【健康、健康というけれど何をもって健康っていうの?】
健康ってなんでしょう。
健康を失ってしまったという悲嘆や、病気になってしまったことへの後悔、障害者になってしまったことの落胆を抱えて、健康を偲ぶ方に出会うことが珍しくありません。
「健康」だった「元の自分」にとらわれて前に進めなくなるのですね。
「健康」の定義
WHO(世界保健機関)によると、健康は次のような定義で考えられるそうです。
病気ではないとか、体が弱っていないという状態のことではない
肉体的・精神的・社会的に自分が満たされている
[ イメージA ]
一方、私たちが一般的に考える健康は、次のようなイメージです。
身体的な機能に問題が起こっていない
自分に苦痛がない
日常生活に苦労しない
[ イメージB ]
WHOの定義と比べると、より物質的で、より「何もない状態」をイメージしていますね。このイメージをもとにした「健康」とは、骨折の一つもできない状態ということです。
WHOの見方を参照すると、たとえ自分が何らかの課題を持っていたとしても、自分が満たされる生き方ができていれば健康と考えることができますね。
健康のとらえ方
健康は、その人のとらえ方次第で大きく価値観が変わります。
例えば、適応障害と診断され、長期間の通院を余儀なくされたとしましょう。そのような時には、次のように感じることが多いでしょうか。
・以前のように生活に支障の無い状態ではなくなってしまった
・通院するために時間が取られてしまうようになった
・薬の管理が大変だしお金がかかるようになった
これは、前述の[ イメージB ]による考え方ですね。
元の自分、つまり、過去にとらわれる考え方ですが、実はこれ、ちょっと不健康な見方なんです。
なぜなら、人間が変えられるのは、未来だけだからです。
WHOの提言も参考にすると、これからやってくる未来を眺めながら次のように考えることができると「健康」に近づくことができると思います。
・障害になったことで、今までに気付かなかったことがあるよなぁ
・とりあえず、今の自分ができることを考えよう
・これからどうやって自分は生きていきたいのかなぁ
人はなんらか抱えているもの
少し前、ソーシャルワーカー仲間に言われた何気ない一言があります。
「ま、人は何かしら抱えてるからね」
私はこの一言が「なるほどおぉ」と、深く印象に残りました。
アトピー性皮膚炎は季節やメンタル状態によって症状の浮き沈みがありますし、慢性鼻炎の方は年がら年中鼻づまりがあったり耳鼻科に通ったりします。虫歯の多い人はインプラントなども含めて歯科医療費が嵩みます。
「元」に戻ることが「健康」という定義ではないよ、というお話でした。
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ぱれぱれ