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2020.12.13. これには理由があるんですよ

昨日の24時過ぎのこと。
自宅近くの日高屋で夕食を済ませて、歩いて帰っていたら駅前でクレープの移動販売に出くわした。

「こんな深夜に珍しいな」と思い、もつ野菜ラーメン大盛り+餃子を食べてお腹がいっぱいだったのにも関わらず、クレープを食べることにした。

おじさん店主に「注文いいですか?」と尋ねると、深夜の外で出してはいけないくらいの大声で「2分だけ待ってください!今生地がないんで!」と言ってきた。
2分ならいっか、と待っていると、
食い気味に「なんで2分だと思います?これには理由があるんですよ。」と
これまた大声で言ってきた。

「この店員めんどくさいタイプだなぁ。」と思いつつも訳を尋ねると
「僕11年もやってるから、材料測らなくても大体で出来ちゃうんですよ!あと、いつも10人前分しか作らないので、2分で出来るんですよ!30人前だと10分かかっちゃうんですけどね!10人前だから2分で終わるんです!」と、これまた深夜には出してはいけない大声で語ってきた。

『ちゃんと分量測れよ。てかちゃんと最初から30人前作っとけよ。貴様は最初から客が10人しか来ないと思ってんのか?』と言いたくなるのを堪えていると、
店主は「2分で終わる理由がもう一つあって、僕左手でも混ぜられるんですよ。だから休憩なしで混ぜ切ることが出来るんですよ!」と泡立て器を左手に持ち替えながら言ってきた。

『11年もクレープ屋やってたら片手で混ぜ切れるようになるだろ!』と、思いつつ、へらへらっと流していると
またまた「どうして左手で混ぜられるんだと思います?これには理由があるんですよ!」と絶対深夜で出しちゃいけないくらいの大声でまた言ってきた。そして続け様に
「僕マジシャンなんで、左手でも混ぜられるんです!」と聞いてもないのに答えてきた。

『いや、左手で混ぜられるのはマジシャンじゃなくても出来るだろ!』
って言おうとしたら、いつの間にか生地が出来上がっており、
「で、注文どうしますか?!!」とアホ大声で言われた。
時計を見ると5分以上はかかっていたが、体感時間は1分くらいだった。

「これには理由はあるんですよ。」という言葉には、どうやらしっかりとした理由があったらしい。さすがマジシャン。

いや、うるせぇ。

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