見出し画像

2024年 音楽ベスト50

今年も早いもので(以下略)。2024年からの音楽的な変化といったらSpotifyからApple Musicにサブスクを乗り換えたことでしょうか。が、しかし慣れるまで本当にApple Music使いづらいですね。あと、ポッドキャスト的なものもSpotifyを使っている方々が多いですし、微妙だな〜と日々感じている。
まあ、気づいたら年あけていましたが気にせず2024年音楽ベストです。それとオマケで今年よかったライヴでも振り返って終わりです。よいお年を〜(越したけど)。

2024年音楽ベスト50選

50.PESTILENGTH - Solar Clorex

正体不明覆面スペインのブラッケンドデス/ドゥームバンドの3rdフル。これすごいね。ドゥームデスみたいなイントロからブラッケンドデス的ファストパートにつながりつつ、ブルデス/ハードコアな超スローパートにガテラルボイスとやりたい放題やっている。かと思えば普通にドゥームパートがあったり、忙しいバンドだ! 

49.Candy - Flipping

USのブルータルハードコアバンド24年EP。んー、やっぱCandy抜群にセンスありますね。今年アルバムも出していましたが、電子音・ノイズの使い方は圧倒的にこっちの方が好きなのでEPの方を。ファストパートはブルータリティに突っ走るし、ハードコア的なミドルパートはリズミカルで飛び跳ねるフロアが見えてきますね。以前より結構クラシックなハードコアという印象もあり、作品ごとに色があっていいです。あと、最大限にスローに落としてからのモッシュパートもあったりして、ハードコア全部載せで最高。

48.UNHOLY11 - Shit Up Late

大阪のハードコアバンドの24年EP。ほとんどアルバムといっていいような濃密度だけど、一応EP扱いらしい。関西極悪ハードコアあたりの影響をヒシヒシ感じる。どす黒い暗黒ハードコアやっていますね。たぶん、ギターの録音とか、CDジャケットのアートワークとかライヴでの印象とかそういった部分でそこに紐づけられていくんだろうけど、素直にかっこいいっす。あと、リフが異常にかっこいい。今後の活動にも注目!

47.Agriculture- Living is Easy

ロサンゼルスのポストブラックメタルバンドの24年EP。すげえかっけえ。デフヘヴン系ともいえるけどそれより遥かに幸福度が高い。あと最近だとLiturgyあたりか。Liturgy実際見たときに切羽詰まったというか、感情の切実さの嵐みたいな印象だったけどこのバンドは対極というか、聴いたら笑顔になりそうな気がするね。そんな音です。

46.Tzompantli - Beating the Drums of Ancestral Forse

Xibalbaのメンバーも所属する、USカルフォルニアのデスメタルバンドの2ndフル。ドゥーム成分もありますが、ドゥームというよりドゥーミーなパートが強靭で印象的って感触がある。それと民族(インディアンらしい)的なパートがあったりするので、おもしろいよね。

45.EARTHDOGS - Distorted static addicts

USオークランドのハードコアバンドの24年EP。この汚さはクラスト由来のものだと思うけど、ハードコアパンクの突進力もあり、さらにはデスメタル/ブラックメタル的なニュアンスも混じっているんじゃないかな。6曲目のイントロとかノイズっぽいし、そこからドラムボコボコとクラストパートみたいなものが入り、メタルクラスト風味なミドルパートもあり充実盤。6曲10分なのも最高。

44.SACROFUCK - Swi​eta Krew

ポーランドのグラインド/デスメタルバンドの3rdフル。基本的にデスメタルバンドとして捉えられるんでしょうが、グラインドとの境界線よくわかりませんよね(投げやり)。汚さ(褒め)のあるボーカルとブラストビートや緩急あるパートが入ってくると全部グラインドコアに聴こえるし、デスメタルにも聴こえる。フックのあるリフがグッときますし、疾走感もあって最高です。

43.Funeral Leech - The Illusion Time

ニューヨークのドゥーム・デスメタルの2ndフル。1stはクルエルのところからLP買ってやばいなーって思ってたら、気づけば2nd出してた。スロ〜ミドルテンポの曲が多いデスメタルですが、どんどんゆったりとしたパートに入るところ大好き。

42.ENDON - FALL OF SPRING

日本のハードコア/ブラックメタル/ノイズバンドの3rdフル。活動を休止していたわけではなかったらしいですが、2022年にライヴを再開してからギター、ドラムはなくなり、ボーカルx1、ノイズx2 スタイルに変更。ただ、大きく音楽性が変わっているかというとそうではなく、ノイズのなかでもこれまでにもあったハードコアな部分が見え隠れするし、楽器やボーカルの輪郭をとっぱらうことでより生々しさが際立っているようにも思える。私は電子音楽の知見はないけれど、これは間違いなくハードコアだ。

41.Profanation - Skull Crushing Violence

きったねえ(褒め)グライディング・デスメタルバンドの2024年EP。グライディングデスメタルとはいったものの、クラスト感があるし、ちょっとステンチはいった遅いドコドコパートはかっこいいですし、ライヴでみたらかならずぶち上がるやつですね。

40.Saidan - Visual Kill : The Blossoming of Psychotic Depravity

USブラックメタルの4thになるのかな? 後味さらっとした音でスッキリ凍りついてそのまま死んでしまうような感覚になる。北欧(じゃないけど)ブリザードなファストパートに、ミドルパートのボーカルがすごくいいですね。あと多幸感あるメロディが時より聴こえてきますし、上質なブラックメタルかと。あと、オーソドックスというか、ウォー/ベスチャル系以外だとブラックメタル関連だと、沖縄の正殿がよかったですね今年の新譜だと。

39.色々な十字架 - 1年生や2年生の挨拶

日本のヴィジュアル系バンド2ndフル。こりゃあかん、ヴィジュアル系の痒いところ手が届く音がぜんぶ盛りな音に90-00年代ヴィジュアル系ファンはイチコロですな。V系関連だとプラの新譜も好みでした。

38.FINAL EXIT / Born in Hell

結成30周年おめでとう! 日本ノイズグラインドの24年フルアルバム!  めちゃくちゃ楽しいアルバムなのでグラインドフリークス必須作品かと。ノイズグラインドパートももちろんいいが、その他のパートがとてもいいんですね。やっぱ緩急(静と動)、笑いとヴァイオレンス、反復と差異! あと、ジャケットめちゃくちゃかわいいっす。

37.Yambag - Mindfuck Ultra

今年来日も果たしたUSのハードコア・パワーヴァイオレンス・ファストコアバンドの24年作。自分は予定合わずライヴにいけなかったのですが、好評だったようでまたきてくれれば嬉しいな……。流行りのパワーヴァイオレンスではなく、パンクを極限まで速くしたファストコアやスラッシュハードコアといった方が適切でしょうか。ボーカルが特徴的でチャールズブロンソン的なニュアンスもある気がするんですよね。これ、前作のときにも同じ話していますね。芸がない。

36.Upon Stone - Dead Mother Moon

USのメロディックデスメタルの1stフル。今年クルエルのイベントにも出ていましたね。ハードコア精神があるというか、突進力があるというか、なんだろう自分は綺麗なメロディックデスメタルってあまり惹かれないんですが、例えばArch Enemyのヨハン期みたいな荒々しさ、雑さ、というか雑味みたいなものが混じった複雑なデスメタル。そして雑味のある音ながらメロディがグッとくるのが大好きで選びました。

35.Cosmic Putrefaction - Emerald Fires Atop the Farewell Mountai

イタリアのデスメタルバンドの4thフル。Blood Incantationは宇宙どころか次元超えていってしまいましたが、Cosmic Putrefaction素で宇宙突っ込んでいきますね。いや、宇宙に入るというより、気づいたら宇宙だったというべきか。音の分離という意味では近くはないんでしょうが、こういった音作りメロディックな(メロブラではなく)ブラックメタルにも感じられて好きなんですよね。Cosmic Putrefaction聴いていると宇宙行こうぜ、宇宙ってなります。

34.Uhritoimitus - Paine

フィンランドのブチ切れグラインドコア24年作。こういったブチギレ系グラインドコアはボーカルが起こった顔で歌っていそうで最高ですよね。いまからお前ん家いってぶち殺してやるってレベルの覇気があります。とても怖いですね。それと、ちょっとNasumを感じますかね。13曲13分で駆け抜けるのも最高。

33.Antichrist Siege Machine - Vengean of Eternal Fire

USのウォーブラックユニットの3rdフル。再生ボタン押したらいきなり爆風吹き荒れる戦地に投げ出されたかのような光景が見えてくる。ドラムの録音なのかシンバル系の影響なのか、音が甲高く聴こえる。サウンドバランスが低音より高域に振られているのかな。それにより胃もたれしない程度に最後まで聴けていいと思う。3曲目のイントロリフとかたまりませんな。ファストパートは爆風であるし、ミドルパートもいいですね。それに曲も短いし、10曲で26分ってのもいいね。何より音に覇気があってヨシ!

32.Thou - Umbilical

ルイジアナのスラッジ2024作。フルアルバムだと、6,7枚目に当たるのかな? キャリアハイ? すごくストレートで凶暴かつキャッチーなスラッジサウンド。これまでの作品よりパンク度が強く感じる。覇気があってさいこう!

31.Cross of Disbelief - EP

ニューヨークのブルータルデスメタル/デスメタリックハードコアの1stEP。ちょっと1作目からすっごい作品出しちゃったね。この半年後にもう一枚EP出しており、その活動的なところも最高です! 今後も期待!

30.Knocked Loose - You Won’t Go Before You’re Supposed to

USブルータルハードコアバンドの3rdフル。過去には日本ツアーもやっていたバンドですが、いやあ、すげえアルバムだなーと口あんぐりモードっす。ハードコアもりもりセットになっているけど、どこかブラックメタル〜激情あたりの繊細な音(convergeあたり含め)の感触があって好きなんですよね。

29.Frail Body - Artificial Bouquet

US激情ハードコア2ndフル! 極上の現代スクリーモ!ブラックメタルの寒々しいファストパートに激情ハードコアのボーカルが乗っかる感じ、現代ハードコアって感じがする。来年の来日も楽しみですね。Knocked Looseといい、どうしてもconvergeがちらつくよ、そろそろ見たいよ。

28.Locrian - End Terrain

USのエクスペリメンタル・ドローンユニットの24年最新作。Locrianは2013年の『Return To Annihilation』がとても好きなのですが、それと似たような方向性に聴こえる。冷たい質感の音、ブラックメタルにドローン、ノイズが幻影のように眼下に出現する感覚。まるで夢見ているような感覚に陥る。

27.Chat Pile - Cool World

USのノイズロック/ポストパンク・ハードコアバンドの2ndフル。ウルトラヘヴィロック! 初めて聴いたときこの切迫した緊張感のある音、まるでREDSHEERみたいだなーと思った。ベースのバキバキ度はKORNみたいだし、リズムも最高。ああ、そうそう、Sunday Bloody Sundayも一緒に対バンとかでみたいよって気分になりました。

26.Maul - In the Jaws of Bereavement

USのオールドスクールデスメタルバンドの2ndフル。オールドスクールデスメタルとはいったものの、かなりハードコア成分が高いです。デスメタル〜ハードコアについて、ハードコア側からの影響化にあるデスメタル、またはデスメタル側からの影響化にあるハードコアのパターンがありますが(もちろん他にもあるだろう)、こちらは前者の音に思える。そもそもボーカルの声質もデスメタルというよりも、ニュースクールハードコアバンドにいそうな声質であるし、ミドル〜スローパートのハードコア的ニュアンスにトレモロリフみたいなものもあるし、たぶん、ハードコア大好きなんじゃないだろうか。超かっこいいっす。クルエル、コフィンズあたりと対バン見たいっす。

25.Deadform - Entrenched in Hell

DYSTOPIAやNoothgrushのディーノ氏が所属するUSのステンチ/クラスト/パンクバンドのEP。EPといっても6曲30分収録されているので実質フルアルバムでもいいのでは感がありますが、このステンチ/スラッジ塩梅ほんとにいいんですよね。しっかしディーノ氏のボーカル最高っすね。この辺りの界隈好きな人はマストだと思うけど、ニュースクールとかビートダウン系のハードコア好きな人にも聴いてほしさがある。3曲目「The Exit」のノリとか最高じゃないですか? 

24.Belmadigula - SPELLS

東京のハードコアバンドの一応アルバム扱いなのかな? 死体カセットよりリリースされた本作とプラスして『スペルズ』というストレートなハードコアパンクを響かせている作品を8センチCDとして、同時リリースしている。スプリット含めると今年3作リリースになったのかな? 本作は『スペルズ』とは異なり、民族音楽のような音から始まり、そこから急転直下、ドス黒いスラッジサウンドに耳の鼓膜をブチ破られるだろう。個人的にトータルハードコアというか、スラッジをベースにさまざまなハードコアを飲みこんているので、普段スラッジ聴かないよって人にも結構オススメなんですよね。これ聴いて気軽に箱へ遊びにいきましょう!

23.Godspeed You! Black Emperor - “NO TITLE AS OF 13 FEBRUARY 2024 28,340 DEAD"

GY!BEでひさびさにいいと思える作品が聴けた気がする。最近あまり注目もしていなかったし、別にこの作品の背景とか意味にそこまで寄り添う気持ちまで持っているかはそうでもないのですが(寄り添うというか寄り添いすぎないようにしているというか)、その痛みの裏でこういう音が出てくるのも事実なんだよなーと。

22.柴田聡子 - Your Favorite Things

日本のシンガーソングライターによる7thフル。まず、ジャケットがよすぎる。ジャケットもいいのだが、ということは写真も当然のように素晴らしいのである。おそらく海辺で日の入りなんだか、日の出なんだか、でもきっと日の入りの時間帯なのではないか、なんとなくそういうように感じる。それは、「Movie Light」を聴きながらそんな風に思ったからなんだけども、んー誰が撮ったんだろうと調べてみると、守本勝英という写真家が撮ったらしい。アンカバとかで撮っているファッション系の方みたいですね。しかし、いい写真だ。なんか、こう、思考を巡らしているときにピッタリなアルバムというか、考え事という言葉がハマる。

21.GAOLED - BESTIAL HARDCORE

オーストラリアのベスチャル・ブラック/パワーヴァイオレンス/グラインドコアバンドの24年LP。何年か前から「ベスチャル・ハードコア」といって作品をリリースしているバンドになりますが、個人的にはHELLNATIONの傑作『DYNAMITE UP YOUR ASS』にベスチャル、クラスト暗黒載せするとこんな音になるんじゃないのかなーという感想。なので音質悪い邪悪系のスラッシュメタルが根底にはあるんじゃないかと。でも、それ以上にリバーブがかったボーカルが特徴的でいいですよね。結構かかりすぎるくらいかかっているので、そこが通常のグラインド/パワーヴァイオレンスと違った感覚になるし、ハードコアパンクとも異なった印象を与えている。途中にツーステ踏みたくなるようなフレーズ入る曲もあるし、まさにBESTIAL HARDCORE!!

20.Xiu Xiu - 13″ Frank Beltrame Italian Stiletto

USのインディユニットによる2024年作。Xiu Xiuは2021年の『Oh No』がめちゃくちゃ好きだったんですが、それを超えてくるかもしれない。自分好みの気怠さと、キャッチーだけど何やっているかよくわからない、みたいなものが充実していて素晴らしい。また気怠さだけではなく、「Common Loon」みたいなカラフルな曲もあり、とっつきやすさにつながっていますし、ジャケットのイメージがアルバム全体を表現しているようでいい仕事ぶりですよね。

19.CIVILIAN THROWER / MORBID ANGEL DUST - SPLIT

地元のヤンキーとかギャングの抗争前って感じで素敵なジャケット

フランスのCIVILIAN THROWERとチェコのMORBID ANGEL DUSTによる分割盤!  いうことなしどちらも怒涛のフルブラスト・グラインドコア傑作分割盤! 私の悪い癖はこういう音楽聴いたときに「いうことなし!」とかいってしまうところなのですが、ほんとに何も考えられん! 音に身を任せて聴きましょう。最高の分割盤!

18.PeelingFlesh - The G Code

USのハードコア/スラミング/ブルータル・デスメタルの2ndになるのかな? このバンドも今年びっくりした音でした。ボーカルはガテラルでノリ的にはスラミングデスみたいなギターがズンズンしたリズミカルな音楽なのですが、リフが圧倒的に格好いいのと曲の構成がおもしろい。それにHIPHOPが割ってブチ込まれるのが痛快。昨年だとZULUが色々な要素が組み上がったハードコアになっていましたが、もっと地底臭があるデスメタル/ハードコアにHIPHOPが持ち込まれるとどうなるの? を体現したバンドかと。ぜひ来日してもらってフロアでフルモッシュしている人が見たいですね。最高でした。

17.SEX MESSIAH - Sexus-Mortem Ouroboros

日本のベスチャル・ブラックメタルバンドの2ndフル。SEX MESSIAHといえば、前作の『Metal del Chivo』はブラックメタル界隈で激震が走るほどの作品ですが、今作もあのテンションは失われていません。なかなか予定合わないのでライヴいけないのですが、2025年はなんとかいきたい!

16.高倉健/penisboys - split(7”)

東京のファストコア/パワーヴァイオレンス高倉健とファストコア/ノイズ・パワーヴァイオレンスpenisboysの分割盤! ペニボのこのノイジーさほんまにたまらん。聴いていてハッピーな気持ちになるね。しかもずっと速い。聴いているとこのまま宇宙にいけそうな気持ちになるね。たしかピアニカ吹いてましたよね、あれがええんすわ。。それに冗談抜きにギターリフいいんだよね、ってのとボーカルの熱量マックスさとか。それと音の分離が曖昧な部分もこの方向性とすごくあっている。高倉健も速くてさいこう!!!! 今年出た単独作ともちろん収録内容違うのでぜひゲトしましょう!!!! 2024年最高の分割盤! ちなみに画像は白黒ですが、7インチ現物は黄色いジャケです。

15.TERMINATION - Omega

大阪のハードコア/グラインドコアバンドのEP。昨年運良くライヴを見れたバンドのひとつなのですが、今年のリリースラッシュの中でも根底となるOMEGAを選びました。基本的にグラインドコアなのですが、イントロのフルモッシュハードコアパートが入ったり、関西ハードコアの影がちらつきながらもグラインドコアやっていることにグッときますね。今年EPやライヴ盤リリースしまくりなので、ぜひ聴いてライヴに足を運んで欲しいバンドのひとつ。今年のライヴ版は↓か、中島みゆきばっかり聴いていました。

https://termination.bandcamp.com/album/live-devastation-ii

14.Melt-Banana - 3+5

メルトバナナほんとうに幸福な音楽ですね。11年ぶりのアルバムですが、ずっと最前線を走り続けているというか、それを体現している音ですよね。世界見てもこんな音ないんじゃない? 今年ひさびさにZULU来日のときにライヴを見る機会があったのですが、楽しすぎて死ぬほど踊りました。

13.Gigan - Anomalous Abstractigate Infinitessimus

元HATE ETERNALのメンバーがやっているUSのテクニカルデスメタルバンドの5th。テクニカルデスメタルなのですが、すごくスケールのでかい音楽をやっていますね。例えば今年アルバムも最高でしたが、Defeated SanityやIniquitous Savageryのような音作り(それこそHATE ETERNALだったり)と比べるとこのアルバムは音の輪郭がいい意味でボワッとしていますし、空間への意識が感じられるので琴線に触れるといいますか、グッとくる。やっぱり出がヴィジュアル系なので、スケール感でかくて派手なバンドに惹かれちゃうんですね。どうしてもね。

12.xEdenisgonex - PAIN

正体不明覆面エッジメタルバンドの3rdフル! めっちゃくちゃブルータリティーだしハードコアだし、メロデス風味のメロディと疾走感がたまらんし、人殺す気で攻め入る強靭さ、さいこうです。今年の自分的ニュースクールハードコアイヤー受賞!

11.Morgue Breath - Plaga Sin Rostro

USのグラインドコア2ndフル。口開けてあんぐり、爆裂フルブラストグラインドコア。もう何もいうことない、カッコよすぎる。こういうグラインドコアがベースにちょっとゴア風味が足される作品に弱いですね。たまらん。

10.老人の仕事 - 三

日本のストーナーロックバンドによる3rdアルバム。かなり精力的にリリースしていますよね。しかし、これ過去作よりぶっ飛べますね。やっぱり思い浮かべるのは朝、日がのぼりはじめる霧がかった。山々の光景でしょうか。ギターの歪みがズオーーーンと伸び、やまびことして反響する。その反響で頭グラグラやられていつの間にかに違い世界へ……

09.COFFINS - Sinister Oath

東京のオールドスクール/ドゥーム/デスメタルの6th! 現体制になっての2枚目のフルアルバムです。4thがかなりスウェデス色が強くて、前作5thではRAW STENCH DEATH METALを販売するマーチにも入れたりしていて、かなりステンチクラスト成分(*1)が増していましたが、今作は4thというかそれ以前のCOFFINSの音に少し回帰してきた印象がある。CD盤に収録されているライナーノーツの内野さんと関根さんの対談や、根岸さんの文章最高なのでみんなCD(国内盤)買いましょう。それと精力的にライヴやっているのでみんな軽率にライヴ行きましょう。COFFINS大好きです。2024年もありがとうの気持ち。
*1:2019年5thリリース時のインタビュー。あたけさんボブ期だ。

08.Slimelord - Chytridiomycosis Relinquished

今年、本当にデスメタルバブルみたいなド急の傑作がリリースされまくった年だと思っています。その中でも、このイギリスのデスメタルバンド完全にノーマークでしたが、最高の1stフル! このバンド結構テクニカルな音出しているんですね。もともと私はあまりテクニカルなデスメタルはあまり聴かないし知見もないのですが、メロディが本当にいい。メロディックデスメタルではないですけど、メロディックなオールドスクールデスメタルバンドとかドゥームデスをもし自分がやるならこういう音を出したい! という見本が出てきてしまった。(まあ、当方楽器ほとんど弾けないのですが) それと、メタルとか関係なくステージ演出がすごいバンドの演奏を聴いている感じがしますね(実際どうだかはわかりませんが)。 メタル全体に見てもすごいアルバムだったんじゃないかな。

07.envy - Eunoia

日本の激情ハードコアによる8thフルで、新体制になって2枚目ですかね。こんなにenvyのアルバムでしんみりと、そしてガッツポーズしたのはいつぶりでしょうか。今までだって別に悪いことなかったはずなのに、メロディが輝いてみえる(きこえる)。今年この手のジャンルであれば久しぶりにheaven in her armsを見れたのですが、うーん、やっぱ対局であるというか、そのときこのアルバムを思い出して、うーん、2025年は必ずenvyのライヴ見にいかなければならないという気持ちになりました。envyありがとう。

06.EGO FIX - 残虐技術博覧会 -TIME TRAVEL OV MAGGOT'S DREAM-

大阪のグラインドコアによるファーストにしてラスト作! 痺れる15曲グラインド!!  私は運よく再開後に見れたのですが、ライヴも本当にかっこよかった。SxOxBにNAPALM DEATHにTERRORIZERにせよ、あの時代かっこいいグラインドコアの影響も感じつつDIE-SUCKさんの最高のボーカルにグッときますな。ライナーノーツも最高なんでCD買いましょう! ついでにディスコグラフィーも要チェック。

05.H.A.R.M. - CON SAFOS

2014年結成USロサンゼルスのグラインドコア/パワーヴァイオレンス1stLP! ウルトラヘヴィネスの超重量級パワーヴァイオレンス! 近頃流行りのビートダウンありのトータルハードコアなパワーヴァイオレンスではなく、あくまでパンク/グラインドコアよりの重量マシマシ・グラインド・ヴァイオレンスコアといったところかな。ボーカル、ギター、ドラム、ノイズ体勢なんだけど、たとえばFull of Hellとかのノイズ的な感じではないし、あくまでジャンル内でのパワー増力装置的なノイズなのかな? ライヴ体験してみたいっすね。たぶん、LPだけのリリースかな? 私はdigdigで運よく買えました。まだ在庫ありそうなので、気になった方はぜひ!

04.Spectral Voice - Sparagmos

USコロラド州のドゥーム/デスメタルバンドの2ndフル。1stの「Eroded Corridors of Unbeing」からオールドスクールデスメタル界隈からは、2ndがいつ出るのか注目されていましたが、こりゃエゲツのないものが出てきてしまった。前作と比べると音の輪郭や立体感が強調されたような音作りになっていて、音が作り出す空間がものすごく広い。疾走パートに入る前のドラムの音が気持ちがいいし(特に1曲目終わりから2曲目入りやばくないですか?)、ボーカルはデスメタル、というより、まるで人を呪ってやる的な怨念が込められていて、それが尚、空間的な魅力を引き出している。これがオールドスクールデスメタルなのか! と思うくらいドラマティックなアルバムだし、メタルの幅というよりも音響系の枠で語られてもいいくらいこだわった音作りになっているんじゃないでしょうか。はるまげ堂でLPも買えました! 入荷ありがとうです。

03.ZENOCIDE - Ashes Asylum

東京のアナーコ・パンク/スラッジ・ドゥーム/ノイズ/クラスト、、、バンドによる2ndフル。「Veronica Puts On Silk」が2ndという形ではなかったはずなので、これが2ndのはず。ジャンルの草分けがめちゃくちゃ難しい。あえてくくるとしたらパンクってなるんだけど。しかし、ZENOCIDEほんとにとんでもないものリリースしてきましたね。バンドの方向性(態度)と音作りが完全にマッチしているじゃないかな。ZENOCIDE聴いたことない人にも聴いてほしいもん。普段あんまりそうは思わないんだが、ぜひデカイ音で聴いてもらいたい。それに注目すべきはジャケットだろうか。これジャケ写じゃわからないので、写真載せておきますが、Daymareめちゃくちゃ頑張りましたね。今年のジャケットベストでもある。

歌詞カードではなくプレートが入っていてジャケットが立体構造になっています。
こんな感じでプレートが入っています。

02.高倉健 - S/T

東京を中心に活動する日本のファストコア/パワーヴァイオレンスバンド高倉健による24年S/T! 2021年活動開始ということで、2年前くらいからなんとなく名前は聞いていて、昨年わりと周りの人たちがライヴによくいっているなー、と思ったら2024年は今年の顔みたいなレベルで人気になりましたね。特にライヴ映像での「頭クラクラ ケンタカクラ」の口上が印象的で絶対見たい! と思ってて、初見はなんだかんだ今年になってしまいました。ライヴ痛烈にかっこいいんですが、このS/Tそのライヴの熱量が完全に凝縮された一枚となっております。連想される「チャールズ・ブロンソン」ですが、日本ときたら高倉健ってほんと?と思いつつ、なんだかんだわかる気もするし、でも、実はメンバー全員が高倉健に似ているから説、、、と諸説あるんだかないんだか。まあ、とにかく速いし、かっこいい。今年のパワーヴァイオレンスベスト! 来年もたくさんライヴ見たいです。ちなみに私の好きな高倉健映画は、『緋牡丹博徒 花札勝負』(1969)ですかね。ベタですが。

01.VMO a.k.a Violent Magic Orchestra - DEATH RAVE

VMOといえば1stを聴いてテクノxブラックメタルにノイズに……とだいぶコアなサウンド鳴らしていたなーという印象だったんですが、ザスター加入後の2ndフルとして発表された今作は前作とは違って、とてもキャッチーな印象を受ける。多少ブラックメタルな成分は落ち着いているように見えるが、確かベースとしては存在しているのだけど、3.「The Destroyer」のなんてもろトランスのような壮大なイントロから始まるし、音楽的な幅もそうだけど、大箱で映えるような音の奥行きというか空間を意識したような音作りがされている。これはまったく個人的なことになるけど、90年代後半〜00年代前半を中学・高校と過ごした私は完全にエイベックスに毒されていたので、エイベックスからリリースされていたサイバートランスシリーズ(*1)や、あゆ、ELTなどの曲をサイバートランス化するというシリーズを地元の友人と聞いていたあの時を思い出し、とても懐かしい気分になった。あのとき、単車乗りながら爆音でトランス流していたヤンキーとか元気なんだろうか。アルバムとしてもベストですが、思い出プライス的にも今年のベストです。今年、4回見れました! 年末年越しも見ます、VMO大好きです。でも、Vampilliaもたくさんやってね!

*1:エイベックスが出していたトランスのベスト盤的なもの(↓)それと名盤のELTサイバートランスミックス。

さすがにベスト50大変すぎる! これでもだいぶ抑えたのですが、来年は20〜30くらいに抑えて一つ一つの文章をより濃く書くようにしよう。。。これでやっとみんなのベスト見れる! (影響受けないようにしていいねだけしてた) 最後にオマケ↓

2024年行ってよかったLIVE

  • VMO (MUTEK.JP、2024/11/23)

  • SLIGHT SLAPPERS (Far East Fast Blast Festival 30周年ワンマン、アースダム、2024/12/01)

  • 裸繪札 (百鬼夜行-三-、池袋手刀、2024/11/01)

  • FESTERDECAY (浅草デスフェスト2024、Asakusa Gold Sounds、2024/11/03)

  • 高倉健 (METEO NIGHT2024、o-nest、2024/08/04)

  • ZULU (渋谷ハーレム、2024/04/20)

  • SUPPRESSION (小岩ブッシュバッシュ2024/04/12)

  • MORTIFERUM (小岩ブッシュバッシュ、2024/01/07)

  • world's end girlfriend  (抵抗と祝福の夜、六本木EX THEATER、2024/05/08)

  • 水樹奈々 (NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024、Kアリーナ横浜、2024/0707)

ライヴ編。いくらでもいいライヴはあるんですが、なるべく初見をベースに10本選んでみました(スラスラとVMO、水樹奈々は何度もみてますが)。VMOは2024年4回みて、エクストリームセットのとき(A RAY OF HOPE)も最高だったんですが、MUTEKのアートセット版やばかったですね。何よりアルバムの長い曲やってくれるから好きなのですが、VJも最高でしたし、完全にエクストリームアート空間ができていました。来日系だとUNDERGANGもよかったけど、年初めにみた Mortiferumがやばすぎてなんだかんだ2024年ベスト来日かと。ZULUは開口一番ストサベで全人類全滅みたいな感じのフロアになって最高だった。イベントとしてみたらベストだった気がする。ハーレムという箱もよかったですね。念願の高倉健あまりにも会場のボルテージが高すぎてすごかった。今年も見たい。FESTERDECAYもやっとみれた〜〜。イントロでブチあがりすぎて今年一番モッシュしました。裸繪札はイベントこみでもよかったですね、スーパーストラクチャーのボルテージを下げずにみんな踊りまくってて最高でした。SUPPRESSIONスラスラは青春でした。world's end girlfriendのワンマン壮絶でしたね。あまりにも緊張感があって、写真とか動画とっている余裕が一ミリもなかった。そんなライヴはじめてでした。どちらかというと、ライヴというよりクラシックのコンサートみているような気持ちなんだけど、緊張感があるという感じ。水樹奈々のライヴは6,7年ぶりにいったのですが、セトリがとんでもなかった。ファンにしかわからないと思うけど、ニューセン、パワゲ、スパジェネ、サドンリー、トラマイ、が1日で揃うライヴなんてほぼあり得ないんですよね。だいたいニューセンとサドンリー、パワゲとスパジェネって別れるし、そこにトラマイが入るとか今後ないだろうというセトリ。久々にみましたが、相変わらず想像を絶するパワーの持ち主ですね。2025年なのはの新作があるし、なのは系縛りでライヴ見たいっす。
唯一ミスったのが、ETERNAL ELYSIUM復活公演で残業で残り1分しか聴けなかったこと。2月にアースダムでやるらしいのでリベンジします。あと、書いていないのでよかったのはイベント単位だとA RAY OF HOPEですかねー。今年もやばいメンツなので楽しみっす。

いいなと思ったら応援しよう!