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どうやってラジオ聴き始めた?

 僕は、毎日ラジオを聞く。芸人や女優、アイドルまで幅広く。聴き始めたきっかけを思い出してみた。大学4年生の卒業設計の模型を作っていたときに作業しながら聴き始めた。(建築学生だった)それまでは、課題の作業中は音楽を聴きながらやっていたため、課題ごとに思い出すアーティストや楽曲がある。計画性のない建築学生の課題は徹夜は当たり前だし、とにかく終わらない。友人も同じ課題をやっているので手伝ってもらうこともなかなか難しく孤独の戦いが続く。なら友人の家で話しながらやればいいのだが、模型制作となると驚くほどのスペースが必要となり足の踏み場のない部屋が瞬く間に完成する。だけど黙々と作業するのにも限界が来るときちょうど良いのがラジオだった。テレビのように常に笑いを取ろうと必死なわけでもなくなんとなくダラダラと話しててちょうどいいのだ。なぜこんなにも有能なコンテンツを無視して生きてきてしまったのだろうと後悔することもある。

 ふとラジオに関する1番古い記憶を辿ってみた。それは小学生の時のサッカーの試合で負けた後の帰りのバスの中だ。流れていたのは「日産あ、安部礼司」。ラジオドラマだ。その日の内容までは覚えていないが、汗臭く夕日が差し込むバスの中でラジオが流れているのは覚えている。試合の帰りのバスなんて何回もあったのになぜこの日だけ覚えているかというと試合に負けたからだ。自分はそこまで上手くなれなかったのだが、所属していたサッカーチームは6年間で10回も負けたことがなかった。大体県大会止まりだったが、地元ではかなり強かった。練習試合で負けても大号泣なのだ。小学生がだ。小学生ながらにも、それほど常勝にプライドを持っていた。そんな負け試合の中の1試合がこの日なのだ。試合に負けバスに乗り1時間くらい帰るバスの中で誰一人話さなかった。運転しているコーチもだ。ただただラジオが流れていた。あの日バスの中で、チームメイトはラジオに耳を傾けていたのだろうか。

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