映画観た:ペンギンズ FROM マダガスカル ザ・ムービー

原題: The Penguins of Madagascar
製作:アメリカ合衆国
公開:2014/11/26
監督:エリック・ダーネル / サイモン・J・スミス
出演者:トム・マググラス / クリス・ミラー / クリストファー・ナイツ / コンラッド・ヴァーノン

ベネディクト・カンバーバッチが声優として出ていて、「penguin」の発音ができてない として界隈が盛り上がってたので1度観てみたかったアニメ映画。
ちなみにマダガスカルは未履修です。

あらすじとしては、ひょんなことから南極を出ることになったペンギン4匹がとある金庫にあった自販機でタコのデイブに捕まる。4匹がなんとか逃げ出した先で動物スパイ軍団のノース・ウインドと出会い、わちゃわちゃしながらデイブと戦うという感じ。

予告を見てた時から思ってたんだけど、ペンギンの煽りがまあイライラする。
人が喋ってる時にチーズスナックをこれ見よがしに食うな。
ペンギンのくせに煽りが普通に上手いんだよな。
いや、「ペンギンのくせに」は違うかもだけど。

新人と3匹の出会いのところで、見てる時には物語の主人公だもんなくらいにしか思わなかったけど、ペンギンズってFirst Penguinを描いてるのかって今文字に起こしてやっと気づいた。
子供向けでこの概念を描くってすごいなあ。おもしろい。

今回の映画って親子関係の変化を上手に描いてるなあって思った。
隊長にとって新人って自分が助けた卵でペンギンズの一番末っ子。だからとにかく愛情を注ぐ対象。作中でも何度も何度も「かわいい」と言って無条件に愛してくれる。ここがおもしろいのが、隊長にとって新人はただ「かわいい」対象で、そんなことはないだろうけど無意識に新人は「まだ何もできない子」と思っている。
上海について新人が人魚ペンギンのポスターを真っ先に発見して「あれ見て」って言った時も「背伸びしてかわいいなあ」としか言わない。
そのあとコワルスキーがちゃんとアシストしてはくれるけど、頭脳担当がゆえに隊長としては「コワルスキーが発見した」って認識になる。

ただ新人はそれが不満で、一度人魚ペンギンの囮として割り振られた時に隊長に意見を言うんだけど隊長は「かわいい笑顔を振り撒いてればそれでいいよ」と言って無意識のうちに意見を聞かない。
隊長がだいたい指示した作戦でなんとかなるので、その経験則からだとは思うんだけど、過保護にしすぎるがあまり成長に気付けてないんだよなあ。

ちょっと乱暴な言い方になるけど、「この子はかわいい(だからそれ以外役に立たない)」っていう図式はノースウインド→ペンギンズへの態度でも含まれてて、シークレットたちはペンギンズたちに一切作戦に関わらせようとしないし、隊長が言うことを頭から否定する。ついでにコーポはペンギンズを見て一目で「かわいい!」って言ってとにかく愛でる。(ここは隊長→新人の構図とある意味一緒)
その扱いにペンギンズたちは真っ向に反対して勝手に動くわけだけど、まあまあそれが裏目に出るのでノースウインドたちは普通に怒るんだよな。

その後事件が解決するキーに新人がなり、ペンギンズたちの大逆転が始まってノースウインドたちがペンギンズたちを見直すわけたけども。

初めて新人が的確な指示を出したり、新人が命をかけてペンギンを元に戻そうとする姿を見て、ただのかわいいだけじゃないんだ、っていうことを隊長たちが認めていくの、とてもいいなって思った。

デイブも完全な悪役じゃなくてとてもいいなって思う。だって「愛されたい」って思っていただけなので…。
スノーボールに入ってしまって子供にめちゃくちゃに振られるのはかわいそうだったけど、どうか幸せになってほしい。
ただ、デイブが年老いてしまっていたがゆえに徐々に見放されていく、っていうのもあっただろうから、スノーボールエンドは彼にとってちゃんと救いだったのか…。言葉は悪いけど彼を「老害」と言ってしまえばそれまでなんですが。

子供向けアニメなんだろうけど、本当に描き方が上手でいいなって思うので、90分くらいだし、どうぞ見てみて。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?