シープスキンのボンバージャケット
たったひと冬しか着ていないのに、もう手放せないと感じているボンバージャケット。
去年の春の初めに偶然見つけた、暗い店構えの古着店の軒先に掛かっていた。勇気を振り絞って入店し、試着させてもらったらぴったりのサイズで驚く。
ほとんどのボンバージャケットはめちゃくちゃ大きくて、丈が長いのだ… おそらくこれは14歳くらいの少年用サイズ。
これを逃したらもう二度と入手のチャンスは巡ってこない。春に向かう気候だったにもかかわらず、即決で購入した。
零下でも、これさえ着ていればまったく寒くない。というか、これを着ると上半身がやたらと暖かいので、顔とか耳とか足先の凍えがかえって強調される気がする。
ダウンジャケットは最高に暖かいと今まで信じていたのだけれど、ボンバージャケットの方が8倍くらい暖かいな。
気温が5度を下回る時は長袖カットソーの上に薄手のウールのニットを重ねて、ボンバージャケット。零下になったらカットソー2枚とタートルネックの太ゲージのニットと、ボンバージャケット。
ファスナーを閉めても開けたままでも、どんな着方をしても決まる。襟を立ててチン・ストラップを留めると、カッコよさが4倍増しで気絶しそうになるね。
デニムのパンツはもちろん、薄い生地のスカートとブーツに合わせてもいい。なんなら、ワインレッドのシルクサテン地の長いスリップドレスに羽織ったってカッコいいのは想像がつく。その場合はバッグも手袋もなしで、手は無造作にポケットに突っ込むのがいい。靴はペンキで汚れたワインレッドのエンジニアブーツか、真っ白のスニーカー。アクセサリーはチェーンのブレスレット。
手で持つとずっしり重量があるものの、着てしまえば重さは感じないのが不思議だ。
収納場所を取ることだけが難点だけれど、もう「カッコいい置物」だと思って、年中ずっと出しっぱなしにしている。
このボンバージャケットを着られるから、真冬も悪くない。