「物理数学の直観的方法〈普及版〉理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬」よかった・・けど
第1章 線積分、面積分、全微分
第2章 テイラー展開
第3章 行列式と固有値
第4章 eiπ=-1の直観的イメージ
第5章 ベクトルのrotと電磁気学
第6章 ε-δ論法と位相空間
第7章 フーリエ級数・フーリエ変換
第8章 複素関数・複素積分
第9章 エントロピーと熱力学
第10章 解析力学
やや長めの後記-直観化はなぜ必要か
遙か昔、矢野健太郎の「高専の数学」+αが教科書でした。
特に、第5章は、電気工学科だったので、懐かしかったです。
第8章も、苦労したのを思い出しました。
計算機専攻でしたので、ブール代数、確率・統計は当然として、関数解析、群論、オートマタ理論なども(難し過ぎでしたが)。
ですので、高校数学は学んでないのです。矢野健太郎「高専の数学」もいいのですが、個人的には、高校数学I、IIB、IIIを学びたかったかな、と思います。その上での、ここで言う「理工系で学ぶ数学」なのかと思います。なんというか、基礎をしっかりやらずに応用数学を学んだ感じです。
ですので、理工系大学で数学を学んだ方には良書なのでしょうが(特に試験前には役立ったことかと)、言ってみれば、この本と「高専の数学」をうまく融合させたら、とてもいいテキストになるかと思いました。
イメージ化は、数学にとって、とても大事というか、本質的なことなのでしょう。
物理数学つまり理工系の応用数学のみならず、数学科の純粋数学でも同じかと思います。
ロジックという数学の本質にとって、「直観」も実際には一層本質的なことなのでしょう。「やや長めの後記-直観化はなぜ必要か」は、別の書物として、もっと詳しく説明してもらいたいくらいです。
イスラム文明と西欧キリスト教文明の議論は、とても面白かったです。
数学と哲学の議論も、これ以上深めると、この本のテーマから大きく逸れてしまうでしょうが、実際は、この本の本質的テーマになりうるかと思います。
あくまでも「理工系で学ぶ数学」のためのテキストなのでしょう。
24.Dec.24 あまりにもあいまいな-レジリエンシー