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【挑戦の記録】NYリサーチのための久留米リサーチ!前編
こんにちは。
テキスタイルブランドPARANOMAD(パラノマド)の原田美帆です。
このnoteは京都・丹後の小さなテキスタイルファクトリーが挑戦するNYマーケット開拓の航海日記です。泥くさいホフク前進で進む日々を、ここに記録していきます。このnoteを通して、海外販路を目指す方とつながり、パラノマドを応援してくださっている方にオンタイムで活動をシェアし、アウトプットを通して挑戦と向き合う場にしていきたいと思っています。
今日は、少しカレンダーをさかのぼって、7月21日から24日にかけて行った久留米ツアーについて書きたいと思います。福岡の久留米市は日本の織物産地の一つ、藍染や絣の工房が今なお素晴らしいテキスタイルを生産しています。私は2019年にも訪れたことがあり、その時の訪問記を貼っておきます。よろしければ読んでみてくださいね。
NYリサーチの前に、すでに海外マーケットへ挑戦されている先人たちに会いに久留米へ!リサーチのためのリサーチツアー、前編です。
〜旅程〜
7月21日(日)
前入り (父方が福岡出身のためお墓参りなど)
7月22日 (月)
うなぎの寝床
坂田織物
Orige宿泊
ーー前編はここまで!ーー
7月23日(火)
坂田織物
下川織物
筑後川〜水天宮 ikilucaさんツアー
久留米産地の織元さんやお店を巡るのに車がないと厳しいですよとアドバイスを受け、JR久留米駅でレンタカーを借りました。私も丹後(田舎)に暮らしてすっかり車の民。100m先も車に乗ってしまうので、冷房を効かせた車の移動は小休憩にもなりました。
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うなぎの寝床
最初に訪れたのはうなぎの寝床さんです。福岡県八女市に本社を構え、久留米絣による現代的なもんぺの制作・販売をされています。全国でPOP UPを展開されていますので、見たことがある方もいるかもですね。ひろく地域の伝統産業や工芸品、地元の特産品を取り扱うセレクトショップを展開されています。
プロダクト、工芸、作品、民藝,,,さまざまなレイヤーで編集された品々は、海外の人から見てもとても魅力的だと思います。
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坂田織物
坂田織物の代表坂田さんとは長い間Facebookでつながっており、制作、販売、自社ショールーム+カフェオープンなど精力的な活動を「すごい!」と拝見してきました。ニューヨークへの挑戦を意識するようになって「そういえば、坂田さんはFacebookにマンハッタンの街角で撮った久留米絣のもんぺの写真をアップしていた!」と記憶がよみがえり、どんな背景があるのかお話を聞いてみたい!とコンタクトを取りました。
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坂田織物さんのファクトリーでは、緯糸作りの最終工程を見せてもらいました。NYから来ている3人のテキスタイルアーティストと通訳さん、坂田さんが英語を交えながら作業を進めています。「7月にはNYとのレジデンスプログラムもあり、3人のアーティストが滞在していますよ」と、坂田さんが事前に教えてくださり、タイミングを合わせることができました。
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夜までご一緒し、たくさんのお話を聞かせてもらいました。大学卒業後、一度はお笑い芸人を目指されますが、数ヶ月で方向転換!(いつもプロフに書かれていたので気になって詳しく聞いてしまいました)。アパレルの会社に転職し、2年後に家業である坂田織物に入社されます。当時、産地組合としてはフランス市場への取り組みがあったものの、入社直後ということもありその活動には参加せず、2017年からNY NOWという展示会への出展や、先代からのご縁もあってNYでショップインショップ(店舗の一角に自社スペースを作って販売すること)に取り組まれました。展示会の反応やショップでの販売は好調だったそうですが、長期計画として久留米絣そのものの認知拡大へ力を入れることに。絣という織物は世界中で織られていて、何が久留米の絣の特徴なのか。絣そのものの深掘りや価値の発信へと力を入れていきます。現在はアーティストインレジデンスプログラムも3期目、パーソンズ美術大学で久留米絣について講義も実施されています。ここ至るまでには、10年近くコツコツとした活動の積み重ねがあったのです。
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お話を聞いて
抽象的な表現になってしまうのですが、挑戦のお話は「最初から現在の販路開拓の手法が見えていたわけではない。けれど、1つのことを決めてやり切るとその結果に吸い寄せられるように次のご縁がやってくる。そのアクションを繰り返して、スタートの頃には想像していなかった高さまで登ってきている」ようでした。ブランドのブラッシュアップも、資産設備の導入も、どれひとつ欠かせないパズルのピースを、必要なタイミングで集めてこられたんですね。
レジデンスさんたちとはNYで再会!
坂田織物に滞在している3人のテキスタイルアーティスト、ニキータさん、ロミリーさん、ネハさんは制作が佳境でゆっくり話す時間はありませんでしたが、丹後ちりめんのサンプルや製法をまとめたプリントを持参し、彼女たちにプレゼントしました。「坂田さんが久留米の絣をあなたたちに紹介したように、私も丹後のテキスタイルや土地の物語をニューヨークで伝えたいんだ」と話すと、とても興味を持ってくれました。この夏、ニューヨークで再会し、「今回のプログラムを通して日本の織物をどう思ったか」など聞くつもりです。→この夏はタイミングが合わずNYでの再会は叶いませんでした。機会を改めてウェブインタビューをお願いしようと思っています〜!
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翌日の午前中まで、たっぷりと工場見学などさせていただきました!丁寧に案内いただきありがとうございました!!工場で働かれている職人さんは20代から一番多いのが40〜50代と、かなり若手のバランスでした。万全の生産体制、さすがです!
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坂田織物さんを訪問したことで、産地を超えた先輩とつながることができました。坂田さんの話してくれたエピソードは、これから私が経験するであろう課題に立ち向かう勇気をくれるでしょう。宿泊場所は坂田織物さんから車で5分のOrigeさん。広くて清潔・快適なステイでした。
おまけ<老舗うどん店 しげ>
通りがかりに入ったうどん屋さんが、めっちゃローカルなお店でした。基本のうどん・そば類を注文し、天ぷらやフライは大皿から自分で好きなものを取ります。また訪れたい。キングダムの漫画さんのサインがありましたよ!
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〜後編へ続きます!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。SHOPPE OBJECT、ニューヨークのマーケットについて質問、こんな情報が知りたい!リクエストなど気軽にコメントください。
PARANOMAD
原田美帆