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ふくの湯に行ってきた話
まだまだ行ったことのない銭湯がいっぱいある。
9/5に確認したら、東京銭湯(東京浴場組合)に登録されている銭湯は534軒。私が2.3年かけて100軒回ったのに、まだ5倍もある。10年かけたらもう皮のびまくっちゃうよ。
たかが100軒目に向けて、着々と豪華絢爛な探訪は続いている。
あわよくば100軒目で押上の大黒湯。
99はタカラ湯とかにしたい。
そんなゴージャスフェアに今回ノミネートした銭湯は、本駒込駅にある”ふくの湯”だ。
今井健太郎さんシリーズ。
まったく今井健太郎さんはどんだけ銭湯をよくするんだ。
名前に「今」って入ってるのもかっこよくみえてくる。
もともとはもみあげ百貨店と行く予定だったけど、急遽仕事が延びたなどと言い出したので、こちらも急遽ドリルフィンフィンズ高橋を誘う。
「ちょうど今日行こうと思ってたのよ。」
なんて感じのいいやつなんだ。
感じのよさと写真の映え方はピカイチだ。
粋な雰囲気を出すモデルみたいなの作ればいいのに。古いものやスポットのあたらないものをクールに見せる活動みたいな。きっと人当りがいいから取材とか快く引き受けてもらえるだろうに。
バイトが終わり、少し時間が空いたのでマックへ。
ポテトが150円だと腹の具合とか度外視でLサイズ頼んじゃう。私の前に並んでた女性がポテトのSサイズを注文して、すぐさまフライヤーからポテトをすくってよそってたから、やった揚げたてだ、なんて思ってたらLサイズは作り置きしてやがんの。
全部揚げたてにしなさいよ。
マジョリティが揚げたて派なんだから。
しなしな派もたまにいるけど、なんか、どうかと思う。一生わかりあえないしなしな派とは。揚げたてに飽きてしなしなみたいなことなら、揚げたてこそ原点だし。食べ物は熱い方がうまいし。うん。よさがわからん。
全く別件であるグループLINEが荒れてるのを見て、にやにやと相方に一言送信し、駅へ戻る。
悪天候。
たしか台風がくるだのこないだの言ってた。今は雨こそ降ってないけど、風がやむことを知らない。
改札前で待ってたら原色青色のキャップをかぶった高橋が登場。
遠くからわかるから救急車にでもなればいい。
ていうかそのキャップさてはBEAMSでしょう。グッピーラムネの。いいなぁと思ったんだよなぁ。キャップ好きだけどワンポイントセンターに刺繍入ってるやつ持ってないんだよなぁ。収集癖あるのかな、全部の色と形とパターンが欲しい、キャップ。海外行ったら買うことにしてるから、割と増えないのが難点。
挨拶替わりにM-1を見てきた高橋の話を聞いて早速風呂へ。
割と歩く。
なにもない暗い道路。
本駒込ってなにもない。本とかつけちゃって、恥ずかしいよ。
周りが暗いだけに、遠くに大き目の光が見えた時は確信だった。
「あれだわ。」
道路に面した銭湯は、一見すると何の施設かわからないような入口になっている。
これはぜひ調べてみてほしい。
宮造りでもなければビル型でもない。
そこにある土地を最大限活かそうという形なのかな。
木造で、今井健太郎さんがよくやる清潔感のあるぬくもりテイスト。
まず階段を上がって、フロントにつく。
フロント。
右が男湯、左が女湯。これは週替わりらしい。ほお。我々が入ったのは弁財天の湯。左は大黒天の湯らしい。
フロント自体はそんなに大きくない。下駄箱と、5人くらい座れるスペースがあって。飲み物の冷蔵庫がある。
脱衣所へ。
良い。相変わらず今井健太郎感をロッカーのドアに出してくる。にくいねぇ。
いや、何よりも中。
浴槽だ。
浴槽が素晴らしかった。
開けると目に入るのは、中央のカランだ。
違うよ。
たしかにどこの銭湯も中央にはカランがある。だが、いわゆる入口から奥へと縦にのびていく、4,5席ついているようなあれではない。
円柱!円柱から放射線状にカランがついているのだ!!
特別感。こだわり。
銭湯に行きすぎるとこれを感じるだけで2度は体温上がる。
壁画が有名だ。
中島さんと丸山さんの富士山が二つあるという贅の限りをつくした仕様。国宝にすべきだこの場所。静岡山梨よりもいいんじゃないか。
そして女湯との境には丸い絵がずらり。
これは!と思い見てみると、やはりそうだ。
はすぬま温泉の境に描いてた方だ。
これ担当の方もいらっしゃるんだ世の中には。素晴らしいな。
そして浴室の右端には五右衛門風呂が。
壁をえぐったようなところに青々と設置されてる。幻想的。
お風呂全体があたたかい黄色の照明なのでこの青が映えている。
あたたかいでいうと、浴槽の枠が木製なところも見逃せない。家とは違うぞ。なぁ。
ただ、温度は高めなので長湯は難しい。風も通らぬ室内だ。
ただ、ものはやりようだ。カランからはいつだって冷水が出る。それをかぶってしまえばいい。
高橋は迷わずかぶる。
馬鹿なのか男らしいのかわからない。そもそも馬鹿と男らしいってモザイクかけたら一緒だろうな。
今日高橋がM-1を見てきた話をまた聞く。
こいつのいいところは気を使ってもいいし、気を使わなくてもいいとこだ。
出る。
ご当地サイダーをいただいて、退店。
風が激強なのを10分感じながら駅へ。
銭湯のあとは町中華に限る。
いや、まぁその土地にある感が出てればどこでも最高なんだけど。
というか町中華って言葉があるんだね。最近知った。今まで雑魚中華って呼んでたの最悪だったなぁ。
ラードで炒めたようなギトいチャーハンが最高にうまい。まったくこれで安いから町中華ってのは永遠にあるんだよなぁ。
日が経って考えると、あの長ーい駅からの道のりのなか、ボゥッと突然出てくるふくの湯は、本当に福の神が乗るような箱舟の形をしていたと閃く。計算されてるのかこれ。今井健太郎さんにやられてるのか。
100軒まであと少しだ。
いつか番台か、銭湯大使(は、いるので補佐とかでいい)になりたいねぇ。