変なルール
10分くらい前に退社したはずなのに、目の前にいた。
それは10/1に配属になった新入社員の後輩だ。
非常に緩やかに一歩一歩進んでいる。スマホを見ているかと思いきや、スマホは手に握りしめている。前屈みに進むその姿はなんだか悩ましい様子にも見える。10分前に帰って行く時の表情では笑顔で帰っていったのでとても意外だった
僕はその会社を出た後輩の後ろ姿を20秒くらい様子を見て追い抜かさないようにしていた。ふと客観的に見て怪しいと我に返った。ゆっくり歩く女性の後ろを全く同じゆっくりしたスピードで歩く男。これは怪しい。
僕は様子見モードを解除して、僕は遠目に回って通り過ぎた。彼女はおそらく気づいていない。そのまま横断歩道で赤信号に足止めされた。ぞろぞろと人が溜まっていく。隣の隣にまた後輩が追いついた。
横目で見るに表情は晴れない。だいぶ疲れているのだろう。
そりゃ新天地に来てまだ1週間も経っていない。
はい。僕の中で葛藤が始まった。
①声をかけて1杯飲みに誘おうか
②ようやく仕事から解放されて会社の先輩とまた飲みに行くのはしんどいだろうからスルーしよう
という2択。
教育係になっている僕は会社では言えないことを吐き出させてあげたい。
が、声をかけてしまえば、後輩にはYESのカードしか切りようがない。
気を遣わせるのも悪いし。
という中で、会社ルールがよぎった。1つ変なルールがある。
ルール:男女2人で飲みに行ってはいけない
学校かよってツッコミが飛び交っていながらも存在するこの変なルール。
当人同士が良くても、周りで見てしまった人からのリークもあるだろうというなんとも言えないこのルール。果たしてこれは健全なのか不健全なのか。
パワハラやセクハラ…あらゆるハラスメントが蔓延る世の中にはそうするしかないのだろうか。
横断歩道を待つ間にこのルールが頭をよぎった僕は、青信号になった瞬間にGOではなく、STAYした。後ろ姿を見送って電車に乗った。
なんだかモヤモヤした。
ルールがあるからと言うことを理由にした僕自身がダサい。自分で判断をしなさい。とモヤモヤの奥底にそれがあった。
こんなルールがあろうがなかろうが、個人対個人の関係性を早く作っていこうと思う。もし声かけて行きたくない時はNOを出せるくらいに。
なんだか真っ直ぐ帰りたくない気分で無駄に寄り道をして珈琲を飲みながらnoteを書く水曜日の夜。
明日からまた頑張ろう。ダサくない生き方をしようと心に誓ったのでした。