【統合失調症の新しい研究結果を見つけました】
統合失調症の治療に新しい風が吹くかもしれないというお話。
ちょっと難しいですが、知ってみると面白い発見だなと思います。
統合失調症とは
統合失調症は、精神科で扱う疾患の一つです。
最近は、漫画や有名人の手記などで広く知られるようになってきました。
その中でも、聞こえないものが聞こえる、ありもしないことを考えるなどの特徴を思い浮かべる方も多いと思います。
幻覚や妄想という症状ですが、たしかにこれらは、統合失調症に特徴的な症状です。
でもですね、統合失調症の症状はそれだけではないんです。
統合失調症は、頭の中で考える「事柄」を結びつける「結合力」を欠くようになる疾患です。
どういうことかというと…
例えば、頭の中に
◆財布をどこかに忘れてきてしまった
◆隣の家の人がいつも愛想悪くて苛立つ
という2種の「事柄」があるとします。
健康的な思考であれば、
■財布を忘れたのは自分の責任
□隣人が愛想悪いのはいけすかない
と、別の事柄として考えます。
ところが、思考の組み立てがままならないと
◇財布が無くなったのは隣人のせい
などのように、現実的な根拠の薄い論理の組み立てが始まります。
統合失調症は、幻覚があるから統合失調症…ではなく、思考に関するいくつかの基準を満たすことで診断されるものなんですね。
なお、この例はあくまでも「思考の統合ができない」イメージですので、学術的な根拠のある話を知りたい方は、研究者さんの書籍などをご覧ください( ^ω^ )
発表された統合失調症研究の内容
問題の「分子」、これが人の思考を上手く組み立てるための役に立っているのだとか。
そんな大切な「分子」の働きを妨げる「抗体」が見つかったのだそうです。
とんだお邪魔虫ですが…ある種の自己免疫的なハナシなんでしょうか??
兎にも角にも、本当にこの「抗体」が発症要因になるのであれば、「抗体」を排除したり機能させなくしたりすれば良いわけで、今までになかった治療法を見出すきっかけになるかもしれないんです。
注目するのは、
治りにくい統合失調症の人
いまの治療で効果の見られている人は大丈夫。
問題は「なぜかわからないけどよくならない人」たち。
この人たちは現代医学では、ようするに、「風邪は風邪でも、鼻炎があるのに咳止めを飲んでいる」ような状態かもしれない…という見方ができます。
効果は無くはないけど、でもパッとしないという状況です。
先に述べた通り、統合失調症は幻覚妄想だけではありません。
いろいろな症状があり、薬の効果なども人によって違いますから、症状を見せるプロセスがいくつかあるのかもしれません。
今回の研究が、統合失調症の新しい治療の道筋を作り出すきっかけになると嬉しいなと思うのでした。
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