社員をつなぐ"ツール"としても。parkERsのウィークリーフラワー紹介
今日は「日常に公園のここちよさを。」をコンセプトに空間デザインから実装、空間のメンテナンスまで行なうparkERsのオフィスで実際に行なう、季節の旬を感じられる「ウィークリーフラワー」の取り組みについてご紹介します。
「ウィークリーフラワー」とは?
毎週parkERsのオフィスに生けられる、週替わりの生花を「ウィークリーフラワー」と呼んでいます。
グリーンライフチーム(※)のメンバーが週ごとに季節や催事事に合わせた、とっておきの一輪をチョイスし、オフィスに旬を届けてくれます。
(※)グリーンライフチーム・・・手がけた空間や植栽のメンテナンス、花と緑に関するソフトサービスを展開するparkERsの一部署。2020年からはR&D部門が一体となり、人・環境・植物の観点から心地よい空間づくりを探求している。
花の種類に合わせた水分量の目安や水換えのワンポイントなども教えてくれるので、初心者でも心配いらないのも嬉しいところ。
「オフィスにこの花がきた、もう春だな。」と、都会生活の中ではあまり意識しない “自然の変化に気づける”感覚を持てることは、人として小さな幸せであり、実はとても贅沢な時間を過ごしていると実感します。
”全員平等”を実現するウィークリーフラワー
ウィークリーフラワーの特徴として、役職や性別・年齢に関係なく、自分の花生けは自分でする、という共通認識があります。
月曜日に届いた花に水をさし、水曜日くらいに水の入れ替えとベースの掃除をして、金曜日の終業時には持ち帰る用に自分で包んで週末を一緒に過ごす。(手入れの頻度は花によって変わります。)
どんな立場のスタッフでも、1日1度は花に触れる時間を作る。このような独自のルーティンがあるのは、SDGsの観点からも花を生かしたジェンダー平等の取り組みであると考えています。
昨年移転したparkERsの新しいオフィスでは、このウィークリーフラワーにネームプレートを付けて、フリーアドレス制のオフィスで花が着席の目印となり、より働き方に関わる仕組みを作りました。
朝出社すると、ウィークリーフラワーホルダーから取った自分の花が生けてあるベースを片手に、その日の席を探すような具合です。終業時にはまたホルダーに戻して業務を終えます。花と1日を共にして過ごしています。
週はじめの恒例 "今週の花紹介"
ウィークリーフラワーをより身近にしてくれる、毎週の全体定例会での共有の場があります。
グリーンライフチームのメンバーが、花の情報をちょっと意外な切り口から紹介してくれるので、今日は「どんな小話があるかな」と私もいつも楽しみにしています。
グリーンライフチームの塩谷さん
これまで様々な週替わりの花を紹介してくれたグリーンライフチームの中でも、特に巧みな話術でparkERsオフィスの"ウィークリーフラワー人気"を牽引してくれた、
姉妹ブランドの青山フラワーマーケットでも実務経験のある塩谷さんに、とっておきのウィークリーフラワーを小話を交えてご紹介頂きました。
ダリア Dahlia
ダリアは華やかな花姿に似つかない「裏切り」という花言葉を持っています。これは次のようなエピソードに由来します。
”ナポレオンの妻、ジョセフィーヌは当時まだ珍しかったダリアを独占し、宮殿の庭に咲かせて貴婦人たちに自慢していました。
それを羨ましく思っていた侍女が、ジョセフィーヌの庭のダリアを盗んでしまったのです。それ以降、ジョセフィーヌはダリアへの関心を失ってしまいました。”(諸説あり)
この話を披露したときは、塩谷さんがparkERsの一員になったばかりの頃。
花の名前と適切な水の量などを紹介するような簡単な説明が主流でしたが、「このダリアの小話にスタッフ皆が新鮮な反応を示してくれたのを覚えている」と語ってくれました。
「次からもお花にまつわる小ネタを伝えようと決心した回でした。」
ガーベラ Gerbera
ガーベラは少ないお水で生けるのが好ましいとされています。
・ガーベラの茎の表面には無数の細かい毛が生えており、これによって水に触れる表面積が増え、茎が腐りやすくなります。
・たくさんの水に生けてしまうと、その分だけ茎が痛んでしまいやすくなるので少ない水(浅水)に生けましょう。
というのが一般的なガーベラと浅水のお話です。
こうして聞くと植物の毛がネガティブな印象を与えがちなので、その毛が生えている意義を伝えました。
「植物の葉や茎の細かい毛は、表皮の細胞が伸びたもので、強い光や害虫などから身を守り、強風時には体内の水分が奪われるのを抑制する役割があります。厳しい自然の中で自分を守るために獲得した優秀な防御機構なのです。」
ガーベラの主張を代弁するという、少し違った切り口でのご紹介。ネガティブをポジティブに変える素敵な話でした。
マム Mum
お彼岸の時期にチョイスしたマム(菊)。日本で切り花の生産量が最も多い品目で、古くから日本人になじみの深い花なので、何を話そうかとても悩んだと言います。
「いざマムの水揚げをしようとしたとき、花びらを保護するネットキャップに目がとまりました。
マムの花びらは出荷時に傷まないよう、1輪ずつネットに包まれた状態で届くのです。花屋では基本的にこのような保護材を外して店頭に並ベるので、parkERsでも知らない人も多いのではと思い、ネットをつけたままお配りしてみました。」
恐る恐るネットを外し、自分の目の前で花とご対面して、メンバーみんなが小さな感動に包まれていたようで印象に残っていると語ってくれました。
「この小話の最後は、『キクの1輪1輪にネットで保護してくれるなんて、まさに気が"きく"サービスですね』とオチが決まったので、私としては100点満点の回でした。」
* * * *
塩谷さんに話を聞きながら、私も当時のことを思い出しました。季節の旬とともに花にまつわる知識が増えていく感覚はとても心地よいものです。
またウィークリーフラワーの取り組みを通して一番知って頂きたいことは、ウィークリーフラワーを介した自然な交流がスタッフの間で日々生まれているということ。
仕事上では直接やりとりのない人とも、旬の花一輪を通して会話が生まれるので、わたしたちのオフィスでは一週間を通して様々なコミュニケーションがあります。
parkERsが室内にデザインする植物や水の要素、木の素材も、それぞれの空間の目的に沿った「機能」を持ってデザインされていますが、花にも装飾性だけでく、自然体で豊かなコミュニケーションを生む機能があるのです。
おまけ
最後に塩谷さんに上手に花を生けるアドバイスも聞いてみたのでご紹介します。
ベースと花の長さの比が 1:(1+√5)/2 ≒5:8(黄金比)を基準とします。
ベースの3/5の長さの分だけ、花がベースから露出しているということです。(とはいえ目視なのでざっくりでOK!)
この黄金比を基準に、少し短くしたり、長くしたりして花の高さに高低差のリズムをつけると楽しめるそうですよ。
人と人をつなぐ一輪の花。お手持ちのコップやグラスに花を一輪いけることから初めてみませんか?
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この記事を書いた人は
parkERs マネジメント室
ブランドコミュニケーションチーム 森み
この記事を書くにあたり、iPhoneの写真フォルダを遡った。
(業務以外でも)定期的に花の写真を撮っている自分に気づき、人間が生きているものに惹かれるという「バイオフィリア」を実感。