成弘湯が最高だった話
今年の銭湯初めは負けから始まった。
風呂仲間がいる。三人、四人くらい。
仕事が終わって何もなさそうな日にLINEしてみる相手。
運試しみたいなもんだ。
今回は誘われた。
今日に限ってはバイトのあとにもう一つ、わざわざ六本木で予定がある。
しかし、六本木にいい風呂はない。
『六本木付近なら20時くらいには』
『じゃ一回家帰る?』
『いや、いいよそのまま行こう』
『飯たべたいっしょ?』
『え、いや、六本木だから』
『わかった、飯食ってきていいよ。車で迎えきて。』
なんて技を使うんだ。
ハード譲歩だ。
親切してるように見せかけて強制してくる。
『いや遅くなるなあ』
『でもイーストランド遅くまでやってるよ』
『知ってるよ』
『決まりだね』
なんせ僕は帰宅が遅くなったり、やけに遊びすぎると真面目になる癖があるのだ。
ここは真面目になった。
『夜更けちゃうって』
しかし彼も7年目の付き合いだ。
『成弘湯いいな』
風呂の名前を出してくる。
『成弘湯よさそうだなたしかに。』
白旗降臨。あっと言う間に僕の敗けだ。
いいように踊らされた。
詐欺師にでもなればいい。
こうして本日2019年1風呂目は青砥駅からほど近い成弘湯に決定。
おうちから車でブーン。
悔しいかな夜のドライブは高揚するものがある。
着く。
たまらない入場ゲートだ。
都心部には少ない、少し離れた商店街のあるような銭湯にしかみられない入場ゲート。
これは趣。
そして裏切らない宮造り。
いぶし銀な『成弘湯』の文字。
夜だから見えなかったけど、昼なら煙突まで見えたそうじゃないか。
湯に浸かる前から熱いことしてくる。
番台はおじちゃんとおばちゃんで回している様子。
『23:30には出てくださいね』
と強めの口調で朗らかに言うおじちゃん。
脱衣場は昔ながらの感じで
風が吹きすぎない縁側が良い涼み場。
天井は折り上げで綺麗。
ここの目玉はサウナだ。
460円でサウナ有り。
さらに
なんと
水風呂も同値段でついてくる。
珍しいぞ!優良だぞ!
して、中は広々、富士山ドーン。
富士山も焼きいもみたいな独特の配色。中島さん。
あとは所々に素敵な水色の女性が描かれてる。悪くないなあ。
常連の方いわく、このあたりだと一番熱いという湯はたしかにすぐにでもあがれる熱さ。
それも考慮してか端っこにぬるい湯があるのも素晴らしい。森林湯だった今日は。
サウナはぬるめ(らしい)。
80度に設定されていて23時に切れてしまうらしい。
だから22時ごろに来てサウナ入るのがおすすめだよ、とサウナで言われた。ありがとうおじちゃん。次は22時に来る。
おじちゃんは常連の強者なのでサウナはヒーターの目の前に仁王立ちして喰らっていた。
いろんな話を聞けるからと嬉しい反面、砂時計もう全部落ちてるけど話してるってことはもう際限なくいくんだなおじちゃんと恐れおののいていた僕。
聞いたら昔鹿児島まで自転車で行った際に各地の銭湯に寄ったらしい。関西は座るとこに石がおいてあったり、シャワーはホース式なんだそう。経験すごい。
てな感じであがって
お決まり
紀州の梅
を飲みながら
恒例
近くの神社に行ってみようのコーナー。
今回は
福森稲荷神社
青砥からすぐ。
旧福森村の鎮守をまつる。
小さいけど清潔感があって、好感のもてる神社だった。
今年もよろしくお願いします。
参拝もおわって解散に。
今回の銭湯はコスパが最高で地元の方も優しかった。なにより入り口が風情。
今年初にして
4.5
ですね。
いやあよかぁた。
交渉は負けたけど、風呂は勝った。
帰りはアジカンを歌おう。
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