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【親が精神疾患 どうする】
親御さんが精神障害者というケースは少なくありません。
お父さんが統合失調症
とか、
お母さんが双極性障害
など。
子どものころから"病気"の親御さんを目にしてきているので病気の理解は深いものの、年齢を重ねることで"支える重責"に悩むことがあります。
今日は、親が精神障害者の場合、子どもが成人を過ぎたら大変な想いをする…そのカラクリのおハナシ。
5分程度で読み切れますよッ(^○^)
親が精神障害者でなぜ困る?
端的に言うと、治療の些末事に関わらざるをえないから。たとえば、
通院する際…
ちょっと状態が悪いな、
それを主治医に伝えたいな
と、思い、通院に同行する。
入院する際…
「入院書類にサインが必要だから平日に来てください」
と、言われる。
それどころか、
「いまから入院するから同意者として来て下さい」
と、言われる。
平日ですけど。
シゴトがありますけど。
要所要所で、「家族プリーズ」と病院から言われるため、現役世代の子どもは戸惑うことも多いものです。
なぜ、子どもを呼ぶ?
①医療保護入院
精神科には、医療で唯一『本人が同意しなくても入院できる制度』があります。
その一つが『医療保護入院』。
本人が入院に拒否する際、配偶者や直系家族が入院に同意します。
ですので、配偶者が基本的に動くものなのですが、親が離婚している、高齢化で対応が難しいなどの事情があり子どもの出番となることが珍しくありません。
②入院手続き
精神科入院の場合、本人が落ち着いてサインできない状況もあります。
その際は、本人の代わりに家族が一筆したためます。
それ以外にも、入院の『保証人』としてサインが求められます。
これは、病院がお金を取りっぱぐれないためでもあるでしょうか。
③治療のインフォームドコンセント
外科手術などでもよく耳にしますね。
精神科も例外ではなく、どんな薬を使うか、その薬のデメリットは何かなど、治療について家族も話を聞きます。
その話を聞くのは、直径家族が第一優先。
内縁や彼氏彼女、友人などは積極的には関われません。診察室にすら入れてもらえないことも多いもの。
背景には『民法』がある
民法
ありますよね。
1896年制定の、超有名な法律。
前段のようになる背景に、民法で定めた次のような決まりがあります。
●配偶者が最大級の責任を負う
●直径家族で支えあう
●兄弟姉妹は支えあう
配偶者の責任が本当に"バカでかい"のですが、それ以外にも注目したいのが兄弟姉妹の決まり。
これは、民法が制定された時代背景に大きく影響受けているのだとか…?
当時は『長男』がいてナンボの時代。
旧来から続く、男が家系を継ぐ日本の習わしがありました。
例えば、江戸時代の武士は、次男三男になると家督が継げず貧乏侍になったりとか…?
閑話休題
つまり、次男以降は、家庭の中で二番手、三番手だったわけです。
家庭内のヒエラルキーですね。
長男にはおかずが一品多いとか、何かにつけて長男が優遇されるとか。
そんな世相に危惧を抱き、当時の日本政府が「きょうだいを平等に支え合えよ」「長男ばかり優遇されるな」という民法を作ったようです。
だから、民法にのっとった現代日本では、親子どもが、きょうだいが、互いの責任を問われています。
今の時代に不要な価値観ですよね。
何人いようが、子どもはかわいい。
ただ、民法がいつまでも改正されないので色濃く残り、こんな現実になっているのです。
まだ法律は変わらない
どうする?
民法が幅を利かせている現代
ただ、現代に即した支援の体制整備は進んでいます。
家族で支え切れない部分を少しでもフォローするための制度ですね。
精神科領域に限ると、次のような感じ。
●通院先のソーシャルワーカー →これ一番大事
●精神科訪問看護
→自立支援で費用負担軽減できます
●デイケア
●障害福祉課
→激務の中、親身になってくれる人が多いよ
●計画担当支援センター
→以下同文
●通所先の支援員
●民生委員
→地域性があるかもしれないので要確認
●後見人
など
家族が家族が…という概念は根強いですが、100%を抱え込まずに過ごせるアイテムにはなるはず…
こういった情報は、正しいものを知っている者が発信することが大切なのだと思うのでした。
メンタルヘルス相談ぱれぱれ