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夫からの言葉
担当医からステージ4の話を夫と従妹のMちゃんと3人で聞いた日の夜にトノ(夫)から電話がありました。
従妹ちゃんからのLINEでは自宅に戻ってからのトノはかなりショックを受けていて、従妹ちゃんとふたりでだいぶ慰めあっていたと書かれていました。
トノが脳梗塞で左半側麻痺になってから約10年。
人に頼るのが苦手な私はひとりで介護をしてきました。
不自由な体になったが、わたしと過ごす時間が増えて逆に嬉しかったとトノは言います。
ただ後悔するのは、もうわたしをあちこち連れて行ってあげることが出来なくなったことだと言いました。
わたしの入院中に自宅で観たあるテレビ番組。
あるシニア夫婦が年金をもらう年齢まで、旅行などの無駄遣いせず倹約して老後を楽しく過ごそうと計画していましたが、奥様が脳梗塞で体が不自由になり、ご主人が介護する生活に。
まもなく奥様が亡くなり、奥様の遺品を整理するうちに、奥様の友人から届いた夫婦旅行の楽しそうな絵葉書が何枚も出てきて、ご主人はとても後悔したそうです。
元気な間にあちこちふたりで旅行を楽しめばよかった!
その番組を観た直後に私に電話をくれました。
トノにとって(わたしは)最高の妻であり、(年が20歳離れているので)娘でもあるお前が自分より先に逝ってしまうかもしれないと思うと耐えられない!
電話越しのトノの声は震えていました。
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トノが病気になる前は毎年海外に旅行に連れて行ってくれてたくさんの思い出の写真があります。
カマルグにて(手前のボーダーの黒がわたし)
タラスコンで列車待ち(伸びをするトノ)
人生の楽しみ方はいろいろあってその時にあった楽しみ方が出来ればと常に思っています。
近所のカフェで一緒に過ごしたり家の近くを車いすを押してふたり散歩できるのが幸せだなと日々思っています。
今の願いは来年のわたしの誕生月にトノと従妹ちゃんと3人で10日間の日本周遊クルーズに行くこと。
そのためにも今年は自分の治療に専念すると心に誓います。