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秘湯の会ー袋田編③ー

イチバンニバン 徳山
ドリルフィンフィンズ 高橋
ラパルフェ 都留

の三人で茨城は袋田の秘湯に向かった旅行の話。

当初の出発予定だった3:30を8時間過ぎて家を発つ。

高速では徳山のおすすめで稲川淳二さんの怖い話を聞くことに。
想像してもらったらわかる通り、高速道路ってものすごいノイズなの。聞こえないの。話が。
車のスピーカーだったらいいんだけども、高橋の車はBluetoothつなげられないから小さいBOZEのスピーカーから流すしかなくて、そりゃ聞こえないのよ。なんか最後首から上がなかったのはわかったんだけど。



サービスエリアってなんであんなワクワクするんだろうな。結局何も買わないのに。何も買わないんだよ結局。中のフードコートとか、お土産屋さんとか、バーッてみたらチェーンばっかりで。旅に一役かってくるんだよな。なるべくサービスエリアではごはん食べたくないし。でもあのお祭り感。
でも昔に比べて、悲しいかな、羽生とか小田原とかのSAは見慣れてきた感が否めない。あぁ、ここね、って。だから出店とかもはいはい、って感じになってきてる。いや、好奇心の問題か。ここが違うとかこれが目玉って期待に変えないと損か。

らーめん食えるぐらいするパンが売られているのを確認して再出発。

気づけばあっちゅう間に茨城。

うねり道を走ると関所の湯の看板が見えてくる。当初はここに行く予定だったが、二つは周りたいということで予定変更。最初は月居温泉に。


これがまた渋い木造の建物で、休憩所と食堂もついてるというたまらない温泉。入口の戸をあけるともわっとくる石油ストーブと木造住宅の臭い。なつかしさたるやない。
どこが休憩所でどこが温泉か迷っていると腰の曲がったおばあちゃんが出て来て、お風呂はあっちだと教えてくれる。
『ちょっと、一番いい形のおばあちゃんがいたよ!』
と人を形で判断する徳山。
『あれぐらいの腰の曲がり方が一番好きなんだよ。』
よくいえばジャンプと同じ人間の味方をしてる。

入浴券を買う。
フロントにはちょうど母親くらいのおばちゃんがいる。
『どこからいらしたの?』
この温泉は勝ちだ。愛想勝ちだ。
『東京です。』
なんて答えたら
『あ、そうなの。わざわざここのなんもないとこにねぇ。』
なんて自虐。
聞くと、昔はこのあたりがゴルフ場かなんかにする予定で大きく開拓したらしい。その時に温泉が湧いて出てきたもんだから慌ててゴルフ場用に作ってみたものの、気づけばゴルフ場がなくなってしまい、いよいよポツンと温泉しか残らなかったそうだ。たしか。
『横川鉱泉とか行かれたら?』
『横川鉱泉?』
『あっちの方に、もうちょっと南行く方に。』
『コウセンってこっちの光線すか?』
『そっちじゃないわよ笑(スペシウム光線のポーズ)』
『あっは、すいません。笑』
高橋はこうやって愛嬌をふりまいているんだろうな。

いざ入湯。

脱衣所も完全に木造。最高だ。
中にはおじさんが二人。

ガラガラ

簡単に体を洗って内風呂。

さすがに最高すぎる。
14時過ぎ。

もちろん露天もある。
仕切りで景色こそ見えないが、寒めの気温が抜群だ。
曇りの空も神秘的でいい。
露天の先は山につながっているみたいで、もちろんちょっと登った。危うく女湯どころか一般道から目撃されるところだった。

ベンツのディーラーの話をしたな。

ここの温泉は循環式らしく、同じお湯を何度も内と外で回しているらしい。湯量がすくないのかなこのへんは。

本当に地元の人しか来ない感じはプレミア感をくれたな。
いつまでも入れちゃうけど滝を見ないといけないので出る。腹も減ったし。


着替えながら、徳山の親が喧嘩してて、止めに入った徳山が弟に衝撃発言された話をしたな。
いつか暴露してもらおう。


フロントのおばちゃんに改めて鉱泉を聞く。
横川鉱泉、湯の沢鉱泉、岩倉鉱泉。
この3つが近いらしい。
秘湯を探してる時はまるで出てこなかった名前。これは秘湯より秘湯っぽい。
『よし、じゃ俺が横川鉱泉、高橋が湯の沢鉱泉、で、つる君が岩倉鉱泉覚えて。よし。覚えた!』
そう言っておばちゃんに別れを告げる。

一番形のいいおばあちゃんのいる休憩所でしばしまったり。
雰囲気にのまれそうになったが、冷静に見極めてそばは注文せずに出る。冷静だ。
車へ戻る。

『よし、じゃまず滝見に行くか。』
『や、でも鉱泉調べよう!ルート的にどこ通るか。』
『あ、そうだな。徳山どこだっけ?』
『えっと、俺は、なんだっけな。あれ!?あれ!?なんだっけ!?』
研究されてる猿の方がまだ覚えがいい。
『横川鉱泉ね』
『あそうだ!つる君すげぇ!高橋は?』
『俺はえっと、湯河原じゃなくて。』
人の形をした馬鹿、二匹目。
『湯の沢鉱泉。』
『あ、そうだわ。』
『すげぇ!やっぱ違うねつる君は!』
『で、都留のが?』
都留のが?じゃねんだぞ。忘れてた人間が回すな。
『岩倉鉱泉。』
『それだわ。』
しかし、こういう集団で最初に死ぬのは大体私みたいなやつなんだ。世の中って言うのは不条理だ。

調べてみると、どうやらどこの鉱泉も日帰り入浴は16時で終わってしまうらしい。少し遊びすぎた。時間はすでに15時だ。
一番近くて安いであろう湯の沢鉱泉に電話。

徳山の電話だ。
どうせ前置きがない。

ガチャ

『もしもし湯の沢ですぅ!!』

向こうの前置きがなさすぎるパターン。迫力のあるおばちゃんだ。

『あ、もしもし、あのそちらって日帰り入浴やってますか?』
『今どこですか!?』

迫力の質問返し。

『あ、まあ近くにはいるんですけど。』
『そしたら今日はね16時までなんですけど、宿泊する方もいなくてお湯がどんどん沸いちゃってるので待ってますよ!』
『あ、ほんとですか!?』
『はいー。』

迫力もあれば男気もある。袋田は最高のおばちゃんで溢れてる。

『気をつけて来てくださいね!』
『はい!』

おっといけない。
徳山が電話してんだからあれを聞かないと

『徳山、雪降ってるか聞いて』
『え!?』
『早く。』

『あのそっちって、雪降ってますか?』
『ゆ、雪?笑』

迫力に笑われた。近くにいる、って言っときながら天気わからないやつなんてどうかしてる。

『降ってないですよ笑』
『あ、そうですよね!ありがとうございます!』

『おい!なんだよ!雪降ってるわけないだろ!』
『降ってるわけないよ徳山。』
『な!おい!』

目指すは湯の沢鉱泉。
絶対最高だ。
迫力おばちゃんと袋田の滝、どっちの迫力がすげえのか。

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