【障害者雇用にアラート申す?】
障害者雇用に関する興味深い社説を見つけました@信濃毎日新聞。
障害者雇用のねらい
障害とは、精神・身体・知的な面において、日常に制限を受ける状態のことです。
ただ、その制限は限定的なものであることが多いため、その人が持っているその他の能力を使って働こうという試みが、障害者雇用です。
結構厳しい
障害者雇用の法定雇用率
官民問わず、従業員2%以上の障害者雇用が義務づけられています。
従業員が50名もいれば、1名以上は必ず障害者が働いているということ。
事業所の数だけで見ると、50名を超えるそれは全体の3%も無いのですが…働く人の数で見ると4割ほどが50名以上の企業に在籍していますから、分母の大きさを感じます。
ちなみに、その4割の人たちの2%がきちんと障害者雇用に至ったとすると、100万名以上の方が就労することになります。
大きな市場ですよね。
なので、そこにビジネスチャンスを見出す人も多いのです。
よく勉強しないと
ビジネスチャンスは
ものにならない
分母が大きくて市場が巨大だからと言って、単純にビジネスツールにできないのが障害者雇用の世界。
なぜなら、見えないところの理解がたくさん求められるからです。
①障害特性の理解
その障害が、生活の何に支障をきたすかという理解のことです。
人は概念的なことの理解に難儀することも少なくありませんから、発達障害や精神障害は教科書を読んで全てがわかるかと言われるとそうではないかも。
発達障害や精神障害があることで、生活においてどんなことが難しくなるのか。
それが周りの人にどう見られるのか。
…などのような教科書には無い理解が求められます。
②医療の理解
障害のある方は、医療が必要な人も多いもの。
だからこそ、医療制度や医療費補助の仕組み、保険の仕組みの他、通院頻度やその苦労の理解、医療側の見解などなど、一人ひとり異なる状況を把握することが欠かせないと思います。
③障害者のために用意する業務の理解
農業が障害者に有利であるのは、各所で論じられていると思います。なぜなら、農業はマルチタスクの王様だからだとか。
例えば、企業にいるとパソコンが使えなければ仕事ができません。
例えば、医療にいれば医療の知識が無ければ応対ができません。
近代の仕事は細分化されており、限定的な能力が求められる。と、言われています。
農業って、そうではないらしく。
土を耕して、肥料を与えて収穫して…ばかりではなく、経理の能力、営業の能力、資料整理の能力、そもそもの体力などなど、必要な能力の種類は多岐にわたるよう。
それらをうまく配分すると、限定的な障害を避けて、自身が持っている能力に合致するシゴトが見つかる…というのが、障害者就労に農業を取り入れる大きな視点かと思います。
で、あれば、障害者雇用を提供する側は農業の知識が欠かせませんよね。
そもそもの障害の理解に加え、経理なり販売ノウハウなり、障害者を振り分けたり指導したりするために用意しなければならないスキルがたくさんあります。
理解がないとどうなる?
間もなく辞めてしまう、労務問題が起こる、一般雇用部門に皺寄せが来るなどなど、前述の理解が欠けることで現場にはひずみが生まれやすくなります。
もちろん、信念を強く持ち、高い理想を求めて事業を起こしている企業さんもありますが、一方で、これほどまでの巨大市場になってくると“なおざり"なビジネスも登場してくるんだろうなと思います。
まだ駆け出しの制度ですから、これから質の向上にも力を注いでもらいたいものだと思うのでした。
ぱれぱれ