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海外大会に出場しないとパラリンピックに出る資格がもらえない

 やたらとパラリンピックの選手は海外遠征にいく。

 その理由は、一度海外に行かないとパラリンピックに出ることができないからだ。

 パラリンピック競技では障害のある選手が平等に戦えるように障害の種類や程度に応じたクラス分けが行われる。そしてそのクラス分けは国際大会でしか実施されない。

 このクラス分けの判定はクラスファイヤーという専門家によって行われる。

 なのでコロナなど関係なく、東京パラが開始する前までに絶対に海外に行って、クラスファイヤーの元で出場資格を得る必要があるのだ。


しかしながら、これがまぁ大変である。

①健康リスク

 一番心配されていることがコロナへの感染による、基礎疾患の重篤化である。パラ選手には免疫が低下やすく病気にかかりやすい人もいる。

海外への遠征は通常の遠征に比べ、疲労もストレスもかかりやすいため細心の注意が必要となる。

②代表選考会へのリスク

 パラ水泳では4月から国際大会が始まる。イギリス、アメリカ、イタリア、オーストラリアと大会があるが、いずれかで大会に参加した場合、日本で行われる2021年5月の選考会で100%の力を出し切れるか不安が残る。

 なぜなら、

日本出発 →大会参加(10日ほど)→帰国(14日隔離)

という流れになるからだ。
4月中は試合に参加するだけで精一杯になってしまう。

5月の大会に向けて万全の準備をする時間がないことは、選手にとってリスクであろう。


③費用的なリスク

  隔離期間の余分な宿泊費が必要となる。さらに、今はものすごく飛行機代も高くなっている。イギリスに行くなら往復55万~であった。
(2021年1月時点で検索した結果)

なかなかお金に恵まれていないと、参加すら厳しいだろう。


これらのリスクを抱えながらもパラリンピック出場を目指し、海外で戦う選手たち。

それだけの価値がパラリンピックにはあると私は思っている。

しかし、パラリンピック開催の在り方も問われ始めている。健康への配慮をしつつ、なんとか満足いく形で開催できるよう、議論していくべきだ。

命だけはしっかり保障されることが前提であるが。

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編集長




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