35_一過性意識消失と失神【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【一過性意識消失と失神】
1. 失神の定義と原因
失神: 脳血流量の一時的な減少によって倒れた後、短時間で自然かつ完全に回復する病態。
起立性低血圧: 起立時に血圧が低下し、循環血液量の減少、薬物の服用、自律神経障害が原因となりやすい。
頸動脈洞症候群: 過度の減圧反射により徐脈と血圧低下が生じ、高齢男性に多い。
2. 心血管性失神
心血管性失神: 心臓または血管の疾患が原因となる失神。予後不良で、突然死を引き起こすリスクがある。
大動脈弁狭窄: 運動中に失神が多く発生。
高度の徐脈・頻脈: 心拍出量の減少により、失神やめまいを引き起こすことがある。
アダムス・ストークス症候群: 徐脈または頻脈に伴う失神、めまい、痙攣などが発作的に出現。
3. その他の失神の原因
くも膜下出血: 発症直後に意識を消失し、その後強い頭痛や悪心・嘔吐を伴う。
低酸素血症・低血糖: 一過性の意識障害を引き起こすことがある。
4. 失神の緊急度・重症度
高緊急度の症状: 胸痛、動悸、持続的な血圧低下が見られる場合は重症度が高い。
起立性失神の誘因: 貧血、タール便、腹痛などが関連することがある。
5. 失神における問診の重要性
問診の重要性: 発症状況や既往歴に関する詳細な問診が必要。失神の原因を特定するための重要な情報源。
問題
脳血流量減少により倒れた後、短時間で自然に、かつ完全に回復する病態を____という。
起立時に____が低下するのが起立性低血圧である。
起立性低血圧は、循環____の減少、ある種の薬物の服用、自律神経障害などがあると起こりやすい。
____症候群では、過度の減圧反射が生じて徐脈と血圧低下が生じる。
____症候群は高齢男性に多い。
心血管性失神は____または血管の疾患が原因となる失神をいう。
心血管性失神は放置すると____を起こすこともある。
心血管性失神は、予後____である。
____弁狭窄による失神は運動中に多い。
高度の徐脈または頻脈では____が減少する。
徐脈または頻脈のために失神、めまい、痙攣などを発作的にきたすのが____症候群である。
____出血では発症直後に意識を消失する。
____出血では意識回復後に強い頭痛や悪心・嘔吐を訴える。
低酸素血症や____で一過性の意識障害をきたすことがある。
胸痛、動悸、持続的な____を認めるときは緊急度・重症度が高い。
貧血、____便、腹痛などは起立性失神の誘因となることがある。
失神では、発症の状況や____に関する問診が重要である。
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解答
脳血流量減少により倒れた後、短時間で自然に、かつ完全に回復する病態を失神という。
起立時に血圧が低下するのが起立性低血圧である。
起立性低血圧は、循環血液量の減少、ある種の薬物の服用、自律神経障害などがあると起こりやすい。
頸動脈洞症候群では、過度の減圧反射が生じて徐脈と血圧低下が生じる。
頸動脈洞症候群は高齢男性に多い。
心血管性失神は心臓または血管の疾患が原因となる失神をいう。
心血管性失神は放置すると突然死を起こすこともある。
心血管性失神は、予後不良である。
大動脈弁狭窄による失神は運動中に多い。
高度の徐脈または頻脈では心拍出量が減少する。
徐脈または頻脈のために失神、めまい、痙攣などを発作的にきたすのがアダムス・ストークス症候群である。
くも膜下出血では発症直後に意識を消失する。
くも膜下出血では意識回復後に強い頭痛や悪心・嘔吐を訴える。
低酸素血症や低血糖で一過性の意識障害をきたすことがある。
胸痛、動悸、持続的な血圧低下を認めるときは緊急度・重症度が高い。
貧血、タール便、腹痛などは起立性失神の誘因となることがある。
失神では、発症の状況や既往歴に関する問診が重要である。
練習問題
問題1
脳血流量減少により倒れた後、短時間で自然に、かつ完全に回復する病態を何というか?
A. 昏睡
B. 失神
C. ショック
D. 脳梗塞
E. 低血糖
答え: B
脳血流量減少により倒れた後、短時間で自然に、かつ完全に回復する病態を失神という。
問題2
起立時に血圧が低下する病態はどれか?
A. 頸動脈洞症候群
B. 心血管性失神
C. アダムス・ストークス症候群
D. 起立性低血圧
E. 低血糖症
答え: D
起立時に血圧が低下するのが起立性低血圧である。
問題3
頸動脈洞症候群に多い患者層はどれか?
A. 若年男性
B. 高齢男性
C. 若年女性
D. 高齢女性
E. 小児
答え: B
頸動脈洞症候群は高齢男性に多い。
問題4
心血管性失神の原因はどれか?
A. 精神的ストレス
B. 血管迷走神経反射
C. 心臓または血管の疾患
D. 自律神経障害
E. 脱水
答え: C
心血管性失神は心臓または血管の疾患が原因となる失神をいう。
問題5
心血管性失神を放置した場合、どのような結果を引き起こすことがあるか?
A. 突然死
B. 軽いめまい
C. 完全回復
D. 脳出血
E. 貧血
答え: A
心血管性失神は放置すると突然死を起こすこともある。
問題6
運動中に多く見られる失神の原因はどれか?
A. 高血糖
B. 脱水症
C. 大動脈弁狭窄
D. 気管支喘息
E. 過呼吸症候群
答え: C
大動脈弁狭窄による失神は運動中に多い。
問題7
アダムス・ストークス症候群で見られる症状はどれか?
A. 徐脈と呼吸困難
B. 発作性の失神、めまい、痙攣
C. 頻脈と不整脈
D. 胸痛と動悸
E. 強い頭痛
答え: B
アダムス・ストークス症候群では徐脈または頻脈のために失神、めまい、痙攣などを発作的にきたす。
問題8
くも膜下出血では、意識消失後にどのような症状を訴えることが多いか?
A. 胸痛と咳
B. 強い頭痛と悪心・嘔吐
C. 眩暈と耳鳴り
D. 食欲不振
E. むくみ
答え: B
くも膜下出血では意識回復後に強い頭痛や悪心・嘔吐を訴える。
問題9
起立性低血圧の誘因になり得るものはどれか?
A. 高血糖
B. 貧血
C. 高血圧
D. 肥満
E. アレルギー
答え: B
貧血、タール便、腹痛などは起立性失神の誘因となることがある。
問題10
失神患者の診察において、最も重要な情報はどれか?
A. 呼吸音
B. 血液検査の結果
C. 発症の状況や既往歴
D. 血圧測定値
E. 脈拍数
答え: C
失神では、発症の状況や既往歴に関する問診が重要である。
参考文献:救急救命士標準テキスト
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35_一過性意識消失と失神
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