その土地のアップサイクルな素材を使って、自然を感じるここちよい空間をデザイン
2021年4月1日から2ヶ月間、期間限定で横浜市・山下公園にオープンした「ガーデンネックレス横浜」のインフォメーションセンター。この場所の空間デザイン・施工・装花をわたしたちparkERsが手がけました。
入り口やレストスペースなど、花や緑、公園の要素を散りばめた会場デザインをしたほか、ガーデンネックレス横浜のグッズショップや「青山フラワーマーケット」のイベント限定ショップも出店。
インフォメーションセンターのコンセプトは花や緑のある豊かな時間をお持ち帰りいただきたいという想いから「Garden Gift Box」。期間中は、近隣住民の方から観光客の方まで、多くの皆さまにご来場いただきました。
横浜を代表する観光スポットとしても人気な山下公園。この場所の空間デザインに携わらせていただくということで、ぜひ横浜市の土地の魅力や歴史も知っていただけるような場所にしたい!というテーマのもと、横浜市内の剪定や伐採で出た材を再利用して使っているのもデザインのポイントのひとつです。
緑のリサイクル事業
横浜市は横浜市グリーン事業協同組合と、公園や街路樹などの公共施設から発生する剪定枝や刈草をチップ材や堆肥にして再利用する「緑のリサイクル事業」を進めています。今回、この取り組みを進めている事業所「緑のリサイクルプラント」に特別にご協力いただき、横浜市の材を使ったアップサイクルなデザインを実現することができました。
サクラ、ナラ、ムク、ケヤキなど様々な木があります。これをどんどんチップにしていきます。
このチップは全国の動物園の動物たちのベッドや、建築ウッドボードなどに再利用されているそうです。特に動物たちのベッドとしては、化学物質を使っていない、野生生物からの感染症リスクが少ないなどの理由から評判が良いそうです。
山下公園ではレストスペースの床材にこのチップを使用させていただきました。足の裏で踏みしめる感触が面白く、室内なのに森の中を歩いているような感覚に。子どもたちは手ですくい上げて遊んで楽しんでいました。都会で生活する子どもたちにとって、遊びに行ったついでに自然や木材に親しんでもらうきっかけにもなったのではないでしょうか。
搬入の様子
丸太のスツールも、「緑のリサイクルプラント」にあったもの。チェーンソーでのカット、ヤスリがけ、手作業で磨く年輪出しまで丁寧にやってくださり、木のぬくもりを感じられるようなスツールになりました。
よく見ると、木の種類が書いてあります。普段木製の製品を使うとき、なかなか品種まで気にかけることはないと思うのですが、書いてあることで元々は一本の木だった、ということを再認識させられるような気がします。
ディスプレイ台には、一本一本小枝の処理をしていただいた木を使用。
こちらは2027年に横浜で開催予定の「国際園芸博覧会」のフォトスポット。江戸時代の花屋の「花かご」をイメージしています。この取っ手部分も横浜市の材を利用しました。
江戸時代の花屋になりきって、担いで写真を撮ることができます。
横浜は園芸の世界で海外との交流窓口となり、日本から新しい品種を海外へ発信し、海外品種を国内へ広める玄関口の役割を果たしていました。花と緑と、横浜の歴史も知っていただけるようなブースになっています。
その土地の素材をデザインに取り込むことで、地域の取り組みを知っていただいたり、より自然素材に親しんでいただくきっかけづくりができました。
今後もparkERsでは、アップサイクルなデザインや、「その土地」にこだわった素材選びなど、なんとなくいいだけではない「公園のようなここちよい空間」をご提案してまいります。
これまでのWORKSもぜひご覧ください。parkERs WORKSはこちら。
⇩アップサイクルな素材を使ったデザイン
⇩parkERsと木材
⇩地域との取り組み