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サガン鳥栖に何が起きているのか

強い

いや思っていたよりも強いぞサガン鳥栖

開幕2試合で何がわかる

そう、そんな声が聞こえてくるし当然であるが、それにしても試合内容が良いのだ

今季のJリーグ、9割ほどの試合を見てきた自分が感じたサガン鳥栖と他クラブの違い、そして何が起きているのかを解説していこうと思う

ちなみにシーズン前の個人的サガン鳥栖チームプレビューはこちら

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と、YouTube動画の宣伝はこれぐらいにしておこうかと

では本題

今年サガン鳥栖に起きている変化をまとめると以下のようになる

①究極のリアクションサッカー

②絶品のパスワークとポジショナルプレー

③パーからグー

一つずつ解説していこうと思う

①究極のリアクションサッカー 

本来のサッカー用語としてのリアクションサッカーとは

相手にボールを持たせてカウンターを仕掛けることであり守備的なサッカースタイル

とされているが、おいおいぱろぷんてさんよと、鳥栖のスタイルは堅守速攻なんかじゃないぞ

そう言いたいことはわかるのでその通り、そこはわかっていまっせということは言っておこう

ではここで言うところのリアクションサッカーとは何か

自分たちのやり方をやり切るのではなく、相手の動きを想定して戦術を考えフォーメーションとシステムを構築する

という本来とは違った意味の言葉である

開幕戦のサガン鳥栖は湘南に合わせて3-5-2

ルヴァンカップ鹿島戦は相手に合わせて4-4-2

2節の浦和戦の鳥栖は4-4-2(浦和は4-5-1、鳥栖は中盤ダイヤモンド型)

最初の公式戦2試合に関してはわかりやすい

湘南と鹿島の良さを消しつつ、マッチアップする形を選び個の力で勝負を挑むことを選んだのである

要は相手の選手配置を意識したものであり、鹿島戦の4-4-2はともかく湘南戦の3バックスタートはわかりやすいかと

では浦和戦はどうか

浦和は4-5-1、鳥栖は中盤ダイヤモンド型の4-4-2

そう、浦和レッズの正式名称は浦和レッドダイヤモンズ

そして鳥栖の中盤は何度も言うがダイアモンド型

そういうことである

いや、そういうことではない

しかしここにも対浦和対策が色濃く見える

鳥栖はおそらく浦和のキーマン、抑えるべき選手を小泉と考えたのだろう

浦和がビルドアップを開始する時、小泉はピッチ中央付近に立っていることが多い

要はトップ下の仙頭とアンカーの松岡にサンドイッチされたような配置となる

そして小泉がボール欲しさにボランチの位置まで下りた時に見るのは主に仙頭となる

浦和がボールを持ち、ミドルサード、アタッキングサードまで侵入してきた時に小泉を見るのはアンカーの松岡

そう、この中盤ダイアモンド型にすることで浦和のキーマン小泉を常に監視することができるのだ

小泉という選手は非常にプレーエリアの広い選手だ

昨年まで所属していた琉球でもトップ下でスタメン出場していてもボランチの位置まで下りてきて、そこから一人でボールを高い位置までドリブルで運ぶことが何度もあった

金明賢監督の中でもそのプレーのイメージはあったのだろう

なので彼のプレーエリアである中央を常に監視できるように埋めたのである

もっと小泉のプレーエリアが広がってサイドまで幅をとるようであるとそこの監視役は小屋松や樋口になっていた可能性もあるが常に小泉は鳥栖の中盤のカゴの中でプレーをし続けた

これが小泉が決定的なプレーができなかった理由である

そして究極のリアクションサッカー、という意味である

②絶品のパスワークとポジショナルプレー

パスワークというと川崎フロンターレや一昔前のバルセロナ、スペイン代表が代表となるが、鳥栖はそれらのチームとは違う

鳥栖のサッカーはピッチを広くワイドに使う

なので選手間の距離は非常に広い

ビルドアップの基本は中央で回すというより、ポイントは外にある

CBからボランチ、ボランチから外

いかにサイドを使うかがビルドアップの狙いにある

そしてサイドの選手の役割は個人での突破ではなく、いかに2トップに楔のパスを打ち込むかがテーマとなる

しかし先述したように鳥栖の選手の距離感は広く、これでは楔もビルドアップも上手くいかない

しかし、である

これが面白いようにパスが通るのである

特に相手に脅威を与えているのはサイドアタッカーから2トップへの斜めの楔のパスである

斜めのパスは近くにいる相手選手から逃げていくようにボールを走らせる効果がある

そしてこのパスは外から中へのパスとなるのでゴールに向かってのパスとなりゴールまでの距離を一気に縮めるパスになる

これを可能にしているのが鳥栖の選手の足元の上手さとパススピードである

パススピードは別の記事で書いたか動画で話したか忘れたが昨年ベースでいうとリーグ6位

もちろんパススピードが速いと相手がインターセプトしにくくなる

しかしそれと同時に速いパスを止める受け手のトラップ技術、足元の上手さも求められるがこれを鳥栖は問題としない

とにかくトラップが上手い

速い斜めのパスに対してFWの選手は動きながらしっかりとトラップをする

このしっかりとトラップする、というのはピタリと止めることよりも次のプレーを想定したところにボールを置く、という意味であり鳥栖の選手の球離れが速く試合展開が速いのはここに理由がある

プレーに迷いがない、常に一手、二手先を読みながら今をプレーをしている

そしてそれが当たる

あまり言われないが、Jリーグの中でポジショナルプレーを上手く取り入れて高いレベルで表現しているのはサガン鳥栖もそうである

ポジショナルプレーとは何か、を試合を見て知りたいのであればサガン鳥栖が一番わかりやすいのかもしれない

もちろんロティーナセレッソやロティーナ清水、川崎やマリノスもポジショナルプレーをハイレベルで体現しているが少し+αしているので、わかりやすさで言うと鳥栖がわかりやすいのかもしれない

③パーからグー

これはポジショニングの話である

パー、というのは先ほど書いたピッチを広く使っている時の鳥栖であることはなんとなくわかる人もいるかもしれない

ではグーとは何か

そう、選手の距離感である

そう、と言わなくてもわかることだ

広くピッチを使っていてもゴール前には選手がグッと集まってくる

この人体で言うところの血管の収縮と拡張を鳥栖は繰り返している

運ぶのは酸素や血液ではなくボールであるが

なのでピッチを広く使っていてもゴール付近にはしっかりと選手が顔を出していて距離感も抜群に良い

ピッチを広く使う、ということは相手選手のポジショニングも通常よりも広げる効果がある

しかし収縮は鳥栖が速く、普段より広くポジショニングをとっている相手選手はポジショニングの修正が追い付かない

さすがに鹿島戦はメンバーを変えすぎて相手の修正と適応力が上回った感があるが、それでもよくやった方だと思う

少し話が長くなったが以上が今年のサガン鳥栖の伸びた点であり特徴である

これはまた動画にもする予定なので良かったらいつか上がるであろうそちらもどうぞ

しかし最初にも書いたがまだ公式戦3試合を見た中での感想である

これから対策される可能性もあるし、3試合で何がわかるという声も理解できるが、細かい定点観測は必要だと思うので今後も注目して見ていこうと思う

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