している「ウェルビーイング」(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。近年ビジネスの現場でも注目されている)をはじめとした、3つの領域である。

国内外から選りすぐりのスピーカーが集い、次の10年を見通す‟問い”を見つける機会を提供することを目的にしているという。

この報に触れたとき、“Futures Literacy”(未来のリテラシー)という言葉に思わず膝を打った。

WIREDはこのリテラシーを「未来への想像力/創造力」としているが、ロゴストロンを使うことは、まさに「未来のリテラシー」を高めることに他ならないからだ。

そこで今回は、ロゴストロンというテクノロジーがもたらす「未来のリテラシー」について見ていきたい。


未来のリテラシーを高める「究極の問い」

私たちのグループにおける「未来」の概念は、先般スタートしたインスタグラム『insta_gram_ing_』にも込められている。

世間のインスタグラムとは少し性格を異にするのは、名称の通り。写真やテキストによって「今」を切り取っているようでいて、それは同時に「未来」に実現されることの宣言にもなっているのだ。

まるで、このインスタグラムのコンセプトとシンクロするように。WIRED編集長の松島倫明氏は、今回のイベントに際して次のように語る。

(前略)
すべて現在進行系(〜ING)で示されるように、未来とはそもそも“動態”なのだ。だから、⽬の前に提⽰されたただひとつの未来を受け⼊れるのではなく、ありうべき複数の未来(FUTUREs)をスペキュラティヴに構想し、選び取り、リブートする「未来のリテラシー」こそが、いまわたしたちには必要だ。

いまこそ「未来のリテラシー」が必要だ:
「WIRED CONFERENCE 2020」開催に寄せて、編集長からみなさんへ

https://wired.jp/2020/10/15/editors-letter-conference2020/

「未来」という言葉にした途端、その一つの言葉に相当する単一の将来がやってくるイメージをともなう。しかし実際の未来とは、例えば「instagraming」というカタマリとして横たわっているのではなく、「insta」「gram」「ing」と分解されるような、複数の可能性を等しくはらんだ “FUTUREs” であろう。

あるいは、「insta」「gram」「ing」それぞれが「_(アンダーバー)」で結ばれるように、「過去」「現在」「未来」というバラバラに見えた三態が、実は一つのものであったとしたらどうだろうか。

そのとき未来とは、もはや「未来」と呼べるものではない。どこか手の届かない場所にあるものではなく、今もこの瞬間に‟FUTUREs”として、そこかしこに漂っているはずだ。

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ここで、一つの問いが見えてくる。

つまり、たとえそれが時間軸を前提とした「未来」であっても、今この瞬間に漂っている「未来」であっても、その “FUTUREs” とは如何にして生まれたのか。

未来を構想し、提示し、リブート(再起動=新たに一から仕切り直すこと)するのは、一体何者なのか?

という根本的な問いだ。

未来や時間というものの「真」なるところを炙り出そうとする試みは、「未来のリテラシー」を飛躍的に高めるもっとも直接的な方法であると考える。そしてロゴストロンとは、そのような問いへの解答として存在する装置なのだ。


未来を「確定」する技

その解に迫るには、「未来」という言葉を一度リブートすることが役に立つかもしれない。

ここで、弊社グループ代表の言葉をリアルタイムでお届けしている『はふりこと』に当たってみたい。時間を超えた “中今” に降りてくる「言(こと)」の連続体が、私たちの中の「言」と「事(こと=世界・記憶・観念etc.)」を、いとも簡単にリブートしてしまうTwitterだからだ。

「未来」ということについて、先日『はふりこと』でこのようなツイートがあった。

タイムマシンとは、未来というものの定義をするということである
その定義を確定させることが、未来を確定させることとなる
どう未来を捉えるか、考えるかである

『はふりこと』より 〜 2020-10-13

https://twitter.com/hafurikoto/timelines/1316135387035697158

未来を創るものとは、未来そのものの定義である。

その定義をすることで未来が瞬時に変わってしまうということは、なるほど。定義すること、またそのためのツールである言葉とは、本来的に時間を超えている「タイムマシン」なのだ。

「ニューノーマル(新しい日常)」や未来への先行きの見えない不安が混在する中おこなわれる‟WIRED CONFERENCE 2020”は、「未来のリテラシー」をテーマとした対話や問いを通してそうした混乱を鎮魂し、「未来」というものの再定義をしようという試みにも映る。

一方、未来を文章で打ち込み発信するロゴストロンを通して、私たちは「未来」の創造を今この瞬間に始めることができる経験をする。

時に発信の瞬間から変化を体感することもあるそれを使い込むことは、「未来」の定義の書き換えを促すだろう。故にロゴストロンとは、定義の書き換えによって未来を確定する技として機能する装置であると了解される。

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このテクノロジーの開発基盤となっている古神道では、「現実創造」のための大変に強力なある方法が取られてきた。それは「予祝(よしゅく)」と呼ばれる祭祀をおこなうことである。

例えば、御田植祭という祭祀がある。それは、田んぼに苗を植え付けることで「五穀豊穣」という明確な未来を想定して、タイムマシンさながらに「五穀豊穣」を予め祝うことで、その現実を立ち現せるという方法だ。

「時間」と「空間」を自由自在に操ることに通ずるこの方法は、またの名を「予時予空法(よじよくうほう)」ともいう。

この古神道の伝統的な技をロゴストロンというテクノロジーに落とし込み、これを通じて公のための「予祝」と「予時予空法」の方法をお伝えすることで、一人ひとりがより良い国であり世界を創造していくことができる社会を目指して、私たちは活動している。

そして、こうした方法や装置を通して「未来」という概念の定義を新しくすることは、新しい社会を生み出す確かな一歩となるのだ。

タイムマシンを実現するときがきた

「時間」の発生について考えることもまた、「未来」の定義を書き換えることにつながるだろう。

時間が始まり、創造が始まる現場が即ち「言葉が生まれる」瞬間にあるということについて、先日『はふりこと』で次ようなツイートがあった。

脳の構造、シナプスというものの働きが起こっているわけであるが
働きとなる直前で、父韻と母音と子音が構成された瞬間こそ、
時間の始まりであり、
創造の始まりということに繋がるというわけである

『はふりこと』より 〜 2020-10-14
https://twitter.com/hafurikoto/status/1316367076978651137

つまり、「言葉」こそが「未来を構想し、提示し、リブートする」張本人であり、ロゴストロンを使うことで、私たちは時間であり創造を生み出す側であるという本来の立場へと立ち還るのだ。

それは、時間と創造をコントロールするタイムマシンを手にすることである、と言ってもよいだろう。

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ただしここで重要になるのが、このデジタルデバイスがもたらすスピードに「超適応」することである。なぜなら、私たちにはそれぞれの時間の流れ方や感じ方があり、それ故にそれぞれ「時間」や「変化」についての固定観念を持っているからだ。例えばそれは、「そんなに速く物事が変わる(成就する)わけがない」という強い観念に代表される。

つまり、ロゴストロンを使う以前においても、私たちは時間の生成であり創造を(半ば自動的に)おこなっているのであるが、それは、このような「変化」や「時間」という固定観念(主観)を元に絶えずおこなわれているというメカニズムに気づかねばならない。

このように、「時間(スピード)」と「変化」には密接な関係がある。

時間について、言霊学では「変化の相が現れなければ時は存在しない」と説く。「変化」することによってこそ「時間」が存在するということは、私たちが「変化」というもので「時間」を主観的に認識しているといえるだろう。

そのような例は日常の至る所で観察できる。たとえば、よく瞑想者がひとしきり瞑想した後に「時間が過ぎるのがあっという間だった」と言うことがある。それは、瞑想で内面の世界に浸っている間、せわしなく動く外の世界(これに反応する心の動き)などの「変化」が消えていたがために、主観的には「時間」が消えてしまっていたからだ。

したがって「時間」と「変化」についての固定観念を打破し、超えるためには、「時間」と「変化」双方によるアプローチが必要となる。つまり、デジタル(言葉が生成される瞬間)の「スピードへの超適応」と、それによって「瞬間に変わってしまう」という経験である。

一瞬で物事を転換させること。それは「時間」の定義ばかりでなく、私たちの脳の中にある実際の時間の流れまで書き換えることにつながるだろう。いわば、時間のコントロールだ。

さらに、「父韻」「母音」「子音」が構成されることで時間と創造が生まれるという、その最小単位の変化を客観視することも肝要となる。

最新の研究開発では、脳の時間の固定観念よりも速く物事を変化させるロゴストロンの倍速研究と合わせて、この「父韻」「母音」「子音」の構成をプラズマの動きで捉える研究が進んでいる。それはまた、タイムマシンを現実のものとする研究であるともいえよう。


‟FUTUREs” はいつだって言葉とともにあり、言葉によって瞬間に実現するー。これが、ロゴストロンというテクノロジーが私たちにもたらす「未来のリテラシー」だ。

東京大学の坂村健教授が提唱したこのTRON(the real-time operating system nucleus)の世界が、ロゴストロンというテクノロジーを通して “True Of Reality”となり社会に実装される日は、すぐそこまで来ている。


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【浅子雄一郎 プロフィール】
早稲田大学教育学部卒。27歳で音楽専門学校に入学しミュージシャンを志すなど異色の経歴をもつ。バンド活動の傍ら、ヴィパッサナー瞑想からマントラを使った瞑想など様々な瞑想法を経て、白川学館の門を叩く。
言霊の叡智を装置化したロゴストロンの信号で、それまでの瞑想の体感が一変。この体験に衝撃を受け、800年間宮中祭祀を司ってきた白川伯王家伝承の「おみち」を生涯実践することを心に決める。
現在は、日本古来の叡智を伝える「とほかみProject」の講師をはじめ、自らが人々と「おみち」との結び手となるべく、日々奮闘中。



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