鮎の炒り豆腐、牛すじの肉じゃが
誰かに教えてもらわなくとも、同じ料理を十度ほども作れば必ず美味しいものができるようになる。そんな趣旨のことを、とある有名店の店主が言っていたらしい。お会いしたことはないけれど、その言葉から努力の人であろうことが察せられて、いつか店に伺いたいと楽しみにしている。
さて料理でも定番のものならば十度といわず何回でも作るけれど、その都度何かしらの発見があって飽きることがない。
鮎の炒り豆腐
少量の油で鮎を一匹炒めながら身をほぐし、よく水を切った木綿豆腐を加えてさらに炒めたところに出汁と醤油、さらに卵を落として水気がある程度なくなるまで炒りつける。火を止めところで大葉を刻んで混ぜ込んでおく。
今回は、夏に冷凍しておいた鮎を取り出して使った。このところ何度も炒り豆腐を作っていて気づいたことは、豆腐と一緒に青魚を一緒に炒めこむのがどうやら僕の好みらしいということである。
鯵、鰯、秋刀魚、そのいずれで作っても美味かったし、もちろんこの鮎の炒り豆腐も美味い。
牛すじの肉じゃが
含め煮の肉じゃがを、すじを使って作る。時間こそかかるものの、もも肉なんかを使うよりも良い出汁になる気がする。
さらにすじを煮込むついでに、玉ねぎの皮と萎びた人参を入れ込んでおいたら、スープに野菜の甘みが十分に出たので、今回は具から玉ねぎを外しておいた。まさに肉じゃが。
じゃがいもは男爵のような朴訥な味が良いと思っていたけれど、しばらくぶりにメイクインを使ってみるとなんとも舌触り滑らかで、上品なスープに実によくあっていた。