この宇宙はプラズマでできている vol.017
執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰
3.7.原子が登場して、宇宙が晴れ上がった
前回までが、宇宙起源・創生から38万年が経過して、ビッグバン宇宙の温度が3000度程度まで下がり、クォーク3つが集まって陽子と中性子からなる原子核を生成し、その原子核がさらに電子を取り込んで、原子となるまでの経緯です。
現在、我々人類が「宇宙の晴れ上がり」を「原始大気のムラ」としてマイクロ波背景放射として観ることができるまでになった経緯を駆け足で説明してきました。
3.8.ビッグバン宇宙が果たしてきた役割は・・・
ビッグバン宇宙の役割は、フェルミ粒子とボース粒子からなる17個の素粒子を宇宙にバラまき、超高温・超高密度の中で相互作用させることによって陽子・中性子を生成し、その陽子・中性子からなる原子核を生成し、最終的に、原子核と電子を相互作用させることにより原子を誕生させることでした。
このようにして、私たちの宇宙に最初の原子が登場したわけですが、登場した原子は、水素原子とヘリウム原子という軽い原子だけでした。宇宙森羅万象の創造に不可欠な酸素や窒素や炭素などの重い原子は、ビッグバン宇宙ではつくられることがなかったのです。
原子は、陽子と中性子と結びつけて原子核をつくり、その結びつけた原子核に電子を取り込むことができれば、あとは陽子と中性子と電子の組み合わせで何種類でも簡単につくれると思われるかもしれません。しかし、そう簡単にはつくれないのです。その理由をお話しする前に、いったい私たちの世界に原子がいくつ存在するのか下記の元素の周期表でご確認ください。
現在、私たちの世界には118個の原子が存在し、その118個の原子を組み合わせて無数の分子を生成することにより、森羅万象のすべてができあがっています。たとえば水素原子は元素番号として1が与えられ、陽子1個と電子1個の構成でできています。元素番号2のヘリウムは陽子2個と中性子2個の構成でできています。以下の元素構成サンプルでご確認ください。
これで、宇宙森羅万象が、驚くべきシンプルな構造でできあがっていることがおわかりいただけたと思います。陽子とほぼ同じ数の中性子と、陽子と同じ数の電子の組み合わせだけで118個の原子が生成されて、そして、その原子の組み合わせで、たとえばH2Oの水分子ができたり、CO2の二酸化炭素分子などができていくというのです。
ここで、話を戻します。ビッグバン宇宙によってつくられた原子が、なぜ、水素とヘリウムという最も軽い原子だけだったのでしょうか。水素やヘリウムより重い原子ができなかった理由はなんだったんでしょうか。
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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
1990年、株式会社 JCN研究所を設立
1993年、株式会社CSK関連会社
日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
マーケティング顧問契約を締結
※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。
◎<作成論文&レポート>:
・「マトリックス・マネージメント」
・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
・「コンピュータの中の日本語」
・「新・遺伝的アルゴリズム論」
・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
・「人間と夢」 等
◎<開発システム>
・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
JCN<愛(ai)>
・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
・TAO時計装置
◎<出願特許>
・「カナ漢字自動置換システム」
・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
計測表示できるTAO時計装置」
・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等
◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等